「あおもり歴史トリビア」第673号(令和7年10月10日配信)
2025/10/10 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第673号(令和7年10月10日配信)
■□■□■□■□■□■
〈青森市メールマガジン〉
■□■□■□■□■□■
こんにちは。歴史資料室の村上です。
10月9日(木曜日)から歴史資料室の新しい展示「あおもりの姿―あおもり誕生400年・昭和の大合併70年」が始まりました。この展示は令和7年(2025)が「青森開港400年」とされていること、昭和30年(1955)に青森市が周辺の1町8村と合併してから70年となることを受けて企画しました。市民図書館へお越しの際はぜひご覧ください。
さて、今回の展示では8階のガラスケースにおいて「青森開港五十周年記念 青森ネブタの話」という資料をご紹介しています。これは昭和30年の港祭り(ねぶた祭り)のリーフレットです。今年は「青森開港400年」ですが、昭和30年が「青森開港五十周年」とはどういうことでしょうか。
9月19日に配信した「あおもり歴史トリビア」第670号では、青森港が貿易を伴って「開港」したのは特別輸出港に指定された明治39年(1906)であったとお話ししました。ここでの開港50周年は、特別輸出港に指定された明治39年から50年の節目という意味です。記念の催しとして、8月6日には中央公民館大ホールにおいて青森港開港50周年記念式典が開催され、港湾功労者及び功労物故者の遺族に対し、感謝状・表彰状が贈呈されています。
また、開港50周年・復興10周年・町村合併を記念して刊行された『青森市写真名鑑』(青森県観光株式会社 1955年)には青森市長の横山實による「開港五十周年を迎えて」という文章が掲載されています。横山は青森港について「御承知の通り我が青森港の創始は寛永の昔にさかのぼるのでありますが、全国的にその真価が認められるに至つたのは明治三十九年四月一日のこと」と説明しています。明治39年の「開港」を青森市にとって重要なできごとと捉えていることがわかります。
ちなみに、明治39年の「開港」からの節目を祝う事業が企画されたのはこの時が初めてではありませんでした。青森市では昭和11年から12年にかけて開港30周年を祝おうという取り組みが見られたのです。
昭和11年4月1日、青森市の東奥之魁紹介社は雑誌『東奥之魁』の青森開港三十年記念青森大観号」を発行しました。しかし、青森市会の解散や市会総選挙の影響で「最初の計画に多大の変改を加える」ことになり、「甚だ物足りない感じ」になってしまったといいます。
さらに、昭和12年には青森市が市制施行40年と開港30周年を祝う記念祭の開催を計画しました。開催日は9月6・7・8日を予定していましたが、この年の7月に盧溝橋事件が勃発し、戦争拡大の兆しがあることから事業の延期を決定しました。
残念ながら事業は予定通りには進みませんでしたが、多くの市民が貿易港としての「開港」の意義を知るきっかけになったのではないでしょうか。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
青森市メールマガジンをご利用いただき、ありがとうございます。
登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
■□■□■□■□■□■
〈青森市メールマガジン〉
■□■□■□■□■□■
こんにちは。歴史資料室の村上です。
10月9日(木曜日)から歴史資料室の新しい展示「あおもりの姿―あおもり誕生400年・昭和の大合併70年」が始まりました。この展示は令和7年(2025)が「青森開港400年」とされていること、昭和30年(1955)に青森市が周辺の1町8村と合併してから70年となることを受けて企画しました。市民図書館へお越しの際はぜひご覧ください。
さて、今回の展示では8階のガラスケースにおいて「青森開港五十周年記念 青森ネブタの話」という資料をご紹介しています。これは昭和30年の港祭り(ねぶた祭り)のリーフレットです。今年は「青森開港400年」ですが、昭和30年が「青森開港五十周年」とはどういうことでしょうか。
9月19日に配信した「あおもり歴史トリビア」第670号では、青森港が貿易を伴って「開港」したのは特別輸出港に指定された明治39年(1906)であったとお話ししました。ここでの開港50周年は、特別輸出港に指定された明治39年から50年の節目という意味です。記念の催しとして、8月6日には中央公民館大ホールにおいて青森港開港50周年記念式典が開催され、港湾功労者及び功労物故者の遺族に対し、感謝状・表彰状が贈呈されています。
また、開港50周年・復興10周年・町村合併を記念して刊行された『青森市写真名鑑』(青森県観光株式会社 1955年)には青森市長の横山實による「開港五十周年を迎えて」という文章が掲載されています。横山は青森港について「御承知の通り我が青森港の創始は寛永の昔にさかのぼるのでありますが、全国的にその真価が認められるに至つたのは明治三十九年四月一日のこと」と説明しています。明治39年の「開港」を青森市にとって重要なできごとと捉えていることがわかります。
ちなみに、明治39年の「開港」からの節目を祝う事業が企画されたのはこの時が初めてではありませんでした。青森市では昭和11年から12年にかけて開港30周年を祝おうという取り組みが見られたのです。
昭和11年4月1日、青森市の東奥之魁紹介社は雑誌『東奥之魁』の青森開港三十年記念青森大観号」を発行しました。しかし、青森市会の解散や市会総選挙の影響で「最初の計画に多大の変改を加える」ことになり、「甚だ物足りない感じ」になってしまったといいます。
さらに、昭和12年には青森市が市制施行40年と開港30周年を祝う記念祭の開催を計画しました。開催日は9月6・7・8日を予定していましたが、この年の7月に盧溝橋事件が勃発し、戦争拡大の兆しがあることから事業の延期を決定しました。
残念ながら事業は予定通りには進みませんでしたが、多くの市民が貿易港としての「開港」の意義を知るきっかけになったのではないでしょうか。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
青森市メールマガジンをご利用いただき、ありがとうございます。
登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html