「あおもり歴史トリビア」第463号
2021/07/02 (Fri) 11:00
「あおもり歴史トリビア」第463号(令和3年7月2日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。
昭和2年(1927)7月2日、青森市に有名人がやってきました。その有名人とはノルウェーの探検家・アムンゼン(Roald Amundsen)です。アムンゼンは明治44年(1911)、世界で初めて南極点に到達した人物であり、大正15年(1926)には飛行船による北極横断にも成功しています。伝記をご覧になったことがあるというかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
アムンゼンは昭和2年6月、報知新聞社の招きで来日し、全国8都市で講演会を行っています。但し、青森市では報知新聞社主催の講演会は開催されていません。アムンゼンが青森市を訪れたのは、講演会の会場がある札幌市へ移動する途中、列車から青函連絡船へ乗り換えるためでした。
6月28日付『東奥日報』朝刊によると、アムンゼンは7月1日午前5時50分着の羽越線経由の列車で来青し、7時20分発の青函連絡船に乗り換える予定になっていました(のち7月2日に変更)。青森市青年団ではこの短い滞在時間を利用してアムンゼンの講演会を開こうと考え、6月27日、報知新聞社に電話で問い合わせています。その結果、アムンゼンの快諾を得ることができ、市民に向けて15分ほどの挨拶をしてもらうことになりました。
そして、7月2日午前5時55分、アムンゼンは青森駅に到着しました。空は暗く、静かに雨が降っていました。列車を降りたアムンゼンは空を眺めたあと、駅長の先導で青函連絡船待合室の貴賓室に入り、青森市教育会の原子会長と挨拶を交わしました。そして、長いホームを歩いて駅前に出ました。
駅前には雨の中1000人あまりの市民が集まり、アムンゼンに拍手を送りました。その中には小学生の姿もあったといいます。中野市長は「偉人を親しく迎へ、そのけいがいに接する(注:直接会って話を聞く)を得たるは青森市民の光栄であり、歓喜である」と歓迎の言葉を述べ、アムンゼンは「斯くさかんなる歓迎に接し、感謝の言葉もない」と挨拶しました。さらに、知事令嬢による花輪の贈呈、協成女学校生徒による歓迎の歌の合唱などが行われ、40分ほどで会は終了しました。
会のあと、東奥日報の記者がアムンゼンに感想を尋ねると「中野市長さんは今日は生憎雨が降ってと申されたが、私は日本に来てから、日本の上天気はすっかり見馴れたから久しぶりの雨で却ってよろしい。(中略)恰度季節は雨の季節であるから・・・・・・」と答えました。アムンゼンは青森市で日本の梅雨を体感していったのですね。
※今回の内容は『東奥日報』昭和2年6月28日付朝刊、6月30日付朝刊、7月3日付2日夕刊などを参考にしています。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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アムンゼンは昭和2年6月、報知新聞社の招きで来日し、全国8都市で講演会を行っています。但し、青森市では報知新聞社主催の講演会は開催されていません。アムンゼンが青森市を訪れたのは、講演会の会場がある札幌市へ移動する途中、列車から青函連絡船へ乗り換えるためでした。
6月28日付『東奥日報』朝刊によると、アムンゼンは7月1日午前5時50分着の羽越線経由の列車で来青し、7時20分発の青函連絡船に乗り換える予定になっていました(のち7月2日に変更)。青森市青年団ではこの短い滞在時間を利用してアムンゼンの講演会を開こうと考え、6月27日、報知新聞社に電話で問い合わせています。その結果、アムンゼンの快諾を得ることができ、市民に向けて15分ほどの挨拶をしてもらうことになりました。
そして、7月2日午前5時55分、アムンゼンは青森駅に到着しました。空は暗く、静かに雨が降っていました。列車を降りたアムンゼンは空を眺めたあと、駅長の先導で青函連絡船待合室の貴賓室に入り、青森市教育会の原子会長と挨拶を交わしました。そして、長いホームを歩いて駅前に出ました。
駅前には雨の中1000人あまりの市民が集まり、アムンゼンに拍手を送りました。その中には小学生の姿もあったといいます。中野市長は「偉人を親しく迎へ、そのけいがいに接する(注:直接会って話を聞く)を得たるは青森市民の光栄であり、歓喜である」と歓迎の言葉を述べ、アムンゼンは「斯くさかんなる歓迎に接し、感謝の言葉もない」と挨拶しました。さらに、知事令嬢による花輪の贈呈、協成女学校生徒による歓迎の歌の合唱などが行われ、40分ほどで会は終了しました。
会のあと、東奥日報の記者がアムンゼンに感想を尋ねると「中野市長さんは今日は生憎雨が降ってと申されたが、私は日本に来てから、日本の上天気はすっかり見馴れたから久しぶりの雨で却ってよろしい。(中略)恰度季節は雨の季節であるから・・・・・・」と答えました。アムンゼンは青森市で日本の梅雨を体感していったのですね。
※今回の内容は『東奥日報』昭和2年6月28日付朝刊、6月30日付朝刊、7月3日付2日夕刊などを参考にしています。
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