「あおもり歴史トリビア」第534号(令和4年12月16日配信)
2022/12/16 (Fri) 12:00
「あおもり歴史トリビア」第534号(令和4年12月16日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。
先日、歴史資料室では旧浪岡町が作成したマッチ箱2点を収集しました。一つは表面に町章と「笑顔で納税 明るい浪岡町を」という言葉が記されたもので、裏面には何も書かれていません。
もう一つは表面に町章と「納税が築く 明るい浪岡町」という言葉が、裏面に町民税・固定資産税・軽自動車税・都市計画税・保険税の5つの町税の納期が記されています。浪岡町が納税促進のために作成したものと考えられます。
二つのマッチ箱を見ると、浪岡町役場の電話番号が「261」となっています。浪岡町では昭和43年(1968)11月22日に自動式電話(交換手を介さず接続できる電話)への切り替えが行われており、町役場の電話番号が「261」から「3001」に変わっています。よって、二つのマッチ箱は昭和43年11月より前に作られたものということになります。
さらに、二つのマッチ箱のうち町税の納期が記されたマッチ箱については、5つの税金の創設時期などから作成時期を絞り込むことができると考え、詳しく調べてみることにしました。マッチ箱に記された町税の中で最も創設時期が新しいのは軽自動車税で、昭和33年に創設されています。
そこで、昭和33年から昭和43年までの町税の納期を『広報なみおか 縮刷版』(1982年 浪岡町)で確認してみると、マッチ箱に記されている納期と合致するのは昭和34年度・昭和35年度であることがわかりました。つまり、このマッチ箱は60年以上前に作られたものだったのです。
当時の広報をみてみると、第36号(昭和34年8月20日発行)には「税金は期別ごとに完納しましょう」という記事があり「明るい町建設と運営のため」に税金を納めるよう促しています。また、第40号(昭和34年11月25日発行)では小中学生を対象として納税意欲を高めるための作文と標語を募集しています。マッチ箱が作成された頃、町は納税促進のためさまざまな取り組みをしていたのですね。
さて、かつて商店などでは広告・宣伝の目的でマッチを配布していました。店の情報や商品名がデザインされたマッチ箱は、世相や街の記憶を後世に伝える歴史資料として注目されています。各地の公文書館や資料館等で収集・展示している事例があり、例えば、神奈川県寒川町の寒川文書館では「三枝惣治氏マッチラベルコレクション」をインターネット上に公開しています。
このコレクションの中には青森市の「青森コロンバン」や「雲谷スカイランドホテル」のマッチラベルもあります。皆さんのお宅にも懐かしいお店のマッチ箱が眠っていませんか? ぜひ探してみてください。
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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-編集・発行---------
企画部広報広聴課
青森市中央1-22-5
TEL:017-734-5106
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先日、歴史資料室では旧浪岡町が作成したマッチ箱2点を収集しました。一つは表面に町章と「笑顔で納税 明るい浪岡町を」という言葉が記されたもので、裏面には何も書かれていません。
もう一つは表面に町章と「納税が築く 明るい浪岡町」という言葉が、裏面に町民税・固定資産税・軽自動車税・都市計画税・保険税の5つの町税の納期が記されています。浪岡町が納税促進のために作成したものと考えられます。
二つのマッチ箱を見ると、浪岡町役場の電話番号が「261」となっています。浪岡町では昭和43年(1968)11月22日に自動式電話(交換手を介さず接続できる電話)への切り替えが行われており、町役場の電話番号が「261」から「3001」に変わっています。よって、二つのマッチ箱は昭和43年11月より前に作られたものということになります。
さらに、二つのマッチ箱のうち町税の納期が記されたマッチ箱については、5つの税金の創設時期などから作成時期を絞り込むことができると考え、詳しく調べてみることにしました。マッチ箱に記された町税の中で最も創設時期が新しいのは軽自動車税で、昭和33年に創設されています。
そこで、昭和33年から昭和43年までの町税の納期を『広報なみおか 縮刷版』(1982年 浪岡町)で確認してみると、マッチ箱に記されている納期と合致するのは昭和34年度・昭和35年度であることがわかりました。つまり、このマッチ箱は60年以上前に作られたものだったのです。
当時の広報をみてみると、第36号(昭和34年8月20日発行)には「税金は期別ごとに完納しましょう」という記事があり「明るい町建設と運営のため」に税金を納めるよう促しています。また、第40号(昭和34年11月25日発行)では小中学生を対象として納税意欲を高めるための作文と標語を募集しています。マッチ箱が作成された頃、町は納税促進のためさまざまな取り組みをしていたのですね。
さて、かつて商店などでは広告・宣伝の目的でマッチを配布していました。店の情報や商品名がデザインされたマッチ箱は、世相や街の記憶を後世に伝える歴史資料として注目されています。各地の公文書館や資料館等で収集・展示している事例があり、例えば、神奈川県寒川町の寒川文書館では「三枝惣治氏マッチラベルコレクション」をインターネット上に公開しています。
このコレクションの中には青森市の「青森コロンバン」や「雲谷スカイランドホテル」のマッチラベルもあります。皆さんのお宅にも懐かしいお店のマッチ箱が眠っていませんか? ぜひ探してみてください。
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