「あおもり歴史トリビア」第462号
2021/06/25 (Fri) 11:00
「あおもり歴史トリビア」第462号(令和3年6月25日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。文化財課の児玉です。私の職場での昼食は基本的に、ゆで卵2個と自家製パンの小片(昨年度まではゆで卵3個のみ)なのですが、毎日こればかりだと飽きてしまうので、ゆで卵にかける「塩」で味を変えています。「天日塩」や「岩塩」も使用していますが、古くから作られ、海藻の旨味を含んだ「藻塩」がお気に入りです。
縄文時代の塩は、土器の中で濃度を高めた海水を煮詰めて結晶化させる直煮製塩が基本と思われますが、乾燥した海藻(ホンダワラ、アマモなど)の表面についた塩の結晶を、土器の中で何度も海水で洗い出す作業を繰り返し、それを煮詰めて作る方法(藻塩)も考えられています。
このような塩を作るための土器は、「製塩土器」と呼ばれ、海岸近くの遺跡で出土することが多いです。青森市内では、野内にある「大浦遺跡」から縄文時代晩期の製塩土器の破片が出土しています。製塩土器は、一般的な土器と違い、縄目の文様がない無文の土器で、表面は成形時の粘土を積み重ねた際の接合痕が残っているものが目立ちます。
また、製塩土器は、著しい被熱を数回にわたり受けるため、土器の表面の剥落及び赤化現象が多くみられ、破片で出土するものがほとんどです。土器にしみ込んだ海水が結晶化し、それが原因で土器が壊れてしまうため、破片で見つかることが多いのです。
また、平安時代には、陸奥湾沿岸を中心に太平洋沿岸や日本海沿岸でも製塩土器が出土する遺跡が見つかっており、特に陸奥湾沿岸の分布密度は東北地方では宮城県の松島湾沿岸に次ぐ濃厚さを持つものです。この時期の製塩土器の表面も縄文時代のそれと同じく成形時の粘土紐の接合痕を明瞭に残しています。
青森市内では、内真部に所在する「内真部(9)遺跡」から多量の製塩土器(破片)とそれを支えるための土製支脚が出土しました。おそらく、製塩炉の操業に伴い不要となったものを廃棄したのでしょう。
また、浅虫地区の沖合800mほどのところに浮かぶ湯ノ島(湯ノ島遺跡)でも製塩土器が見つかっています。ちなみに、浅虫地区は、明治時代に浅虫温泉の温泉熱を利用した全国でも珍しい製塩が行われていた地域で、明治43年(1910年)9月、政府の塩専売制度の下で廃止されています。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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-編集・発行----------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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縄文時代の塩は、土器の中で濃度を高めた海水を煮詰めて結晶化させる直煮製塩が基本と思われますが、乾燥した海藻(ホンダワラ、アマモなど)の表面についた塩の結晶を、土器の中で何度も海水で洗い出す作業を繰り返し、それを煮詰めて作る方法(藻塩)も考えられています。
このような塩を作るための土器は、「製塩土器」と呼ばれ、海岸近くの遺跡で出土することが多いです。青森市内では、野内にある「大浦遺跡」から縄文時代晩期の製塩土器の破片が出土しています。製塩土器は、一般的な土器と違い、縄目の文様がない無文の土器で、表面は成形時の粘土を積み重ねた際の接合痕が残っているものが目立ちます。
また、製塩土器は、著しい被熱を数回にわたり受けるため、土器の表面の剥落及び赤化現象が多くみられ、破片で出土するものがほとんどです。土器にしみ込んだ海水が結晶化し、それが原因で土器が壊れてしまうため、破片で見つかることが多いのです。
また、平安時代には、陸奥湾沿岸を中心に太平洋沿岸や日本海沿岸でも製塩土器が出土する遺跡が見つかっており、特に陸奥湾沿岸の分布密度は東北地方では宮城県の松島湾沿岸に次ぐ濃厚さを持つものです。この時期の製塩土器の表面も縄文時代のそれと同じく成形時の粘土紐の接合痕を明瞭に残しています。
青森市内では、内真部に所在する「内真部(9)遺跡」から多量の製塩土器(破片)とそれを支えるための土製支脚が出土しました。おそらく、製塩炉の操業に伴い不要となったものを廃棄したのでしょう。
また、浅虫地区の沖合800mほどのところに浮かぶ湯ノ島(湯ノ島遺跡)でも製塩土器が見つかっています。ちなみに、浅虫地区は、明治時代に浅虫温泉の温泉熱を利用した全国でも珍しい製塩が行われていた地域で、明治43年(1910年)9月、政府の塩専売制度の下で廃止されています。
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