「あおもり歴史トリビア」第713号(令和8年7月31日配信)
2026/07/31 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第713号(令和8年7月31日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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文化遺産課の児玉です。本年7月、「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、世界遺産登録5周年という節目を迎えました。それを記念して、三内丸山遺跡では企画展「北の縄文とアジア―海をこえたつながり―」が開催されています。私も早々に会場を訪れ、展示を見学してきました。「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、これまで縄文時代の定住生活や精神文化を伝える世界遺産として紹介されることが多くありました。一方、この企画展では視野をさらに広げ、アジアとの交流に焦点が当てられています。
展示資料の中でも、私が特におすすめしたいのは、八戸市の韮窪遺跡と西目屋村の川原平(6)遺跡から出土した、縄文時代後期前半の「狩猟文土器」です。どちらの土器にも、クマと思われる四足動物を弓矢で狩る場面や樹木が描かれており、その表現は非常に精緻です。土器に狩猟の様子が描かれた例は全国的にも多くはなく、縄文人の生活や自然観を知るうえで、大変興味深い資料です。
弘前市の十腰内という場所から出土した、縄文時代後期後半の「人形装飾付壺形土器」も見逃せません。この土器には、前面と背面に一体ずつ、対をなすように人体が表現されています。その独特な造形からは、当時の人々の精神文化や、土器に込められた意味について、さまざまな想像が広がります。
また、会場には中国やロシアから出土した資料も展示されています。中でも目を引いたのは、中国の黄河上流域に栄えた馬家窯文化の「彩陶」です。幾何学的な文様が彩色された土器で、その隣には、山形県の押出遺跡から出土した縄文時代前期の「彩漆土器」が展示されていました。赤や黒の漆によって彩られた縄文土器と中国の彩陶を見比べられることも、この企画展の大きな魅力です。
彩漆土器は、資料を良好な状態で保存するため、展示期間を限定して公開されるそうです。会期中には、あと2回、別の彩漆土器に展示替えされるとのことですので、私もそれぞれの資料を見るため、計3回、会場へ足を運びたいと思っています。
最後に紹介したいのは、山形県遊佐町の三崎山から出土した青銅製刀子です。紀元前11世紀頃の中国・殷代のものと推定され、縄文時代における日本列島と大陸との関係を考えるうえで、重要な資料として注目されています。
この企画展には、海を隔てた地域とのつながりを示す数多くの資料が展示されています。縄文文化を日本列島の中だけで完結した文化として捉えるのではなく、東アジアという広い視野の中で見つめ直すことの大切さを、改めて感じました。
(文化遺産課 児玉)
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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展示資料の中でも、私が特におすすめしたいのは、八戸市の韮窪遺跡と西目屋村の川原平(6)遺跡から出土した、縄文時代後期前半の「狩猟文土器」です。どちらの土器にも、クマと思われる四足動物を弓矢で狩る場面や樹木が描かれており、その表現は非常に精緻です。土器に狩猟の様子が描かれた例は全国的にも多くはなく、縄文人の生活や自然観を知るうえで、大変興味深い資料です。
弘前市の十腰内という場所から出土した、縄文時代後期後半の「人形装飾付壺形土器」も見逃せません。この土器には、前面と背面に一体ずつ、対をなすように人体が表現されています。その独特な造形からは、当時の人々の精神文化や、土器に込められた意味について、さまざまな想像が広がります。
また、会場には中国やロシアから出土した資料も展示されています。中でも目を引いたのは、中国の黄河上流域に栄えた馬家窯文化の「彩陶」です。幾何学的な文様が彩色された土器で、その隣には、山形県の押出遺跡から出土した縄文時代前期の「彩漆土器」が展示されていました。赤や黒の漆によって彩られた縄文土器と中国の彩陶を見比べられることも、この企画展の大きな魅力です。
彩漆土器は、資料を良好な状態で保存するため、展示期間を限定して公開されるそうです。会期中には、あと2回、別の彩漆土器に展示替えされるとのことですので、私もそれぞれの資料を見るため、計3回、会場へ足を運びたいと思っています。
最後に紹介したいのは、山形県遊佐町の三崎山から出土した青銅製刀子です。紀元前11世紀頃の中国・殷代のものと推定され、縄文時代における日本列島と大陸との関係を考えるうえで、重要な資料として注目されています。
この企画展には、海を隔てた地域とのつながりを示す数多くの資料が展示されています。縄文文化を日本列島の中だけで完結した文化として捉えるのではなく、東アジアという広い視野の中で見つめ直すことの大切さを、改めて感じました。
(文化遺産課 児玉)
青森市民図書館 歴史資料室
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