「あおもり歴史トリビア」第668号(令和7年9月5日配信)
2025/09/05 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第668号(令和7年9月5日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の竹内です。本日9月5日は青森市出身の芸術家棟方志功(1903 ―1975)の誕生日です。今回は「世界のムナカタ」として知られる志功と芸術家としての人生に影響を与えたふたつの花との出会いをご紹介します。
大正4年(1915)、志功が通う長島尋常小学校の近くに飛行機が不時着する騒ぎがあり、飛行機を見ようと先生も児童も一斉に校舎を飛び出しました。一緒に駆け出した志功は田んぼの小川で転んでしまい、その時目の前にあるオモダカの花を見つけます。その花の美しさに飛行機のことも忘れ見入ってしまい、この美しさを画家となり表現することを決意します。「オモダカ」は志功を美の世界にいざない、絵描きになるという大きな夢をもたらしました。
もうひとつの花「ひまわり」との出会いは絵画での出会いでした。大正10年志功は弘前市出身の洋画家・小野忠明に雑誌『白樺』に掲載されたゴッホの「ひまわり」の原色版を見せてもらいます。作品が持つ力強さと存在感に志功は圧倒され驚き、打ちのめされ、喜び、騒ぎ叫びました。この「ひまわり」との衝撃的な出会いが油絵画家を目指すきっかけとなり、ゴッホは生涯のあこがれとなりました。
油絵画家を志した志功はやがて木版画に魅せられ、自身の作品を「板木を使った画(え)」という考えから、「板画(はんが)」と名付け生涯で数多くの作品を制作、国内外から高く評価され、昭和31年(1956)にはベネチア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞、昭和44年には青森市名誉市民第1号、翌45 年には青森県出身者としては初めて文化勲章を受賞しました。72歳の誕生日を迎えた直後の昭和50年9月13日、肝臓がんのため亡くなると、その功績をたたえ、同年11月16日青森市民会館で青森市民葬が行われました。
また、市民葬の翌日11月17日には棟方志功記念館が開館しています(令和6年〈2024〉3月31日閉館)。
志功の愛した花にちなみ命日は「沢瀉忌(おもだかき)」と呼ばれ、青森市三内霊園内にあるお墓への案内看板には「ひまわり」のイラストがあります。
今年は棟方志功没後50年の節目にあたり、現在青森県立美術館では11月3日まで棟方志功没後50年記念展「青森の子 世界のムナカタ」、青森県近代文学館では10月19日まで特別展「棟方志功と青森の文人たち」が開催されています。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※今回は『人間の記憶13 棟方志功 わだばゴッホになる』(日本図書センター 1997年)、『もっと知りたい棟方志功 生涯と作品』(東京美術 2016年)を参考にさせていただきました。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
青森市メールマガジンをご利用いただき、ありがとうございます。
登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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大正4年(1915)、志功が通う長島尋常小学校の近くに飛行機が不時着する騒ぎがあり、飛行機を見ようと先生も児童も一斉に校舎を飛び出しました。一緒に駆け出した志功は田んぼの小川で転んでしまい、その時目の前にあるオモダカの花を見つけます。その花の美しさに飛行機のことも忘れ見入ってしまい、この美しさを画家となり表現することを決意します。「オモダカ」は志功を美の世界にいざない、絵描きになるという大きな夢をもたらしました。
もうひとつの花「ひまわり」との出会いは絵画での出会いでした。大正10年志功は弘前市出身の洋画家・小野忠明に雑誌『白樺』に掲載されたゴッホの「ひまわり」の原色版を見せてもらいます。作品が持つ力強さと存在感に志功は圧倒され驚き、打ちのめされ、喜び、騒ぎ叫びました。この「ひまわり」との衝撃的な出会いが油絵画家を目指すきっかけとなり、ゴッホは生涯のあこがれとなりました。
油絵画家を志した志功はやがて木版画に魅せられ、自身の作品を「板木を使った画(え)」という考えから、「板画(はんが)」と名付け生涯で数多くの作品を制作、国内外から高く評価され、昭和31年(1956)にはベネチア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞、昭和44年には青森市名誉市民第1号、翌45 年には青森県出身者としては初めて文化勲章を受賞しました。72歳の誕生日を迎えた直後の昭和50年9月13日、肝臓がんのため亡くなると、その功績をたたえ、同年11月16日青森市民会館で青森市民葬が行われました。
また、市民葬の翌日11月17日には棟方志功記念館が開館しています(令和6年〈2024〉3月31日閉館)。
志功の愛した花にちなみ命日は「沢瀉忌(おもだかき)」と呼ばれ、青森市三内霊園内にあるお墓への案内看板には「ひまわり」のイラストがあります。
今年は棟方志功没後50年の節目にあたり、現在青森県立美術館では11月3日まで棟方志功没後50年記念展「青森の子 世界のムナカタ」、青森県近代文学館では10月19日まで特別展「棟方志功と青森の文人たち」が開催されています。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※今回は『人間の記憶13 棟方志功 わだばゴッホになる』(日本図書センター 1997年)、『もっと知りたい棟方志功 生涯と作品』(東京美術 2016年)を参考にさせていただきました。
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