「あおもり歴史トリビア」第611号(令和6年7月26日配信)
2024/07/26 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第611号(令和6年7月26日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。文化遺産課の児玉です。最近、『ツルネ-風舞高校弓道部-』というアニメを鑑賞しています。弓道に青春をかける高校生たちの物語で、このアニメを通じて弓道の試合のルールなどを知ることができました。
弓矢は旧石器時代から使用されているようですが、日本においては一般的に縄文時代から使用されていたと考えられています。
弓の本体は「弓幹(ゆがら)」、弾力性のある糸状の「弦(つる)」、弓の両端に弦をかける「弓弭(ゆはず)」などから構成され、矢については、先端部の「鏃(やじり)」、末端部の「矢羽根(やばね)」、鏃と矢羽根を除いた棒状の「矢柄」で構成されています。
弓は、是川中居遺跡(八戸市)のように低湿地の遺跡から出土することが多く、ほぼ完全な形の弓としては縄文時代が60点以上、弥生時代では30点以上が報告されています。弓の長さは、30cm内外の小型のものから、170cmを超える大型のものまであり、50cm以下の小型の弓は縄文時代にのみ見られるようです。樹種は、縄文時代及び弥生時代に共通してイヌガヤ属が目立ちます。
矢に関しては、その先端に取り付ける「石鏃(せきぞく)」が縄文時代の遺跡から数多く出土しており、中には固着剤として使用されたアスファルトが付着するものもあります。また、二ツ森貝塚(七戸町)では、シカの上腕骨に石鏃の先端部が折れ残った状態の資料も報告されています。
縄文時代後期前半では、青森市内の小牧野遺跡、稲山(1)遺跡、山野峠遺跡から出土した土器に、弓矢の文様が描かれています。これらの資料は、縄文の学び舎・小牧野館に展示しています。7月28日(日)には、「世界遺産登録3周年記念!こまきの縄文まつり」が開催されますので、この機会に足を運んでいただければ幸いです。
【参考文献】
片岡生悟2020「縄文・弥生時代の弓矢について-完形出土品を中心とした分析と考察-」『東京大学考古学研究室研究紀要』第33号
(文化遺産課 児玉)
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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弓矢は旧石器時代から使用されているようですが、日本においては一般的に縄文時代から使用されていたと考えられています。
弓の本体は「弓幹(ゆがら)」、弾力性のある糸状の「弦(つる)」、弓の両端に弦をかける「弓弭(ゆはず)」などから構成され、矢については、先端部の「鏃(やじり)」、末端部の「矢羽根(やばね)」、鏃と矢羽根を除いた棒状の「矢柄」で構成されています。
弓は、是川中居遺跡(八戸市)のように低湿地の遺跡から出土することが多く、ほぼ完全な形の弓としては縄文時代が60点以上、弥生時代では30点以上が報告されています。弓の長さは、30cm内外の小型のものから、170cmを超える大型のものまであり、50cm以下の小型の弓は縄文時代にのみ見られるようです。樹種は、縄文時代及び弥生時代に共通してイヌガヤ属が目立ちます。
矢に関しては、その先端に取り付ける「石鏃(せきぞく)」が縄文時代の遺跡から数多く出土しており、中には固着剤として使用されたアスファルトが付着するものもあります。また、二ツ森貝塚(七戸町)では、シカの上腕骨に石鏃の先端部が折れ残った状態の資料も報告されています。
縄文時代後期前半では、青森市内の小牧野遺跡、稲山(1)遺跡、山野峠遺跡から出土した土器に、弓矢の文様が描かれています。これらの資料は、縄文の学び舎・小牧野館に展示しています。7月28日(日)には、「世界遺産登録3周年記念!こまきの縄文まつり」が開催されますので、この機会に足を運んでいただければ幸いです。
【参考文献】
片岡生悟2020「縄文・弥生時代の弓矢について-完形出土品を中心とした分析と考察-」『東京大学考古学研究室研究紀要』第33号
(文化遺産課 児玉)
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