「あおもり歴史トリビア」第660号(令和7年7月11日配信)
2025/07/11 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第660号(令和7年7月11日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の竹内です。
歴史資料室では現在館内展示戦後80年企画「昭和20年~戦中と戦後が重なった年~」を8月21日(木)まで行っています。
戦時中の日本では交戦国や西洋から入ってきた言葉を敵の言葉とし、排斥しようという動きがありました。国民の愛国心を高め、戦意を鼓舞することが目的で、野球では「ストライク」は「よし」、「アウト」は「それまで」に言い換えられました。
昭和18年(1943)青森県と東奥日報社は、県農業会や大政翼賛会県支部の後援を得て、デリシャスやスターキングなど洋名がついていた青森りんごに新たな和名を付ける「リンゴ米英名撃墜改称運動」を主唱しました。和名は県民から一般公募する事となり、2月24日付『東奥日報』には「県特産品たるりんごから米英臭を一掃する事が青森県民の義務であろう、百万県民総力の下に達成したい」と改称するべきりんご14品種と募集要項が掲載されました。反響は大きく3月15日の締め切りまでに5,146件の応募がありました。
りんごの和名を決める改称審査会は4月8日青森商工会議所で開かれ、審査委員長の宇都宮青森県知事をはじめ特別審査委員の北大農学博士島善鄰(しま・よしちか)、りんご栽培家や評論家によって選考されました。選考の結果は次のとおりです。
デリシャス「陽玉」 スターキング「太陽」 サン・ワシントン「初紅」
ゴールデン・デリシャス「黄冠」 リチャード・デリシャス「瑞光」
ステーマン「日出」 ウィルソン「紅鶴」 ウィンター・バナナ「芳玉」
サンマー・チャンピオン「縞錦」 レネット「月光」 セネター「明星」
ドイル「紅衣」 エーケン「栄冠」 ウイスマス・デザート「朝陽」
この新たな和名は島善鄰博士によって4月11日に日本園芸学会に報告され、14品種すべてのりんごの和名は日本全国で通用する名称と承認されました。4月13日付の『東奥日報』には早くも和名の札が下げられた青森市の果物店の写真が「街に現れた日本名 県産りんご」という見出しの記事とともに掲載されました。
こうして決まったりんごの和名は終戦をむかえると使用される事はなくなり、再び洋名で市場に出回るようになりました。当時和名がつけられた14品種のりんごは品種改良による主力りんごの変化で現在は生産されていないものもあります。
※今回の内容は『新編 弘前市史 通史編5(近・現代2)』、『目で見る 青森リンゴの100年』(1974年 東奥日報社)、『津軽りんご人物史』(1993年 斎藤 康司)を参考にさせていただきました。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
青森市メールマガジンをご利用いただき、ありがとうございます。
登録の変更や利用停止の手続は、次の画面からどうぞ。
○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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戦時中の日本では交戦国や西洋から入ってきた言葉を敵の言葉とし、排斥しようという動きがありました。国民の愛国心を高め、戦意を鼓舞することが目的で、野球では「ストライク」は「よし」、「アウト」は「それまで」に言い換えられました。
昭和18年(1943)青森県と東奥日報社は、県農業会や大政翼賛会県支部の後援を得て、デリシャスやスターキングなど洋名がついていた青森りんごに新たな和名を付ける「リンゴ米英名撃墜改称運動」を主唱しました。和名は県民から一般公募する事となり、2月24日付『東奥日報』には「県特産品たるりんごから米英臭を一掃する事が青森県民の義務であろう、百万県民総力の下に達成したい」と改称するべきりんご14品種と募集要項が掲載されました。反響は大きく3月15日の締め切りまでに5,146件の応募がありました。
りんごの和名を決める改称審査会は4月8日青森商工会議所で開かれ、審査委員長の宇都宮青森県知事をはじめ特別審査委員の北大農学博士島善鄰(しま・よしちか)、りんご栽培家や評論家によって選考されました。選考の結果は次のとおりです。
デリシャス「陽玉」 スターキング「太陽」 サン・ワシントン「初紅」
ゴールデン・デリシャス「黄冠」 リチャード・デリシャス「瑞光」
ステーマン「日出」 ウィルソン「紅鶴」 ウィンター・バナナ「芳玉」
サンマー・チャンピオン「縞錦」 レネット「月光」 セネター「明星」
ドイル「紅衣」 エーケン「栄冠」 ウイスマス・デザート「朝陽」
この新たな和名は島善鄰博士によって4月11日に日本園芸学会に報告され、14品種すべてのりんごの和名は日本全国で通用する名称と承認されました。4月13日付の『東奥日報』には早くも和名の札が下げられた青森市の果物店の写真が「街に現れた日本名 県産りんご」という見出しの記事とともに掲載されました。
こうして決まったりんごの和名は終戦をむかえると使用される事はなくなり、再び洋名で市場に出回るようになりました。当時和名がつけられた14品種のりんごは品種改良による主力りんごの変化で現在は生産されていないものもあります。
※今回の内容は『新編 弘前市史 通史編5(近・現代2)』、『目で見る 青森リンゴの100年』(1974年 東奥日報社)、『津軽りんご人物史』(1993年 斎藤 康司)を参考にさせていただきました。
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