常見陽平メルマガ『陽平界通信』第290号 エリート臭がしない素敵な人たち/哲学・哲学史にどう入門するか
2024/05/29 (Wed) 07:30
◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第290号
◆◆ 2024.5.29 配信
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、
名刺交換・メールのやり取りなどをした方に
送信しております。
配信停止を希望される方は、文末のURLから
配信停止の手続きをお願いします。
なお、メールの転送をされている場合は、
元のアドレスの配信停止手続きが必要です。
◆◆◆━━━━━━━━━━━━━
今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
エリート臭がしない素敵な人たち
2.記事傑作選
◇『不適切』な昭和から
『コンプライアンス』の令和へ
◇巧妙化する「オワハラ」手法
◇朝日新聞「クズ」記事のどこが問題か
3.書評 ほんのひとこと
哲学・哲学史にどう入門するか
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【エリート臭がしない素敵な人たち】
毎日、日本のどこかで講演したり、
突然、かかってくる取材依頼の電話やメールに
対応する日々です。
大学の仕事は教室でも会議室でもエキサイティングで。
ちなみに、私、普通の会議で
「警鐘を乱打する」
「冷徹な数字は、人を熱くする」
「これは、私たちの山王戦ですよ」
と真顔で言う人です。
講演などで私を読んでくれた人は
「朝日新聞のコメント欄や
SNS投稿とまったく一緒なんですね」
と感動するそうで。
先日、一橋大学竹内弘高ゼミナールの
同窓会が開催されました。
今年の会場は、私の提案で
このメルマガや私のSNS投稿でもお馴染みの
HAVANA1950でした。
https://d.bmb.jp/9/1454/4523/XXXX
このお店、お陰様で大好評でして。
竹内先生一家からは「過去最高の会場」と
絶賛されましたよ。なんせ、雰囲気が良くて。
会話もはずみました。
私は代表幹事でして。
ほぼ毎年、司会をしており。
いつも私の無茶振りで、参加者のうち
7名くらいにスピーチをお願いしているのですが。
いちいち期待以上のナイスなスピーチで。
想いがこもっていました。
この春はセガの社長、富士通のEVPが
ゼミから誕生し。
Xiaomiのエヴァンジェリストをしている
同期の近況報告もナイスで。
自宅を売却→移住を意思決定した
同期などの話も熱く。
がん治療薬ベンチャーの経営者の先輩からは、
自分の仕事の原点である、
高校時代に友人をがんで亡くした話が披露され。
いちいち想いがこもっていました。
ハーバード大学教授を退任した先生は、
ある意味、ますます無邪気で、若く。
裏原宿で古着のアロハシャツを買うという
趣味にも相変わらず没頭しているようで。
ナイスでした。
アラフィフの私たちは、
学生時代にお世話になっていた頃の
先生の年齢になっているわけで。
あの頃の先生と同じくらい、
私たちはエネルギーがあるのだろうかと
反省したりもしましたよ。
竹内ゼミの先輩、仲間たちは
様々な世界で大活躍しているのですが、
共通点は、
エリート臭がしない人たちだということですね。
もちろん、熱い話から馬鹿話までする仲
というのもあるのですが。
プライベートな場で会っている
というのもあるのですが。
よい意味で腰が低く。
そういえば、学生時代、先生から
「一流と超一流の違いは、謙虚かどうか」と
教えて頂いたような。
思えば、会社員時代も今も、
明らかに優秀なのに、
活躍しているのに、
出世しているのに、
エリート臭がしない人、人間臭い人と
仕事をしてきました。
会社に対してNOと言い、
顧客を向いて仕事をする、と。
そういう先輩や友人、後輩が
経営陣になっていったので
リクルートもバンダイナムコも
まともな会社だなあと思ったり。
事業撤退という経営陣の意思決定を
ひっくり返した先輩や
経営陣が「一兆円企業を目指す」と言ったときに
「数字だけふってくるのは気持ち悪い」
「やるなら、カスタマーの拍手に溢れた
一兆円にしたい」と啖呵をきった同期など、
ナイスでした。
プライベートでは実に気持ちよさそうに
酒を飲み、夢を語り、
週末は趣味に没頭する、と。
私自身、エリート臭とは無縁の人なのですが。
と、自分では思っているのですが。
思えば、幼少期から
「賢い」「勉強ができる」「頭がいい」と
褒められるよりも「面白い」と
言われる方が好きでした。これからもそうです。
いつも、六本木、広尾、恵比寿では
ミュージシャンに間違えられます。
そういえば、内定者の頃、
「一橋のプロレス」と人事の間では
呼ばれていたらしいですね。
振れ幅が大きい、正体不明の人で
これからもいたいです。
というわけで、
自分の原点を確認したナイスな週末でした。
再会に感謝。この再会を創造に。
そうそう「オヤカク」に関する
意見募集を朝日新聞さんがやってますよ。
ぜひ。
https://d.bmb.jp/9/1454/4524/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4525/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4526/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
河合薫×常見陽平
「『不適切』な昭和から
『コンプライアンス』の令和へ
――職く環境は本当に良くなったのか?」
https://d.bmb.jp/9/1454/4527/XXXX
ESに大学職員の名前書かせる、
推薦状をテンプレ化……
巧妙化する「オワハラ」手法
【就活イチ押しニュース】
https://d.bmb.jp/9/1454/4528/XXXX
朝日新聞のどこが問題か~
「クズ」記事をクズと評した常見陽平さん。
クズを賞賛した
朝日新聞Podcast担当神田大介さん、
朝日新聞編集委員 藤田直央さんの中途半端な謝罪
https://d.bmb.jp/9/1454/4529/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━
3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【哲学・哲学史にどう入門するか】
そういえば、大学受験は
倫理・政治・経済で受けた。
センター試験(当時)も、二次試験もである。
一橋大学は二次試験にこの科目があり。
国語も現代文だけで。
私に合っていた。
先生に添削をお願いし。
大学受験は茶番だと思っていた私にとって、
有意義な時間だった。
ちなみに、お世話になった三浦武志先生のお子さんは
今、毎日新聞で記者をしている。
何度か取材して頂き。胸がいっぱいになった。
哲学に注目が集まっている(と感じる)。
なんせ、混迷の時代である。
100年に1度の変化が毎年のように起こる中、
どう考え、どう生きるのか。
「哲学」とタイトルに入った本の
ベストセラーも生まれている。
最近では千葉雅也の『センスの哲学』
(文藝春秋)に注目が集まっている。
さて、哲学にどのように入門すればいいのだろう。
様々な著者が哲学の入門書を書いているが、
どれも「入門」と言いつつも、
それなりの読解力や事前知識が必要となっている。
私たちは何を読めばいいのか?
斎藤哲也の最新作
『哲学史入門1』『哲学史入門2』
(NHK出版新書)を手にとってみよう
(なお、もうすぐ3も発売される)。
※本当はローマ字なのだが、メルマガの仕様の関係で
普通の数字で表記する。
これは哲学・哲学史の画期的な入門書である。
斎藤哲也の哲学愛、知識は、パない。
哲学・哲学史の面白さを味わい尽くし、
さらにはその伝え方について
真摯に向き合っている。
これまでも、
センター試験・共通テストの過去問から
哲学、現代思想を学ぶ新書などを
リリースしてきた。
『試験に出る哲学』『もっと試験に出る哲学』
『試験に出る現代思想』(NHK出版新書)などだ。
今回、斎藤は哲学(研究)者への
インタビュー形式で哲学史を学ぶという
画期的なスタイルを考案した。
概念を太字で追う形式などは
手っ取り早いが深みがない。
一方で、「入門」を名乗りつつも
難解な哲学入門書に私たちは何度も挫折してきた。
このインタビュー形式は、
哲学および哲学史を
まるで大学の講義を受けるように、
いや講義というよりは
教授の研究室にお邪魔して
話を聞いているかのように、
さらには深夜ラジオに出演し
知識人の話を聞くかのように、理解できる。
概念やキーワードを覚えて、
哲学を学んだ「風」になるのはつまらない。
哲学(研究)者への
斎藤哲也のインタビューを通じて、
哲学・哲学史を手軽に、深く学ぶことができる。
哲学の急所、難所を楽しく乗り越え、
自分のものにすることができる。
斎藤と哲学(研究)者とのやり取りは
いちいち面白く、私たちの
知的好奇心を刺激しまくる。
最先端の議論にふれることもできる。
そもそも、なぜ、この時代のこの国や地域で
哲学者が現れたのかなど、
根本的な理由なども確認できる。
個人的にツボだったのは、
2023年の倫理の教科書の一部では、
ソクラテスの「無知の知」は「不知の自覚」
という表現に変わっているとのエピソードだった。
1に登場している納富信留が
2003年から提案し続けてきたことだ。
「無知の知」はソクラテスの思想を
的確に捉えているとは言い難い。
「不知の自覚」の方がフィットする。
さらにバカウケだったのは、
2の巻末に収録されている
今をときめく山本貴光、吉川浩満という
人文系のカリスマ2人との鼎談である。
吉川が「哲学史は芋づる式で学ぶべし」と
主張しているのだが、そのメタファーとして、
ハードロックのギタリスト、先日、来日した
イングヴェイ・マルムスティーンが登場する。
彼はジミ・ヘンドリックスに影響を受けており、
そのジミ・ヘンドリックスは、
リズム&ブルースから出てきた
アーティストであり~と。
同じように、カントはヒュームと、
スピノザやライプニッツの双方を批判して
新しい哲学を打ち立て、そのカントを
ドイツの後輩たちが乗り越えようとした、と。
哲学とメタルがつながった瞬間だった。
いや、例えとして秀逸である。
この鼎談パートは、深夜ラジオのような、
そんなノリで楽しめる。
そうそう、1巻目の千葉雅也インタビューも
ナイスだ。さすが今をときめく千葉雅也。
千葉流の哲学の学び方に、何度も膝を乱打する。
これだけでご飯、三杯はいける。
ビジネスパーソンにこそ、手にとってほしい。
物事の見え方が変わるはずだ。
斎藤哲也(編)『哲学史入門1』(NHK出版新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/4530/XXXX
斎藤哲也(編)『哲学史入門2』(NHK出版新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/4531/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/4532/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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1.巻頭言
エリート臭がしない素敵な人たち
2.記事傑作選
◇『不適切』な昭和から
『コンプライアンス』の令和へ
◇巧妙化する「オワハラ」手法
◇朝日新聞「クズ」記事のどこが問題か
3.書評 ほんのひとこと
哲学・哲学史にどう入門するか
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【エリート臭がしない素敵な人たち】
毎日、日本のどこかで講演したり、
突然、かかってくる取材依頼の電話やメールに
対応する日々です。
大学の仕事は教室でも会議室でもエキサイティングで。
ちなみに、私、普通の会議で
「警鐘を乱打する」
「冷徹な数字は、人を熱くする」
「これは、私たちの山王戦ですよ」
と真顔で言う人です。
講演などで私を読んでくれた人は
「朝日新聞のコメント欄や
SNS投稿とまったく一緒なんですね」
と感動するそうで。
先日、一橋大学竹内弘高ゼミナールの
同窓会が開催されました。
今年の会場は、私の提案で
このメルマガや私のSNS投稿でもお馴染みの
HAVANA1950でした。
https://d.bmb.jp/9/1454/4523/XXXX
このお店、お陰様で大好評でして。
竹内先生一家からは「過去最高の会場」と
絶賛されましたよ。なんせ、雰囲気が良くて。
会話もはずみました。
私は代表幹事でして。
ほぼ毎年、司会をしており。
いつも私の無茶振りで、参加者のうち
7名くらいにスピーチをお願いしているのですが。
いちいち期待以上のナイスなスピーチで。
想いがこもっていました。
この春はセガの社長、富士通のEVPが
ゼミから誕生し。
Xiaomiのエヴァンジェリストをしている
同期の近況報告もナイスで。
自宅を売却→移住を意思決定した
同期などの話も熱く。
がん治療薬ベンチャーの経営者の先輩からは、
自分の仕事の原点である、
高校時代に友人をがんで亡くした話が披露され。
いちいち想いがこもっていました。
ハーバード大学教授を退任した先生は、
ある意味、ますます無邪気で、若く。
裏原宿で古着のアロハシャツを買うという
趣味にも相変わらず没頭しているようで。
ナイスでした。
アラフィフの私たちは、
学生時代にお世話になっていた頃の
先生の年齢になっているわけで。
あの頃の先生と同じくらい、
私たちはエネルギーがあるのだろうかと
反省したりもしましたよ。
竹内ゼミの先輩、仲間たちは
様々な世界で大活躍しているのですが、
共通点は、
エリート臭がしない人たちだということですね。
もちろん、熱い話から馬鹿話までする仲
というのもあるのですが。
プライベートな場で会っている
というのもあるのですが。
よい意味で腰が低く。
そういえば、学生時代、先生から
「一流と超一流の違いは、謙虚かどうか」と
教えて頂いたような。
思えば、会社員時代も今も、
明らかに優秀なのに、
活躍しているのに、
出世しているのに、
エリート臭がしない人、人間臭い人と
仕事をしてきました。
会社に対してNOと言い、
顧客を向いて仕事をする、と。
そういう先輩や友人、後輩が
経営陣になっていったので
リクルートもバンダイナムコも
まともな会社だなあと思ったり。
事業撤退という経営陣の意思決定を
ひっくり返した先輩や
経営陣が「一兆円企業を目指す」と言ったときに
「数字だけふってくるのは気持ち悪い」
「やるなら、カスタマーの拍手に溢れた
一兆円にしたい」と啖呵をきった同期など、
ナイスでした。
プライベートでは実に気持ちよさそうに
酒を飲み、夢を語り、
週末は趣味に没頭する、と。
私自身、エリート臭とは無縁の人なのですが。
と、自分では思っているのですが。
思えば、幼少期から
「賢い」「勉強ができる」「頭がいい」と
褒められるよりも「面白い」と
言われる方が好きでした。これからもそうです。
いつも、六本木、広尾、恵比寿では
ミュージシャンに間違えられます。
そういえば、内定者の頃、
「一橋のプロレス」と人事の間では
呼ばれていたらしいですね。
振れ幅が大きい、正体不明の人で
これからもいたいです。
というわけで、
自分の原点を確認したナイスな週末でした。
再会に感謝。この再会を創造に。
そうそう「オヤカク」に関する
意見募集を朝日新聞さんがやってますよ。
ぜひ。
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「『不適切』な昭和から
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――職く環境は本当に良くなったのか?」
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ESに大学職員の名前書かせる、
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巧妙化する「オワハラ」手法
【就活イチ押しニュース】
https://d.bmb.jp/9/1454/4528/XXXX
朝日新聞のどこが問題か~
「クズ」記事をクズと評した常見陽平さん。
クズを賞賛した
朝日新聞Podcast担当神田大介さん、
朝日新聞編集委員 藤田直央さんの中途半端な謝罪
https://d.bmb.jp/9/1454/4529/XXXX
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3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【哲学・哲学史にどう入門するか】
そういえば、大学受験は
倫理・政治・経済で受けた。
センター試験(当時)も、二次試験もである。
一橋大学は二次試験にこの科目があり。
国語も現代文だけで。
私に合っていた。
先生に添削をお願いし。
大学受験は茶番だと思っていた私にとって、
有意義な時間だった。
ちなみに、お世話になった三浦武志先生のお子さんは
今、毎日新聞で記者をしている。
何度か取材して頂き。胸がいっぱいになった。
哲学に注目が集まっている(と感じる)。
なんせ、混迷の時代である。
100年に1度の変化が毎年のように起こる中、
どう考え、どう生きるのか。
「哲学」とタイトルに入った本の
ベストセラーも生まれている。
最近では千葉雅也の『センスの哲学』
(文藝春秋)に注目が集まっている。
さて、哲学にどのように入門すればいいのだろう。
様々な著者が哲学の入門書を書いているが、
どれも「入門」と言いつつも、
それなりの読解力や事前知識が必要となっている。
私たちは何を読めばいいのか?
斎藤哲也の最新作
『哲学史入門1』『哲学史入門2』
(NHK出版新書)を手にとってみよう
(なお、もうすぐ3も発売される)。
※本当はローマ字なのだが、メルマガの仕様の関係で
普通の数字で表記する。
これは哲学・哲学史の画期的な入門書である。
斎藤哲也の哲学愛、知識は、パない。
哲学・哲学史の面白さを味わい尽くし、
さらにはその伝え方について
真摯に向き合っている。
これまでも、
センター試験・共通テストの過去問から
哲学、現代思想を学ぶ新書などを
リリースしてきた。
『試験に出る哲学』『もっと試験に出る哲学』
『試験に出る現代思想』(NHK出版新書)などだ。
今回、斎藤は哲学(研究)者への
インタビュー形式で哲学史を学ぶという
画期的なスタイルを考案した。
概念を太字で追う形式などは
手っ取り早いが深みがない。
一方で、「入門」を名乗りつつも
難解な哲学入門書に私たちは何度も挫折してきた。
このインタビュー形式は、
哲学および哲学史を
まるで大学の講義を受けるように、
いや講義というよりは
教授の研究室にお邪魔して
話を聞いているかのように、
さらには深夜ラジオに出演し
知識人の話を聞くかのように、理解できる。
概念やキーワードを覚えて、
哲学を学んだ「風」になるのはつまらない。
哲学(研究)者への
斎藤哲也のインタビューを通じて、
哲学・哲学史を手軽に、深く学ぶことができる。
哲学の急所、難所を楽しく乗り越え、
自分のものにすることができる。
斎藤と哲学(研究)者とのやり取りは
いちいち面白く、私たちの
知的好奇心を刺激しまくる。
最先端の議論にふれることもできる。
そもそも、なぜ、この時代のこの国や地域で
哲学者が現れたのかなど、
根本的な理由なども確認できる。
個人的にツボだったのは、
2023年の倫理の教科書の一部では、
ソクラテスの「無知の知」は「不知の自覚」
という表現に変わっているとのエピソードだった。
1に登場している納富信留が
2003年から提案し続けてきたことだ。
「無知の知」はソクラテスの思想を
的確に捉えているとは言い難い。
「不知の自覚」の方がフィットする。
さらにバカウケだったのは、
2の巻末に収録されている
今をときめく山本貴光、吉川浩満という
人文系のカリスマ2人との鼎談である。
吉川が「哲学史は芋づる式で学ぶべし」と
主張しているのだが、そのメタファーとして、
ハードロックのギタリスト、先日、来日した
イングヴェイ・マルムスティーンが登場する。
彼はジミ・ヘンドリックスに影響を受けており、
そのジミ・ヘンドリックスは、
リズム&ブルースから出てきた
アーティストであり~と。
同じように、カントはヒュームと、
スピノザやライプニッツの双方を批判して
新しい哲学を打ち立て、そのカントを
ドイツの後輩たちが乗り越えようとした、と。
哲学とメタルがつながった瞬間だった。
いや、例えとして秀逸である。
この鼎談パートは、深夜ラジオのような、
そんなノリで楽しめる。
そうそう、1巻目の千葉雅也インタビューも
ナイスだ。さすが今をときめく千葉雅也。
千葉流の哲学の学び方に、何度も膝を乱打する。
これだけでご飯、三杯はいける。
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物事の見え方が変わるはずだ。
斎藤哲也(編)『哲学史入門1』(NHK出版新書)
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