「あおもり歴史トリビア」第694号(令和8年3月13日配信)
2026/03/13 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第694号(令和8年3月13日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の竹内です。3月は旅立ちの季節ですね。今回は油絵画家を目指していた若き日の棟方志功の上京物語をご紹介します。
子どもの頃から絵を描くことが好きだった志功は、大正10年(1921)18歳の時に見たゴッホの油絵「ひまわり」に感銘を受け、ゴッホになるという大志を抱き、同13年、油絵画家をめざし上京しました。当時日本最大級の美術登竜門であった「帝展」(帝国美術院展覧会 現在の日本美術展覧会の前身)に入選を果たすまでは何があっても帰らないという強い気持ちでした。
東京へは、芸術仲間であり一番の友だちである松木満史(まつきまんし1906~1971)も一緒に行くことになりました。志功は松木とともに上京の準備をする一方で「東京弁コを稽古しなくてはマイネ」(『板極道』中央公論社 1978年)と標準語の練習をしたり、別の日には野内にある貴船神社を訪れ帝展への入選を祈願しました。同年9月、志功は青森駅に集まった家族や友人に見送られ東京へと出発しました。一緒に東京弁を練習した松木は家庭の事情で行けなくなり、たったひとりの旅立ちでした。母校である長島小学校、浦町駅、堤川、野内、浅虫温泉と、車窓から見える慣れ親しんだ風景を見ているうちに涙が頬をつたい、どうすることもできなかったと志功は語っています。
東京での志功は毎年帝展に出品し続けましたが落選が続き、初入選は上京から5年後の昭和3年でした。『棟方志功記念館40年のあゆみ』(棟方志功記念館 2016年)の棟方志功年譜を見ると「昭和3年 第9回帝展(東京府美術館10/16~11/20)に油絵「雑園」を出品し初入選する。青森へ帰郷し、両親の墓に入選の報告をする。」とあります。同年10月16日付の『東奥日報』には「とうと帝展入選の志功君のこと」という見出しで「彼は彼のいふ燃焼し來る『内なる力』のみに頼った、そしてたうとう帝展に入選したのである。」と、その努力と入選を讃える記事が掲載されました。
※今回は『板極道』(中央公論社 1978年)『棟方志功記念館40年のあゆみ』(棟方志功記念館 2016年)『新青森市史 通史編第3巻 近代』(青森市 2014年)『青森県史 文化財編 美術工芸』(青森県 2010年)を参考にさせていただきました。
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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東京へは、芸術仲間であり一番の友だちである松木満史(まつきまんし1906~1971)も一緒に行くことになりました。志功は松木とともに上京の準備をする一方で「東京弁コを稽古しなくてはマイネ」(『板極道』中央公論社 1978年)と標準語の練習をしたり、別の日には野内にある貴船神社を訪れ帝展への入選を祈願しました。同年9月、志功は青森駅に集まった家族や友人に見送られ東京へと出発しました。一緒に東京弁を練習した松木は家庭の事情で行けなくなり、たったひとりの旅立ちでした。母校である長島小学校、浦町駅、堤川、野内、浅虫温泉と、車窓から見える慣れ親しんだ風景を見ているうちに涙が頬をつたい、どうすることもできなかったと志功は語っています。
東京での志功は毎年帝展に出品し続けましたが落選が続き、初入選は上京から5年後の昭和3年でした。『棟方志功記念館40年のあゆみ』(棟方志功記念館 2016年)の棟方志功年譜を見ると「昭和3年 第9回帝展(東京府美術館10/16~11/20)に油絵「雑園」を出品し初入選する。青森へ帰郷し、両親の墓に入選の報告をする。」とあります。同年10月16日付の『東奥日報』には「とうと帝展入選の志功君のこと」という見出しで「彼は彼のいふ燃焼し來る『内なる力』のみに頼った、そしてたうとう帝展に入選したのである。」と、その努力と入選を讃える記事が掲載されました。
※今回は『板極道』(中央公論社 1978年)『棟方志功記念館40年のあゆみ』(棟方志功記念館 2016年)『新青森市史 通史編第3巻 近代』(青森市 2014年)『青森県史 文化財編 美術工芸』(青森県 2010年)を参考にさせていただきました。
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