「あおもり歴史トリビア」第531号(令和4年11月25日配信)
2022/11/25 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第531号(令和4年11月25日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。文化遺産課の児玉です。
小牧野遺跡では、本年度の公開期間を終え、雪の重みや凍結などから環状列石を保護するための雪養生が先日行われました。そういえば、このメルマガで環状列石について、あまり触れていないことに気がついたので、今回から複数回に分けて紹介してみたいと思います。
環状列石は、かつては規模の大小にかかわらず、環状石籬(せきり)あるいはストーンサークルと呼ばれてきましたが、近年では土坑墓の上に石を配したものを配石墓、小型のものを環状配石、大型のものを環状列石などと区別する傾向にあります。
とくに大型の環状列石については、膨大な時間と労力をかけて構築されており、縄文社会の組織力や精神文化を考える上で極めて重要な遺構となっています。
縄文時代の人々にとって、環状列石がどのような意味をもっていたのかは、従来からの墓地説や祭祀場説に代表されるような用途に関する研究はもとより、太陽の運行や周辺の山々などの景観を考慮に入れた遺跡立地に関する研究などにより、遺跡の性格が論じられています。
私の場合は、当時の社会組織や祭祀観の復元の一助とするため、環状列石を構築する石材の運搬方法や作業量を研究し、発表したこともありました。
環状列石は、全国で40ヵ所ほど確認されていますが、その分布は、東日本に集中しており、北関東から中部にかけてと、北東北から北海道の一帯に大きく分かれています。北関東・中部では、縄文前期後半のものもみられますが、敷石住居が出現する縄文中期後半での存在が目立ちます。
一方、北東北・北海道の環状列石は、縄文後期のものが多く、秋田・岩手両県の北部から北海道南部にかけての一群、北海道小樽市域を含む余市湾周辺の一群に大きく分かれ、前者は縄文後期前半、後者は縄文後期後半に構築されたものが多くみられます。
また、北海道では、縄文後期後半に環状に盛土した周提墓が構築されるようになり、その分布は道央部に集中していますが、一部は道東部でも確認されており、環状列石から周提墓への変遷も指摘されています。
環状列石のうち大型のものについては、大きく二つの形態があり、一つは土坑墓の上に石を配した個々の配石墓が全体として環状に巡らすもので、秋田県鹿角市にある大湯環状列石の例があります。もう一つは、小牧野遺跡のように円形の広場を囲むようにして形作られた列石で、中には列石を構成する一部の組石に墓を伴うものもあります。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/mailmagazine-riyou.html
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http://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/keitai-mini/top/mailmagazine.html
-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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環状列石は、かつては規模の大小にかかわらず、環状石籬(せきり)あるいはストーンサークルと呼ばれてきましたが、近年では土坑墓の上に石を配したものを配石墓、小型のものを環状配石、大型のものを環状列石などと区別する傾向にあります。
とくに大型の環状列石については、膨大な時間と労力をかけて構築されており、縄文社会の組織力や精神文化を考える上で極めて重要な遺構となっています。
縄文時代の人々にとって、環状列石がどのような意味をもっていたのかは、従来からの墓地説や祭祀場説に代表されるような用途に関する研究はもとより、太陽の運行や周辺の山々などの景観を考慮に入れた遺跡立地に関する研究などにより、遺跡の性格が論じられています。
私の場合は、当時の社会組織や祭祀観の復元の一助とするため、環状列石を構築する石材の運搬方法や作業量を研究し、発表したこともありました。
環状列石は、全国で40ヵ所ほど確認されていますが、その分布は、東日本に集中しており、北関東から中部にかけてと、北東北から北海道の一帯に大きく分かれています。北関東・中部では、縄文前期後半のものもみられますが、敷石住居が出現する縄文中期後半での存在が目立ちます。
一方、北東北・北海道の環状列石は、縄文後期のものが多く、秋田・岩手両県の北部から北海道南部にかけての一群、北海道小樽市域を含む余市湾周辺の一群に大きく分かれ、前者は縄文後期前半、後者は縄文後期後半に構築されたものが多くみられます。
また、北海道では、縄文後期後半に環状に盛土した周提墓が構築されるようになり、その分布は道央部に集中していますが、一部は道東部でも確認されており、環状列石から周提墓への変遷も指摘されています。
環状列石のうち大型のものについては、大きく二つの形態があり、一つは土坑墓の上に石を配した個々の配石墓が全体として環状に巡らすもので、秋田県鹿角市にある大湯環状列石の例があります。もう一つは、小牧野遺跡のように円形の広場を囲むようにして形作られた列石で、中には列石を構成する一部の組石に墓を伴うものもあります。
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