「あおもり歴史トリビア」第528号(令和4年11月4日配信)
2022/11/04 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第528号(令和4年11月4日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは! 室長の工藤です。
先日、市史編さんの際に収集した市内小学校の「沿革誌」を繰っていたところ、昭和2年(1927)10月に改訂された宮田尋常高等小学校(以下、「宮田小」)の沿革誌に「昭和二年七月 青森県学務部長ヨリアメリカ人形配布」との一文を見つけました。前後の文字よりも少し小さく、後から挿入したのではないかとみられます。
さて、「アメリカ人形」とは一般には「青い目の人形」として知られ、ウィキペディアにもこの名称で項目が立てられています。青い目の人形は、同年にアメリカの民間団体が12,000体余りの人形を集め、日本に贈ったものだということです。日本に届いた人形は、文部省の指導のもと各府県の一部の小学校と幼稚園に配付されました。
青森県内の配布先については、高橋豪瑩・成田マツヱ「弘前学院の友情人形(俗に青い目の人形)を追跡して」(『弘前大学国史研究』106号、1999年、以下「高橋・成田稿」)に詳しいので、以下これにしたがって話を進めます。
青森県内の人形配布先は、昭和2年4月16日付で県学務部長が出した文書で判明します。220の小学校・幼稚園に配付されることになり、当時の青森市内では15校園があげられています(ただし、高橋・成田稿には小学校の校名1校に明らかな誤植があります)。また、さきの宮田小を含む東津軽郡は小学校25校があげられています。
そして5月6日、弘前市教育会主催で人形の歓迎会が開かれました。迎えられた人形は112体で、内訳は弘前市への12体、南津軽郡への33体、中津軽郡への19体、北津軽郡への26体、西津軽郡への22体でした。
ここには青森市と東津軽郡の分がありません。理由は単に弘前市教育会が主催の歓迎会だったからかもしれません。加えて、宮田小に配付されたのが7月であったことをふまえれば、文部省から青森県への人形の配布が一括ではなかった可能性も考えていいのかもしれません。
一方、歓迎会について東津軽郡の事例をひとつあげると、浜館尋常高等小学校の罫紙に書かれた浜館小学校の沿革誌には、昭和3年2月21日に「外国から送られた人形の観(原文ママ)迎会・唱歌会開催」とあります。前年春から夏にかけて配布されていたとすると、少し遅い開催だったような気もします。
ところで、この青い目の人形はその後、日本とアメリカとが戦争状態になったことから処分されるものが多かったといいます。令和元年(平成31・2019)春の時点で青森県内では10体が現存しているそうです。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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http://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/keitai-mini/top/mailmagazine.html
-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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さて、「アメリカ人形」とは一般には「青い目の人形」として知られ、ウィキペディアにもこの名称で項目が立てられています。青い目の人形は、同年にアメリカの民間団体が12,000体余りの人形を集め、日本に贈ったものだということです。日本に届いた人形は、文部省の指導のもと各府県の一部の小学校と幼稚園に配付されました。
青森県内の配布先については、高橋豪瑩・成田マツヱ「弘前学院の友情人形(俗に青い目の人形)を追跡して」(『弘前大学国史研究』106号、1999年、以下「高橋・成田稿」)に詳しいので、以下これにしたがって話を進めます。
青森県内の人形配布先は、昭和2年4月16日付で県学務部長が出した文書で判明します。220の小学校・幼稚園に配付されることになり、当時の青森市内では15校園があげられています(ただし、高橋・成田稿には小学校の校名1校に明らかな誤植があります)。また、さきの宮田小を含む東津軽郡は小学校25校があげられています。
そして5月6日、弘前市教育会主催で人形の歓迎会が開かれました。迎えられた人形は112体で、内訳は弘前市への12体、南津軽郡への33体、中津軽郡への19体、北津軽郡への26体、西津軽郡への22体でした。
ここには青森市と東津軽郡の分がありません。理由は単に弘前市教育会が主催の歓迎会だったからかもしれません。加えて、宮田小に配付されたのが7月であったことをふまえれば、文部省から青森県への人形の配布が一括ではなかった可能性も考えていいのかもしれません。
一方、歓迎会について東津軽郡の事例をひとつあげると、浜館尋常高等小学校の罫紙に書かれた浜館小学校の沿革誌には、昭和3年2月21日に「外国から送られた人形の観(原文ママ)迎会・唱歌会開催」とあります。前年春から夏にかけて配布されていたとすると、少し遅い開催だったような気もします。
ところで、この青い目の人形はその後、日本とアメリカとが戦争状態になったことから処分されるものが多かったといいます。令和元年(平成31・2019)春の時点で青森県内では10体が現存しているそうです。
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