「あおもり歴史トリビア」第649号(令和7年4月25日配信)
2025/04/25 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第649号(令和7年4月25日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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初めまして!歴史資料室の竹内と申します。よろしくお願いします。
今年は青森りんご植栽150周年記念の年です。150年前、青森市長島にある県庁中庭に3本のりんごの木が植栽されたのが青森りんごの歴史の始まりです。今回は、その植栽に携わった菊池楯衛をご紹介いたします。
藩政の時代が終わり、明治政府は洋種果樹の振興をはかるため、外国から複数の果樹を輸入し育種場での繁殖の後、全国に配布しました。青森県には明治8年(1875)にりんご3本を含む、桃やさくらんぼなど11種類33本の苗が配布され、菊池が植栽、管理を担当しました。
弘前藩士の子として生まれた菊池は植物が好きな子どもでした。「幼少より農事が好きだったが、旧藩では武士が農を営むことを禁止していたため、ひそかに園芸や樹芸を公務の余暇に栽培していた。」と本人が書いた経歴として東奥日報社から発行されている『青森20世紀の群像』に載っています。菊池は明治10年のりんごの初成り(初めて果実が実る)により高まってきた需要にこたえるべく函館に渡り、北海道七重勧業試験場で研修を受け接木などの栽培技術を学びました。
同年弘前に帰ると仲間を集めて「化育社」というりんご栽培の研究会を作り、栽培技術の指導者の育成を行いました。化育社は明治17年に「中津軽群私立農談会」と改称、同年からりんごの品評会を開催します。その後明治19年に私立産業会、明治22年には津軽産業会と改称し、明治21年に建設した集会場「弘前倶楽部」を本拠に品評会や講演会、研究会を開催し、大正5年の解散まで農業・地域振興産業に力を注ぎました。
いまや全国1位の栽培面積と収穫量を誇る青森りんご。そのりんご栽培の始まりを指導し、今日の青森りんご作りの基礎を作った菊池は「青森りんごの開祖」と言われています。
青森県庁構内のりんご園には青森県りんご百年記念碑の隣に沿革碑があります。そこには「明治八年四月、内務省勧業寮からりんご苗木三本が他の洋種果樹苗木とともに青森県に配布された 殖産興業政策による第一回の試植依頼である 当時 県庁租税課山林係の菊池楯衛が県参事塩谷良翰の命より県庁構内に植栽したが これが青森県りんごの最初の植栽である」と刻まれています。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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藩政の時代が終わり、明治政府は洋種果樹の振興をはかるため、外国から複数の果樹を輸入し育種場での繁殖の後、全国に配布しました。青森県には明治8年(1875)にりんご3本を含む、桃やさくらんぼなど11種類33本の苗が配布され、菊池が植栽、管理を担当しました。
弘前藩士の子として生まれた菊池は植物が好きな子どもでした。「幼少より農事が好きだったが、旧藩では武士が農を営むことを禁止していたため、ひそかに園芸や樹芸を公務の余暇に栽培していた。」と本人が書いた経歴として東奥日報社から発行されている『青森20世紀の群像』に載っています。菊池は明治10年のりんごの初成り(初めて果実が実る)により高まってきた需要にこたえるべく函館に渡り、北海道七重勧業試験場で研修を受け接木などの栽培技術を学びました。
同年弘前に帰ると仲間を集めて「化育社」というりんご栽培の研究会を作り、栽培技術の指導者の育成を行いました。化育社は明治17年に「中津軽群私立農談会」と改称、同年からりんごの品評会を開催します。その後明治19年に私立産業会、明治22年には津軽産業会と改称し、明治21年に建設した集会場「弘前倶楽部」を本拠に品評会や講演会、研究会を開催し、大正5年の解散まで農業・地域振興産業に力を注ぎました。
いまや全国1位の栽培面積と収穫量を誇る青森りんご。そのりんご栽培の始まりを指導し、今日の青森りんご作りの基礎を作った菊池は「青森りんごの開祖」と言われています。
青森県庁構内のりんご園には青森県りんご百年記念碑の隣に沿革碑があります。そこには「明治八年四月、内務省勧業寮からりんご苗木三本が他の洋種果樹苗木とともに青森県に配布された 殖産興業政策による第一回の試植依頼である 当時 県庁租税課山林係の菊池楯衛が県参事塩谷良翰の命より県庁構内に植栽したが これが青森県りんごの最初の植栽である」と刻まれています。
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