常見陽平メルマガ『陽平界通信』第295号 娘が7歳に/名門男子校の性教育から人権、ジェンダー平等を考える
2024/07/03 (Wed) 09:40
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◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第295号
◆◆ 2024.7.3 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
娘が7歳に
2.記事傑作選
◇インターンシップ、オープンカンパニーの
探し方、使い方
3.書評 ほんのひとこと
名門男子校が行なっている性教育とは
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【娘が7歳に】
たった今、家族で
都知事選の期日前投票に行ってきました。
選挙の度に家族で議論する。
一緒に投票に行く。
常見家が大事にしていることです。
今回の選挙については
思うことが多々あり。
ただ、私は民主主義を信じています。
微力であっても無力ではないので、
投票に行くのです。はい。
さて。
毎年、書いていることですが、
4月から5月は、自分の誕生日と、
自分の父や尊敬するミュージシャンの命日が続き。
加齢と、新しい期の始まりで、
人生について考えてしまうのですよね。
カート・コバーン、尾崎豊、
hide、忌野清志郎、
そして39歳で亡くなった父。
そりゃ人生考えますよ。
キヨシローさん以外は、
私の方が長く生きてしまったわけで。
その点、7月はハッピーで。
妻、娘の誕生日が続き。
石を投げられそうですが、
大学教員視点では夏休みが始まり。
これまた人生について考えます。
7日に、娘が7歳になります。
2017年7月7日に
予定より20日くらい早く、
最後は心拍数低下で吸引で生まれた娘。
5年間の妊活の末、
大変に星の力が強い日に生まれた娘も
7歳でございます。
早いものですね。
小学校1年生の最初の学期も
もうすぐ終わります。
親として、教育者として、日々、発見があります。
仏教系の小学校での日々は、
いつも命、自然を尊重しており。
ナイスです。
先生も、他の保護者たちも熱心です。
まるで、大学生が社会人になったときのように、
びっくりするくらい
規則正しい日々を送っています。
「朝は寝床でぐうぐうぐう」
とまるで『ゲゲゲの鬼太郎』の
ような生活を送っていた友人が
早寝早起きを繰り返し、
大手企業の本部長になったような
衝撃でございます(実話)。
6時には自ら起き、準備をし、朝ご飯を食べ。
徒歩7分の小学校なのですが、
7時50分には登校しており。
夜も決められた時間にお風呂に入り、
食事をし、9時には床に就きます。
私は兼業主夫でして。
これまで私が
ほぼすべての料理を
つくってきたわけですが。
最近は娘が勝手にクレープや、
チーズオムレツをつくるようになりました。
私の料理の中では、最近のお気に入りは
「金目鯛の煮付け」
「牛肉のしゃぶしゃぶ」
「デミグラスチーズオムライス」
「タチウオのムニエル(近所に住む先輩から
釣ったタチウオを頂きました 感謝)」
「ベーコン包カマンベールチーズ」のようです。
大河ドラマに夢中で。
『光る君に』を毎週、楽しみにしております。
「読売KODOMO新聞」を読み始めましたが、
ここでも歴史関連のコーナーに夢中で。
両親が歴史学者なのに
歴史が苦手だった私とはまったく異なります。
物語への関心、文脈を読む力に
驚いたりもします。
Eテレの番組で「生理」の存在を知り。
色々、衝撃を受けつつ
「私も中学生になったら子供を産めるの?」
という質問を妻にし始め。
真摯に向き合う妻の姿に感動したり。
この7月には二人の誕生祝、
結婚15周年なども兼ねて、
実に久々に家族旅行に出かけます。
沖縄に2泊3日でございます。
楽しみでしょうがないようで、
YouTubeでホテル紹介動画を
チェックする日々です。
沖縄とは何か。
日本の、世界の様々な矛盾、事情を背負った
この県について、
どう伝えようか考える日々でございます。
そんな娘の私評は、
「パパは絶対に怒らない」のだそうで。
そうか、たしかにと思った次第です。
あっという間に巣立っていくのでしょうけど。
かっこいい父親であり続けられるよう、
頑張りますかね。
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朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4571/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4572/XXXX
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
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探し方、使い方
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3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【名門男子校は
どのような性教育を行っているか?】
本のレビューの前に、『北の国から』の
話をさせてほしい。
ちゃんと本につながるので。
何度か書いている気もするが、
私にとって大事なことなのだ。
『北の国から』シリーズを愛している。
もう何度みたのだろう?
『アメトーーク!』で
『北の国から』芸人をやるなら、
優勝する自信がある。芸人じゃないけれど。
今度、家族旅行で行く沖縄は
「(漠然とした)南国の楽園イメージ」で
見られている。仕組まれたものでもあり、
人々が期待するものでもある。
実際は、日本の、いや世界の
問題、矛盾を背負い込んでいるし、
悲しい出来事がこれまでも多々あったし、
それは今も終わっていないし、
格差も差別も存在し、
「南国の楽園」と言っていいのか、
躊躇してしまう。
そのような県に家族旅行で行ってしまうのも
どうかと思うのだけど、一方で、
私たちの旅は県の経済に微力ながら貢献する。
そんな矛盾を抱えつつ私たちは生きている。
北海道出身者として、
沖縄県民が抱える悩みほど
深刻ではないかもしれないが、
その「(漠然とした)雄大な大自然イメージ」に
困惑することがある。
「いくらも、ウニもカニも美味くていいねえ」と
言われるが、あんた、そんなものは
正月くらいしか食べない。
実際は自由なようで
閉鎖的で、周りの空気を読み、受け身だった。
私の頃は。
いや、今も札幌に行くと、現地の人から
そんな悩みを打ち明けられる。
幼少期から10代は、とにかく内地に出たかった。
いや、札幌の空と空気は好きだ。
会ってくれる人はみんなあったかい。
ただ、懐かしさの一歩手前で
蘇る苦い思い出もあるわけで。
津軽海峡をわたったときの達成感は忘れられない。
これで自由になったのだ、と。
雄大な大地などと喧伝される北海道だけど、
私にはそう思えなかった。
まあ、内地に出てからも、
たくさんの嫌なことがあったのだけど。
『北の国から』は、ドラマであり
誇張された部分はもちろんあるが、
とはいえ、かなりリアルに80年代、90年代の
北海道を描いている方だと思う。
札幌の郊外の自然が多いエリア、
南区藤野で育ったので、そう思う。
藤野と富良野は発音だけでなく、
山も川もスキー場もある点などから、
似ていると感じている。
倉本聰氏は、やや現実離れした、
大自然で暮らす家族の物語を
テレビ局から期待されたそうだ。
道民が唸るドラマにしなくてはと、
徹底的に取材をした上で作品をつくったという。
実際、私は「よくぞ、私が北海道時代に
感じたことを描いてくれた」と思ったのだった。
内地コンプレックスも、閉鎖的な人間関係も、
横並び意識もすべて描いてくれている。
経済的困窮もだ。
経済的に破綻し夜逃げする友人の家族、
気づけば歓楽街すすきのので働いている女性なども出てくるが、
それもすべて、私の半径10メートルくらいで
実際に起こった。
「北海道の雄大な大自然が、子供を育てる」
なんて言われるよりも、私は共感する。
すっかり北海道のことを嫌いな人みたいな
文章になってしまったが、
激しく評価している点は、
不器用であたたかい道民が描かれている点である。
忘れられないのは、
今は亡き田中邦衛演じる五郎さんが、
吉岡秀隆演じる純、中嶋朋子演じる蛍に
「雄しべと雌しべ」のたとえで
性について教えるシーンである。
反応に困る話だが、あったかいシーンだった。
『北の国から』は性に関する物語でもある。
純は裕木奈江演じる交際相手との間に
子供が出来て中絶を選択する。
看護師の蛍は、医師と不倫をし、子供を身ごもり、
幼馴染の昌吉と結婚し、出産する
(なお、昌吉の役者は、
大工として大活躍しており、
後半出演が困難になったのも、
仕事が忙しいためだと言われている)。
私は何度も富良野にある
北の国から資料館を訪問したが、
そこでは物語には登場しない、
背景のストーリーとして、
五郎さんは交際相手との間に出来た子を
二度中絶したことが綴られている。
さて。
軽く書くつもりが、
『北の国から』の話なので、
熱くなってしまった。申し訳ない。
何の話かというと、性教育の話だ。
小1の娘は生理について知ってしまった。
今のテレビ界には、いや、
この世には志村けんがいない。
私が小学生のときのように「ポロリ」もないし、
祖父母が「チャンネルを変えよう」と
言い出す番組はそもそもないのだが、
いわゆる「性」「性交渉」だけではなく、
女性さらには男性の描かれ方で絶句するものが、
目に入ってしまうこともある。
社会的地位にしろ、見た目にしろ
この女性の描き方はどうなのか、
娘はどう思うのだろうと考えてしまうことがある。
性教育をどう考えるか?
おおたとしまさ氏の最新作
『男子校の性教育2.0』(中公新書ラクレ)を
手にとりながら、考えたい。
「性教育」というタイトルが刺激的だ。
しかも男子校の性教育である。
ただ、これは「性」や「性教育」に限らず、
日本社会とジェンダー、さらには
人権について問う意欲作である。
タイトルの2.0は新しい取り組み、
バージョンを指すものだと解釈したが、
実はある数字とイコールである。
それは日本における男子校の比率である。
そう、東大を始め難関大学合格高校では
男子校が目立つが、実は2.0%しか存在しない。
男子校は、男尊女卑、
男社会の象徴とされることもある。
最近では男子校バッシングも目立っている。
埼玉県は、公立の男子校、女子校が存在する
(しかも、トップクラスの進学校が多い)
ことで知られているが、
最近は共学化の論争が起きている。
ジェンダーに関して
論争が起こることがよくある。
人間が人間らしく生きるためにも、
論争は重ねるべきだ。
おかしいことをおかしいと言うから
世の中は少しずつ人にやさしい社会になる。
しかし、◯◯はNG、◯◯はOKというような
「叩かれない」ための議論は
人権との向き合い方が不十分だ。
モヤモヤ感がつのることも多いだろう。
本書で紹介される男子校の性教育の事例は、
いちいち刺激的でありつつ、本質的だ。
コンドームのカリスマと呼ばれる
泌尿器科医を呼び講演会を開催し、
昭和女子大学とのコラボ企画も実施する駒場東邦、
甲南女子大学の学生がやってきて議論する灘高、
男子部と女子部で家庭科合同授業をする桐朋学園
などなど、各校のユニークな取り組みに脱帽する。
性教育とは性や性交渉に関する
教育「だけ」ではない。
人間の生き方を問う取り組みだ。
さらに、正解を求めるもの、教えるものではなく、
ともに考えることが大切だ。
一方、思春期の青年が
自分の性器の大きさで悩むなど、
人に言えない悩みなどに取り組む
アクションなどまで紹介されている。
ついつい炎上を誘発するテーマだが、
実は性を問うことは
人間がどう生きるかを考えることである。
性教育に限らず、ジェンダー平等、LGBTQ+、
性的同意など、ホットな議論がここにある。
ついついYESかNOかの2択で議論しがちだが、
立ち止まって自分の頭で考えることが大切だ。
そう、常に入念な取材をもとに
信頼できる情報を届け、
読者に考えさせるおおた節は健在だ。
いま、読まれるべき本である。
10代の子供がいる人もそうだが、
ジェンダー、人権などに関心が高い人は
手にとるべき本だ。
おおたとしまさ(2024)『男子校の性教育2.0』中央公論新社
https://d.bmb.jp/9/1454/4574/XXXX
本のポイントがわかる著者インタビューはこちら
男子校の性教育から見えた日本社会の「アキレス腱」
https://d.bmb.jp/9/1454/4575/XXXX
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/4576/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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1.巻頭言
娘が7歳に
2.記事傑作選
◇インターンシップ、オープンカンパニーの
探し方、使い方
3.書評 ほんのひとこと
名門男子校が行なっている性教育とは
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【娘が7歳に】
たった今、家族で
都知事選の期日前投票に行ってきました。
選挙の度に家族で議論する。
一緒に投票に行く。
常見家が大事にしていることです。
今回の選挙については
思うことが多々あり。
ただ、私は民主主義を信じています。
微力であっても無力ではないので、
投票に行くのです。はい。
さて。
毎年、書いていることですが、
4月から5月は、自分の誕生日と、
自分の父や尊敬するミュージシャンの命日が続き。
加齢と、新しい期の始まりで、
人生について考えてしまうのですよね。
カート・コバーン、尾崎豊、
hide、忌野清志郎、
そして39歳で亡くなった父。
そりゃ人生考えますよ。
キヨシローさん以外は、
私の方が長く生きてしまったわけで。
その点、7月はハッピーで。
妻、娘の誕生日が続き。
石を投げられそうですが、
大学教員視点では夏休みが始まり。
これまた人生について考えます。
7日に、娘が7歳になります。
2017年7月7日に
予定より20日くらい早く、
最後は心拍数低下で吸引で生まれた娘。
5年間の妊活の末、
大変に星の力が強い日に生まれた娘も
7歳でございます。
早いものですね。
小学校1年生の最初の学期も
もうすぐ終わります。
親として、教育者として、日々、発見があります。
仏教系の小学校での日々は、
いつも命、自然を尊重しており。
ナイスです。
先生も、他の保護者たちも熱心です。
まるで、大学生が社会人になったときのように、
びっくりするくらい
規則正しい日々を送っています。
「朝は寝床でぐうぐうぐう」
とまるで『ゲゲゲの鬼太郎』の
ような生活を送っていた友人が
早寝早起きを繰り返し、
大手企業の本部長になったような
衝撃でございます(実話)。
6時には自ら起き、準備をし、朝ご飯を食べ。
徒歩7分の小学校なのですが、
7時50分には登校しており。
夜も決められた時間にお風呂に入り、
食事をし、9時には床に就きます。
私は兼業主夫でして。
これまで私が
ほぼすべての料理を
つくってきたわけですが。
最近は娘が勝手にクレープや、
チーズオムレツをつくるようになりました。
私の料理の中では、最近のお気に入りは
「金目鯛の煮付け」
「牛肉のしゃぶしゃぶ」
「デミグラスチーズオムライス」
「タチウオのムニエル(近所に住む先輩から
釣ったタチウオを頂きました 感謝)」
「ベーコン包カマンベールチーズ」のようです。
大河ドラマに夢中で。
『光る君に』を毎週、楽しみにしております。
「読売KODOMO新聞」を読み始めましたが、
ここでも歴史関連のコーナーに夢中で。
両親が歴史学者なのに
歴史が苦手だった私とはまったく異なります。
物語への関心、文脈を読む力に
驚いたりもします。
Eテレの番組で「生理」の存在を知り。
色々、衝撃を受けつつ
「私も中学生になったら子供を産めるの?」
という質問を妻にし始め。
真摯に向き合う妻の姿に感動したり。
この7月には二人の誕生祝、
結婚15周年なども兼ねて、
実に久々に家族旅行に出かけます。
沖縄に2泊3日でございます。
楽しみでしょうがないようで、
YouTubeでホテル紹介動画を
チェックする日々です。
沖縄とは何か。
日本の、世界の様々な矛盾、事情を背負った
この県について、
どう伝えようか考える日々でございます。
そんな娘の私評は、
「パパは絶対に怒らない」のだそうで。
そうか、たしかにと思った次第です。
あっという間に巣立っていくのでしょうけど。
かっこいい父親であり続けられるよう、
頑張りますかね。
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【名門男子校は
どのような性教育を行っているか?】
本のレビューの前に、『北の国から』の
話をさせてほしい。
ちゃんと本につながるので。
何度か書いている気もするが、
私にとって大事なことなのだ。
『北の国から』シリーズを愛している。
もう何度みたのだろう?
『アメトーーク!』で
『北の国から』芸人をやるなら、
優勝する自信がある。芸人じゃないけれど。
今度、家族旅行で行く沖縄は
「(漠然とした)南国の楽園イメージ」で
見られている。仕組まれたものでもあり、
人々が期待するものでもある。
実際は、日本の、いや世界の
問題、矛盾を背負い込んでいるし、
悲しい出来事がこれまでも多々あったし、
それは今も終わっていないし、
格差も差別も存在し、
「南国の楽園」と言っていいのか、
躊躇してしまう。
そのような県に家族旅行で行ってしまうのも
どうかと思うのだけど、一方で、
私たちの旅は県の経済に微力ながら貢献する。
そんな矛盾を抱えつつ私たちは生きている。
北海道出身者として、
沖縄県民が抱える悩みほど
深刻ではないかもしれないが、
その「(漠然とした)雄大な大自然イメージ」に
困惑することがある。
「いくらも、ウニもカニも美味くていいねえ」と
言われるが、あんた、そんなものは
正月くらいしか食べない。
実際は自由なようで
閉鎖的で、周りの空気を読み、受け身だった。
私の頃は。
いや、今も札幌に行くと、現地の人から
そんな悩みを打ち明けられる。
幼少期から10代は、とにかく内地に出たかった。
いや、札幌の空と空気は好きだ。
会ってくれる人はみんなあったかい。
ただ、懐かしさの一歩手前で
蘇る苦い思い出もあるわけで。
津軽海峡をわたったときの達成感は忘れられない。
これで自由になったのだ、と。
雄大な大地などと喧伝される北海道だけど、
私にはそう思えなかった。
まあ、内地に出てからも、
たくさんの嫌なことがあったのだけど。
『北の国から』は、ドラマであり
誇張された部分はもちろんあるが、
とはいえ、かなりリアルに80年代、90年代の
北海道を描いている方だと思う。
札幌の郊外の自然が多いエリア、
南区藤野で育ったので、そう思う。
藤野と富良野は発音だけでなく、
山も川もスキー場もある点などから、
似ていると感じている。
倉本聰氏は、やや現実離れした、
大自然で暮らす家族の物語を
テレビ局から期待されたそうだ。
道民が唸るドラマにしなくてはと、
徹底的に取材をした上で作品をつくったという。
実際、私は「よくぞ、私が北海道時代に
感じたことを描いてくれた」と思ったのだった。
内地コンプレックスも、閉鎖的な人間関係も、
横並び意識もすべて描いてくれている。
経済的困窮もだ。
経済的に破綻し夜逃げする友人の家族、
気づけば歓楽街すすきのので働いている女性なども出てくるが、
それもすべて、私の半径10メートルくらいで
実際に起こった。
「北海道の雄大な大自然が、子供を育てる」
なんて言われるよりも、私は共感する。
すっかり北海道のことを嫌いな人みたいな
文章になってしまったが、
激しく評価している点は、
不器用であたたかい道民が描かれている点である。
忘れられないのは、
今は亡き田中邦衛演じる五郎さんが、
吉岡秀隆演じる純、中嶋朋子演じる蛍に
「雄しべと雌しべ」のたとえで
性について教えるシーンである。
反応に困る話だが、あったかいシーンだった。
『北の国から』は性に関する物語でもある。
純は裕木奈江演じる交際相手との間に
子供が出来て中絶を選択する。
看護師の蛍は、医師と不倫をし、子供を身ごもり、
幼馴染の昌吉と結婚し、出産する
(なお、昌吉の役者は、
大工として大活躍しており、
後半出演が困難になったのも、
仕事が忙しいためだと言われている)。
私は何度も富良野にある
北の国から資料館を訪問したが、
そこでは物語には登場しない、
背景のストーリーとして、
五郎さんは交際相手との間に出来た子を
二度中絶したことが綴られている。
さて。
軽く書くつもりが、
『北の国から』の話なので、
熱くなってしまった。申し訳ない。
何の話かというと、性教育の話だ。
小1の娘は生理について知ってしまった。
今のテレビ界には、いや、
この世には志村けんがいない。
私が小学生のときのように「ポロリ」もないし、
祖父母が「チャンネルを変えよう」と
言い出す番組はそもそもないのだが、
いわゆる「性」「性交渉」だけではなく、
女性さらには男性の描かれ方で絶句するものが、
目に入ってしまうこともある。
社会的地位にしろ、見た目にしろ
この女性の描き方はどうなのか、
娘はどう思うのだろうと考えてしまうことがある。
性教育をどう考えるか?
おおたとしまさ氏の最新作
『男子校の性教育2.0』(中公新書ラクレ)を
手にとりながら、考えたい。
「性教育」というタイトルが刺激的だ。
しかも男子校の性教育である。
ただ、これは「性」や「性教育」に限らず、
日本社会とジェンダー、さらには
人権について問う意欲作である。
タイトルの2.0は新しい取り組み、
バージョンを指すものだと解釈したが、
実はある数字とイコールである。
それは日本における男子校の比率である。
そう、東大を始め難関大学合格高校では
男子校が目立つが、実は2.0%しか存在しない。
男子校は、男尊女卑、
男社会の象徴とされることもある。
最近では男子校バッシングも目立っている。
埼玉県は、公立の男子校、女子校が存在する
(しかも、トップクラスの進学校が多い)
ことで知られているが、
最近は共学化の論争が起きている。
ジェンダーに関して
論争が起こることがよくある。
人間が人間らしく生きるためにも、
論争は重ねるべきだ。
おかしいことをおかしいと言うから
世の中は少しずつ人にやさしい社会になる。
しかし、◯◯はNG、◯◯はOKというような
「叩かれない」ための議論は
人権との向き合い方が不十分だ。
モヤモヤ感がつのることも多いだろう。
本書で紹介される男子校の性教育の事例は、
いちいち刺激的でありつつ、本質的だ。
コンドームのカリスマと呼ばれる
泌尿器科医を呼び講演会を開催し、
昭和女子大学とのコラボ企画も実施する駒場東邦、
甲南女子大学の学生がやってきて議論する灘高、
男子部と女子部で家庭科合同授業をする桐朋学園
などなど、各校のユニークな取り組みに脱帽する。
性教育とは性や性交渉に関する
教育「だけ」ではない。
人間の生き方を問う取り組みだ。
さらに、正解を求めるもの、教えるものではなく、
ともに考えることが大切だ。
一方、思春期の青年が
自分の性器の大きさで悩むなど、
人に言えない悩みなどに取り組む
アクションなどまで紹介されている。
ついつい炎上を誘発するテーマだが、
実は性を問うことは
人間がどう生きるかを考えることである。
性教育に限らず、ジェンダー平等、LGBTQ+、
性的同意など、ホットな議論がここにある。
ついついYESかNOかの2択で議論しがちだが、
立ち止まって自分の頭で考えることが大切だ。
そう、常に入念な取材をもとに
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読者に考えさせるおおた節は健在だ。
いま、読まれるべき本である。
10代の子供がいる人もそうだが、
ジェンダー、人権などに関心が高い人は
手にとるべき本だ。
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