「あおもり歴史トリビア」第696号(令和8年4月3日配信)
2026/04/03 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第696号(令和8年4月3日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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みなさん、こんにちは。室長の工藤です。
今年、令和8年(2026)2月8日投開票(1月27日公示)の衆議院議員選挙は「冬の選挙」でした。『東奥日報』を繰ってみると、1月21日付の紙面では厳冬期の交通事情から開票所への移動の可能性が遅れるなどの理由で、投票終了時刻を1~2時間繰り上げる市町村があると報じています。さらに、23日付の紙面では、大雪による除雪作業の負担などからポスターの掲示板が減るとも報じています。しかも今年の冬は雪がとても多かったという事情も加わりますが、ともかく雪国の冬の選挙は候補者も含めたすべての有権者にとって、夏場とは大きく事情が異なってくるのです。
そこで、ほかにも冬の選挙がなかったかと調べてみたら、昭和3年(1928)2月20日が投票日となった、第16回衆議院議員選挙に行き当たりました。この選挙は、大正14年(1925)に制定された普通選挙法にもとづく最初の衆議院議員選挙です。この年は、暦にいう寒(かん)の期間が「晴天と暖気に恵まれた寒三十日は近年に珍しい」(昭和3年2月5日付『東奥日報』朝刊、以下日付と朝夕の区分のみで表示)というほど穏やかな冬だったのですが、1月29日頃から様相が一変し、青森第2区から立候補することになる工藤十三雄は「何しろこの雪なので地方廻りに骨が折れやう」(2月2日付朝)と語っています。
激変した天候により、船の遭難や列車の運休が相次ぎます。選挙絡みでいいますと、長野県では選挙郵便の配達員が、吹雪の山間部での配達途中心臓麻痺を起して倒れ凍死したと報じられました(2月14日付朝)。そして、この記事を目にした五所川原の郵便局員が、東奥日報社に弔慰金を寄せたといいます(2月18日付17日夕)。
また、上北郡の法奥沢村(現十和田市)では、2月17日に休屋へ投票箱を運ぶ職員が吹雪のため前に進むことができず岩穴で野宿をし、投票日の翌日の帰路もやはり吹雪に見舞われ一時行方不明になっています(2月23日付22日夕)。さらに八戸では2月15日~17日と3日続けて吹雪となり、選挙の棄権率が40%を超えるのではと心配されています(2月19日付朝)。投票日当日が晴れても、すでに投票所までの道が雪で閉ざされている集落もあり、そういったところでは集落全部が棄権するだろうとみられています(同上)。
こうした状況ですから、投票日に候補者が自分の地盤である集落の人々の棄権防止の目的で「自己の費用にて除雪又は雪路をなす事は違反なりや」という問いが発せられます。内務省の回答は「投票を勧誘するが如き言動なく」単に棄権防止のものであれば差支えないというものでした(2月8日付7日夕)。
そして投票日当日、朝からの雪模様でしたが、投票所である橋本尋常小学校の正門前には開扉時間の前から50人を超える有権者が並び、正午までに4,000票を超える投票があったと報じられています(2月21日付20日夕)。
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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今年、令和8年(2026)2月8日投開票(1月27日公示)の衆議院議員選挙は「冬の選挙」でした。『東奥日報』を繰ってみると、1月21日付の紙面では厳冬期の交通事情から開票所への移動の可能性が遅れるなどの理由で、投票終了時刻を1~2時間繰り上げる市町村があると報じています。さらに、23日付の紙面では、大雪による除雪作業の負担などからポスターの掲示板が減るとも報じています。しかも今年の冬は雪がとても多かったという事情も加わりますが、ともかく雪国の冬の選挙は候補者も含めたすべての有権者にとって、夏場とは大きく事情が異なってくるのです。
そこで、ほかにも冬の選挙がなかったかと調べてみたら、昭和3年(1928)2月20日が投票日となった、第16回衆議院議員選挙に行き当たりました。この選挙は、大正14年(1925)に制定された普通選挙法にもとづく最初の衆議院議員選挙です。この年は、暦にいう寒(かん)の期間が「晴天と暖気に恵まれた寒三十日は近年に珍しい」(昭和3年2月5日付『東奥日報』朝刊、以下日付と朝夕の区分のみで表示)というほど穏やかな冬だったのですが、1月29日頃から様相が一変し、青森第2区から立候補することになる工藤十三雄は「何しろこの雪なので地方廻りに骨が折れやう」(2月2日付朝)と語っています。
激変した天候により、船の遭難や列車の運休が相次ぎます。選挙絡みでいいますと、長野県では選挙郵便の配達員が、吹雪の山間部での配達途中心臓麻痺を起して倒れ凍死したと報じられました(2月14日付朝)。そして、この記事を目にした五所川原の郵便局員が、東奥日報社に弔慰金を寄せたといいます(2月18日付17日夕)。
また、上北郡の法奥沢村(現十和田市)では、2月17日に休屋へ投票箱を運ぶ職員が吹雪のため前に進むことができず岩穴で野宿をし、投票日の翌日の帰路もやはり吹雪に見舞われ一時行方不明になっています(2月23日付22日夕)。さらに八戸では2月15日~17日と3日続けて吹雪となり、選挙の棄権率が40%を超えるのではと心配されています(2月19日付朝)。投票日当日が晴れても、すでに投票所までの道が雪で閉ざされている集落もあり、そういったところでは集落全部が棄権するだろうとみられています(同上)。
こうした状況ですから、投票日に候補者が自分の地盤である集落の人々の棄権防止の目的で「自己の費用にて除雪又は雪路をなす事は違反なりや」という問いが発せられます。内務省の回答は「投票を勧誘するが如き言動なく」単に棄権防止のものであれば差支えないというものでした(2月8日付7日夕)。
そして投票日当日、朝からの雪模様でしたが、投票所である橋本尋常小学校の正門前には開扉時間の前から50人を超える有権者が並び、正午までに4,000票を超える投票があったと報じられています(2月21日付20日夕)。
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