「あおもり歴史トリビア」第541号(令和5年2月10日配信)
2023/02/10 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第541号(令和5年2月10日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは! 室長の工藤です。
1月6日配信のNo.536で、明治39年(1906)年5月20日開催の「開港及開市二百八十年紀念祝賀会」に併せて有志に企画された「開市二百八十年」の記念碑について紹介しました。今回はこの祝賀会の来賓・来場者に手渡された記念品を紹介します。
祝賀会の報告書である「青森開港及開市二百八十年祝賀記」(弘前市立弘前図書館蔵)によると、会場の合浦公園にやってきた来賓・来場者は、受付で「青森市全図」や絹のハンカチ(来賓のみ)などを受け取ります。ハンカチは上部に「開港及開市二百八十年祝賀会」との文字が入り、中央部には「善知鳥神社及青森港の景図」がデザインされているといいます。一方、「青森市全図」は図の「下部右千年前ノ青森及安潟ノ図」「同左二百八十年前ノ青森ノ図」が配置され、裏面には「統計一班」が載っているといいます。
さて、この「青森市全図」は歴史資料室で所蔵しています(縦48.5センチ・横69.5センチ)。5月10日に印刷され、5月20日発行となっています。発行者は青森市役所です。市役所が祝賀会を開催することを決めたのは4月の上旬のことなので、せいぜい1か月で原稿を調えたということになります。
地図の縮尺は9,000分の1で、官公署・学校・社寺などが描かれています。そして報告書にあるように、裏面には「青森市統計一班」、そして表面の下方に「千年前ノ青森及安潟」「二百八十年前ノ青森」というふたつの絵が縦10センチ・横14センチのサイズで配置されています。ともに右端に作者の署名が小さな文字で二文字です。一文字目は「得」と読めそうで、二文字目が判然としません。
また、このふたつの絵に絡んで、5月20日付『東奥日報』は祝賀会場に設置された書画の展覧場に「大和田篤(原文ママ)治氏の揮毫に係る洋画壱千年前の青森及三百年前の青森地図」があることを報じています。高知県出身の大和田徳治は明治37年2月に青森県立第三中学校(現県立青森高校)に赴任した図画の教員で、同39年に学内に青森県では初めての洋画の研究会である洋画研究会を立ち上げた人物です(對馬恵美子「青森県における明治期の美術」)。
「青森市全図」の作製期間の短さを考えると、大和田が揮毫(文字や絵をかくこと)した「洋画」が、この地図の下部にあるふたつの絵にも使われているとみてもいいのではないかと考えます。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
○携帯サイト「青森市mini」
http://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/keitai-mini/top/mailmagazine.html
-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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祝賀会の報告書である「青森開港及開市二百八十年祝賀記」(弘前市立弘前図書館蔵)によると、会場の合浦公園にやってきた来賓・来場者は、受付で「青森市全図」や絹のハンカチ(来賓のみ)などを受け取ります。ハンカチは上部に「開港及開市二百八十年祝賀会」との文字が入り、中央部には「善知鳥神社及青森港の景図」がデザインされているといいます。一方、「青森市全図」は図の「下部右千年前ノ青森及安潟ノ図」「同左二百八十年前ノ青森ノ図」が配置され、裏面には「統計一班」が載っているといいます。
さて、この「青森市全図」は歴史資料室で所蔵しています(縦48.5センチ・横69.5センチ)。5月10日に印刷され、5月20日発行となっています。発行者は青森市役所です。市役所が祝賀会を開催することを決めたのは4月の上旬のことなので、せいぜい1か月で原稿を調えたということになります。
地図の縮尺は9,000分の1で、官公署・学校・社寺などが描かれています。そして報告書にあるように、裏面には「青森市統計一班」、そして表面の下方に「千年前ノ青森及安潟」「二百八十年前ノ青森」というふたつの絵が縦10センチ・横14センチのサイズで配置されています。ともに右端に作者の署名が小さな文字で二文字です。一文字目は「得」と読めそうで、二文字目が判然としません。
また、このふたつの絵に絡んで、5月20日付『東奥日報』は祝賀会場に設置された書画の展覧場に「大和田篤(原文ママ)治氏の揮毫に係る洋画壱千年前の青森及三百年前の青森地図」があることを報じています。高知県出身の大和田徳治は明治37年2月に青森県立第三中学校(現県立青森高校)に赴任した図画の教員で、同39年に学内に青森県では初めての洋画の研究会である洋画研究会を立ち上げた人物です(對馬恵美子「青森県における明治期の美術」)。
「青森市全図」の作製期間の短さを考えると、大和田が揮毫(文字や絵をかくこと)した「洋画」が、この地図の下部にあるふたつの絵にも使われているとみてもいいのではないかと考えます。
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