「あおもり歴史トリビア」第636号(令和7年1月24日配信)
2025/01/24 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第636号(令和7年1月24日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは!歴史資料室の鈴木です。
歴史資料室では、1月9日(木)から、新しい館内展示「青森市内石碑めぐり3」を始めました。今回も、芭蕉の句碑や市町村合併を記念する石碑など、さまざまな石碑に関する逸話をご紹介しています。加えて、それに関連した図書も8階で展示しています。今日はその中から3冊をご紹介したいと思います。
まず、芭蕉の句碑に関連して、嵐山光三郎著『芭蕉という修羅』(新潮社 2019年)です。
皆さんは松尾芭蕉というと、どんな人物を思い描きますか。「俳聖」と称された芭蕉は、寛永22年(1644)に伊賀国に生れました。京都で俳諧を学び、40代から曾良とともに旅をして「おくの細道」をはじめとする紀行作品を著し、51歳で亡くなりました。「寂 (さび) ・撓 (しお) り・細み・軽み」を重んじる作風「蕉風」を確立した芭蕉に、私はこれまで世俗を離れた風雅な人物を想像していました。しかし、彼にはもうひとつの顔があったのです。水道工事監督やイベントプロデューサー、はたまた幕府の隠密など。修羅を生きた芭蕉の人生とは、どのようなものだったのでしょうか?
つぎに市町村合併を記念する石碑に関連して、松井秀郎編『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』(山川出版社 2020年)をご紹介します。
1964年とは今から約60年前、東京オリンピックが開催された昭和39年です。高度経済成長期といわれたこの頃は、日本が大きく変化した時代でした。同書に掲載された2つの時点の地図を見比べると、60年間の変化が見えてきます。
例えば、1964年時点では秋田県の八郎潟がまだそのまま残っていますが、2020年の地図ではそこに広大な干拓地が描かれています。かつて八郎潟は琵琶湖に次ぐ大きな湖でしたが、戦後の食糧増産のため、昭和32年の着工から20年をかけて湖面積の80%を埋め立てる干拓事業が行われたのでした。そして、もちろん東北自動車道も東北新幹線もまだ存在していません。
また、各県ごとに市町村の変遷が示されており、青森県では市町村数が8市32町27村から10市22町8村になったことがわかります。
最後は石に関連した本、ペズル著『物語のある鉱物図鑑』(三才ブックス 2024年)です。この本では、誕生石や宝石、鉱物にまつわるさまざまな逸話を紹介しています。
熱するとブクブクと水蒸気を出す綿毛のような中沸石は国際宇宙ステーションで使われている。クレオパトラのアイシャドウはマラカイトの粉末だった。約1500万年前の小惑星の衝突がモルダバイトという美しい宝石を誕生させた…などなど。また、ドイツの文豪ゲーテは岩石や鉱物が大好きでコレクターだった!など石にまつわる人物コラムも。掲載されている鉱物の写真も美しく、目でも楽しめます!
これらの展示図書は貸し出しもしておりますので、ご来館の際はぜひ手に取ってみてくださいね。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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歴史資料室では、1月9日(木)から、新しい館内展示「青森市内石碑めぐり3」を始めました。今回も、芭蕉の句碑や市町村合併を記念する石碑など、さまざまな石碑に関する逸話をご紹介しています。加えて、それに関連した図書も8階で展示しています。今日はその中から3冊をご紹介したいと思います。
まず、芭蕉の句碑に関連して、嵐山光三郎著『芭蕉という修羅』(新潮社 2019年)です。
皆さんは松尾芭蕉というと、どんな人物を思い描きますか。「俳聖」と称された芭蕉は、寛永22年(1644)に伊賀国に生れました。京都で俳諧を学び、40代から曾良とともに旅をして「おくの細道」をはじめとする紀行作品を著し、51歳で亡くなりました。「寂 (さび) ・撓 (しお) り・細み・軽み」を重んじる作風「蕉風」を確立した芭蕉に、私はこれまで世俗を離れた風雅な人物を想像していました。しかし、彼にはもうひとつの顔があったのです。水道工事監督やイベントプロデューサー、はたまた幕府の隠密など。修羅を生きた芭蕉の人生とは、どのようなものだったのでしょうか?
つぎに市町村合併を記念する石碑に関連して、松井秀郎編『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』(山川出版社 2020年)をご紹介します。
1964年とは今から約60年前、東京オリンピックが開催された昭和39年です。高度経済成長期といわれたこの頃は、日本が大きく変化した時代でした。同書に掲載された2つの時点の地図を見比べると、60年間の変化が見えてきます。
例えば、1964年時点では秋田県の八郎潟がまだそのまま残っていますが、2020年の地図ではそこに広大な干拓地が描かれています。かつて八郎潟は琵琶湖に次ぐ大きな湖でしたが、戦後の食糧増産のため、昭和32年の着工から20年をかけて湖面積の80%を埋め立てる干拓事業が行われたのでした。そして、もちろん東北自動車道も東北新幹線もまだ存在していません。
また、各県ごとに市町村の変遷が示されており、青森県では市町村数が8市32町27村から10市22町8村になったことがわかります。
最後は石に関連した本、ペズル著『物語のある鉱物図鑑』(三才ブックス 2024年)です。この本では、誕生石や宝石、鉱物にまつわるさまざまな逸話を紹介しています。
熱するとブクブクと水蒸気を出す綿毛のような中沸石は国際宇宙ステーションで使われている。クレオパトラのアイシャドウはマラカイトの粉末だった。約1500万年前の小惑星の衝突がモルダバイトという美しい宝石を誕生させた…などなど。また、ドイツの文豪ゲーテは岩石や鉱物が大好きでコレクターだった!など石にまつわる人物コラムも。掲載されている鉱物の写真も美しく、目でも楽しめます!
これらの展示図書は貸し出しもしておりますので、ご来館の際はぜひ手に取ってみてくださいね。
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