「あおもり歴史トリビア」第527号(令和4年10月28日配信)
2022/10/28 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第527号(令和4年10月28日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。文化遺産課の児玉です。前回に引き続き、漂着アマモを活用した塩づくりについて紹介します。
前回は、塩分濃度4.2%の鹹水を作りましたが、少ない燃料で塩を作り出すためには、さらに濃度を高める必要があります。
そこで、塩分が付着した大量の漂着アマモ(乾燥したもの)を焼いて、「藻灰」(もはい)を作ります。アマモを焼くとたくさんの煙を出しながら、ゆっくりと燃えていきます。燃え尽きると灰が残ります。「灰塩」(はいじお)とも呼ばれ、舐めてみると、塩辛い味がします。これを鹹水に投入します。
バケツ11リットル分の鹹水の中に、藻灰5リットル分を加え、塩分濃度を計測したところ、7.2%まで高まりました。灰の塩分が溶け出し、濃度が上がったものです。
これをザルや布で濾したのちに、塩分濃度14.8%まで煮詰め、最終的には、褐色から薄い黄色の鹹水ができ、ラーメンスープのような匂いからほぼ無臭へと変わりました。これで鹹水の出来上がりです。
次に「煎熬」(せんごう)です。煎熬は、煮つめて汁をなくすという意味です。あらかじめ作っておいた「鹹水」を煮詰め、水分を蒸発させて塩を取り出す作業で、8月25日に荒川小学校6年生の児童とともに行いました。
炉は、直径2×1.5m内外の楕円形の範囲に厚さ2cmほどの砂を敷き詰め、あらかじめ焚火して炉の水分を飛ばしておきました。
その後、炉の中央で炭火をおこし、12個程の手作りの縄文土器を設置しました。土器に鹹水を注ぎ、沸騰して吹きこぼれる前に、少しずつ鹹水を注ぎ足しながら、1時間程かけて煮詰めていきます。
しばらくすると、土器内部に結晶化した膜ができ、底に塊ができたら完了です。結果、高さ8cm、口径9cm程、約170m?の容量の土器から約15gの塩を作ることができました。
以上のような工程で作られた塩は、「藻塩法」とも呼ばれ、ホンダワラ科の海藻がよく使われますが、今回はSDGs を意識して、海岸のゴミとなっている漂着アマモを利用してみました。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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http://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/keitai-mini/top/mailmagazine.html
-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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そこで、塩分が付着した大量の漂着アマモ(乾燥したもの)を焼いて、「藻灰」(もはい)を作ります。アマモを焼くとたくさんの煙を出しながら、ゆっくりと燃えていきます。燃え尽きると灰が残ります。「灰塩」(はいじお)とも呼ばれ、舐めてみると、塩辛い味がします。これを鹹水に投入します。
バケツ11リットル分の鹹水の中に、藻灰5リットル分を加え、塩分濃度を計測したところ、7.2%まで高まりました。灰の塩分が溶け出し、濃度が上がったものです。
これをザルや布で濾したのちに、塩分濃度14.8%まで煮詰め、最終的には、褐色から薄い黄色の鹹水ができ、ラーメンスープのような匂いからほぼ無臭へと変わりました。これで鹹水の出来上がりです。
次に「煎熬」(せんごう)です。煎熬は、煮つめて汁をなくすという意味です。あらかじめ作っておいた「鹹水」を煮詰め、水分を蒸発させて塩を取り出す作業で、8月25日に荒川小学校6年生の児童とともに行いました。
炉は、直径2×1.5m内外の楕円形の範囲に厚さ2cmほどの砂を敷き詰め、あらかじめ焚火して炉の水分を飛ばしておきました。
その後、炉の中央で炭火をおこし、12個程の手作りの縄文土器を設置しました。土器に鹹水を注ぎ、沸騰して吹きこぼれる前に、少しずつ鹹水を注ぎ足しながら、1時間程かけて煮詰めていきます。
しばらくすると、土器内部に結晶化した膜ができ、底に塊ができたら完了です。結果、高さ8cm、口径9cm程、約170m?の容量の土器から約15gの塩を作ることができました。
以上のような工程で作られた塩は、「藻塩法」とも呼ばれ、ホンダワラ科の海藻がよく使われますが、今回はSDGs を意識して、海岸のゴミとなっている漂着アマモを利用してみました。
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