「あおもり歴史トリビア」第670号(令和7年9月19日配信)
2025/09/19 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第670号(令和7年9月19日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。
今年は「青森開港400年」を記念してさまざまな催しが行われていますね。「青森開港400年」という言葉は寛永2年(1625)5月15日に弘前藩第2代藩主津軽信枚(つがる・のぶひら)が津軽から江戸への廻船就航を許可されたことを「開港の契機」と捉え、それから400年の節目を迎えたという意味で使われています。大正14年(1925)には300年の節目を記念して「青森開港三百年紀念 国産奨励勧業博覧会」が開催されました。
「開港」を祝う催しはほかの港町でも行われています。例えば、函館市では毎年8月に函館港まつりが開催されていますが、今年は「開港166周年記念」の港まつりでした。函館市公式ホームページによると、昭和10年(1935)に7月1日を「開港記念日」と定め、開港記念祭として港まつりを行うようになったそうです。ただし、まつり期間は天候不順に悩まされることが多く、開催時期を8月へ移したといいます。なお、7月1日という日付は「日米修好通商条約調印後函館港が貿易を伴って開港した」安政6年(1859)6月2日を新暦に直したものです。
函館と同じく安政 5 年に結ばれた修好通商条約によって開港港となった横浜・神戸・長崎・新潟について調べてみたところ、長崎以外はいずれも貿易港として開港した日を「開港記念日」と定め、「開港記念日」当日やその前後に記念式典や港まつりなどの催しを実施していました(長崎は元亀2年〈1571〉のポルトガル船来航などのできごとにより「開港記念日」を制定)。
では、青森港に「開港記念日」はあるのでしょうか。函館などと同じように貿易を伴って開港したという意味では特別輸出港に指定された明治39年4月1日が「開港」の日ですが、青森市においては新しい港町を作るという文脈で「開港」という言葉を用いることも多く、寛永2年5月15日が歴史的記念日として重視されてきました。
『青森市議会史』によると、昭和43年5月15日に行われた青森市の市制70周年記念式典において、奈良岡末造市長は「五月十五日は青森港開港記念日」と述べ、式典の開催日について「あえてこの日を選んだ」と説明しています。市制80周年・90周年の記念式典も5月15日に開催されており、この日は青森市にとって祝賀行事を行うのにふさわしい日と考えられていたようです。
※今回の内容は『青森市議会史』自昭和四十年至昭和四十三年(青森市議会 1983年)、『青森市議会史』自昭和五十二年至昭和五十四年(青森市議会 1988年)、『広報あおもり』No.554(青森市 1988年)などを参考にしました。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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今年は「青森開港400年」を記念してさまざまな催しが行われていますね。「青森開港400年」という言葉は寛永2年(1625)5月15日に弘前藩第2代藩主津軽信枚(つがる・のぶひら)が津軽から江戸への廻船就航を許可されたことを「開港の契機」と捉え、それから400年の節目を迎えたという意味で使われています。大正14年(1925)には300年の節目を記念して「青森開港三百年紀念 国産奨励勧業博覧会」が開催されました。
「開港」を祝う催しはほかの港町でも行われています。例えば、函館市では毎年8月に函館港まつりが開催されていますが、今年は「開港166周年記念」の港まつりでした。函館市公式ホームページによると、昭和10年(1935)に7月1日を「開港記念日」と定め、開港記念祭として港まつりを行うようになったそうです。ただし、まつり期間は天候不順に悩まされることが多く、開催時期を8月へ移したといいます。なお、7月1日という日付は「日米修好通商条約調印後函館港が貿易を伴って開港した」安政6年(1859)6月2日を新暦に直したものです。
函館と同じく安政 5 年に結ばれた修好通商条約によって開港港となった横浜・神戸・長崎・新潟について調べてみたところ、長崎以外はいずれも貿易港として開港した日を「開港記念日」と定め、「開港記念日」当日やその前後に記念式典や港まつりなどの催しを実施していました(長崎は元亀2年〈1571〉のポルトガル船来航などのできごとにより「開港記念日」を制定)。
では、青森港に「開港記念日」はあるのでしょうか。函館などと同じように貿易を伴って開港したという意味では特別輸出港に指定された明治39年4月1日が「開港」の日ですが、青森市においては新しい港町を作るという文脈で「開港」という言葉を用いることも多く、寛永2年5月15日が歴史的記念日として重視されてきました。
『青森市議会史』によると、昭和43年5月15日に行われた青森市の市制70周年記念式典において、奈良岡末造市長は「五月十五日は青森港開港記念日」と述べ、式典の開催日について「あえてこの日を選んだ」と説明しています。市制80周年・90周年の記念式典も5月15日に開催されており、この日は青森市にとって祝賀行事を行うのにふさわしい日と考えられていたようです。
※今回の内容は『青森市議会史』自昭和四十年至昭和四十三年(青森市議会 1983年)、『青森市議会史』自昭和五十二年至昭和五十四年(青森市議会 1988年)、『広報あおもり』No.554(青森市 1988年)などを参考にしました。
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