「あおもり歴史トリビア」第606号(令和6年6月21日配信)
2024/06/21 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第606号(令和6年6月21日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは! 歴史資料室の鈴木です。
大正 13 年(1924)7月に、東北帝国大学理学部附属浅虫臨海実験所として開所した東北大学大学院生命科学研究科附属浅虫海洋生物学教育研究センターは、創立100周年を迎えます。先日、その記念行事として一般の人も参加できる施設見学会があり、私も参加してきました。
6月15日(土)午前10時前に到着すると、もう大勢の人が集まっていました。参加者は30人ほどのグループに分かれ、私たちはまず屋外の施設を見学させていただきました。
本館裏手の小高い場所には、実習や研究を行う学生等のための宿泊棟がありました。その向かいには長期滞在の研究者用の戸建て宿泊棟が1棟あり、その先の茂みの奥に入っていくと、なんと創立当時に建てられた官舎4棟のうちの1棟が残されていました。現在は使用されてはおらず、改修、増築されているので当時のままの姿ではありませんが、建物の左半分の躯体(主要な構造)は100年前のものだそうです。大正12年8月29日付『東奥日報』には、既に完成した4棟の官舎と建築中の寄宿舎が写った写真が掲載されています。おそらく、このうちの1棟ではないかと思います。
木々の間を抜けて海の方へ降りていくと、調査に使用する船「うとうIII」を格納した艇庫があります。さらに、昭和59年(1984)4月までここに併設されていた水族館の設備で、岩に囲まれた屋外展示水槽が残っており、岩には「海」「水」という文字が刻まれているのがかろうじて読み取れました。
また、同センターではポンプで汲み上げた天然の海水をタンクに貯蔵し、研究に利用する海洋生物の水槽に配水しています。屋内の研究室の一部には、海水が出る蛇口がついているそうです。
そして、最後に見せていただいたのが、同センターの前身である浅虫臨海実験所の初代所長を務めた畑井新喜司の言葉「それは君 大変於もしろい 君ひとつ やってみたまへ」と彫られた記念碑です。これをずっと見たいと思っていたので、とても嬉しかったです。
そのほかにも、畑井新喜司の著著『みみず』の初版本や愛用の眼鏡、創立当時の実験棟の写真など、たくさんの興味深い資料を見せていただきました。
今回、実際にここで研究されている方からお話を伺い、またご一緒した参加者の方からも水族館があった時代の思い出などお聞きすることができて、とても貴重な機会となりました。同時に、こうした基礎研究の積み重ねの大切さや、創立当時からの「門戸開放」という先進的な運営が今も引き継がれ、多くの大学・研究者の学習や研究に資していることを感じました。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
青森市メールマガジンをご利用いただき、ありがとうございます。
登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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6月15日(土)午前10時前に到着すると、もう大勢の人が集まっていました。参加者は30人ほどのグループに分かれ、私たちはまず屋外の施設を見学させていただきました。
本館裏手の小高い場所には、実習や研究を行う学生等のための宿泊棟がありました。その向かいには長期滞在の研究者用の戸建て宿泊棟が1棟あり、その先の茂みの奥に入っていくと、なんと創立当時に建てられた官舎4棟のうちの1棟が残されていました。現在は使用されてはおらず、改修、増築されているので当時のままの姿ではありませんが、建物の左半分の躯体(主要な構造)は100年前のものだそうです。大正12年8月29日付『東奥日報』には、既に完成した4棟の官舎と建築中の寄宿舎が写った写真が掲載されています。おそらく、このうちの1棟ではないかと思います。
木々の間を抜けて海の方へ降りていくと、調査に使用する船「うとうIII」を格納した艇庫があります。さらに、昭和59年(1984)4月までここに併設されていた水族館の設備で、岩に囲まれた屋外展示水槽が残っており、岩には「海」「水」という文字が刻まれているのがかろうじて読み取れました。
また、同センターではポンプで汲み上げた天然の海水をタンクに貯蔵し、研究に利用する海洋生物の水槽に配水しています。屋内の研究室の一部には、海水が出る蛇口がついているそうです。
そして、最後に見せていただいたのが、同センターの前身である浅虫臨海実験所の初代所長を務めた畑井新喜司の言葉「それは君 大変於もしろい 君ひとつ やってみたまへ」と彫られた記念碑です。これをずっと見たいと思っていたので、とても嬉しかったです。
そのほかにも、畑井新喜司の著著『みみず』の初版本や愛用の眼鏡、創立当時の実験棟の写真など、たくさんの興味深い資料を見せていただきました。
今回、実際にここで研究されている方からお話を伺い、またご一緒した参加者の方からも水族館があった時代の思い出などお聞きすることができて、とても貴重な機会となりました。同時に、こうした基礎研究の積み重ねの大切さや、創立当時からの「門戸開放」という先進的な運営が今も引き継がれ、多くの大学・研究者の学習や研究に資していることを感じました。
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