常見陽平メルマガ『陽平界通信』第301号 学齢、ロックフェス論争の共通点/マナー問題
2024/08/28 (Wed) 06:55
◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第301号
◆◆ 2024.8.28 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
学歴、ロックフェス論争の奇妙な共通点
2.記事傑作選
◇夫が本社から異動“妻の大黒柱化”
3.人生相談バカ一代
マナーが気になる
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【学歴、ロックフェス論争の奇妙な共通点】
殺害予告が届きましたが、私は元気です。
先週末、把握している限り、国内5つの医療機関に
爆破予告、医師の殺害予告とともに、
なぜか常見陽平を包丁で刺すという連絡があり。
回避するためには、100万円を振り込め、と。
私は論者なので、いつ刺されるか分からない
という覚悟で仕事をしています。
いや、そもそも論者を物理的に刺そうとする
社会がおかしいのですけど。
いつ刺されても大丈夫なように、筋トレと、
刺す前に怖気づくように、
威圧感のあるルックスになるよう
頑張っています。
なんせ、医療機関、医療重視者に対する威嚇は
どうしたものかと。
絶句しました。
お陰様で、まだ生きています。
昨日、死んだ人が生きられなかった
今日という日、この時間を大切にしています。
さて。
この1ヶ月くらい、
学歴、そしてロックフェスに関して論争
(のようなもの)が巻き起こっていました。
全部は追いきれていないのですが(すみません)。
妙な共通点を発見してしまったので、共有しますね。
学歴論争(のようなもの)は
何度もSNS上で盛り上がります。
就活において学校名でふるいにかける
学歴フィルターの存在、その際に
採用される学校とそうではない学校の名前、
各種大学のランキング、
東大など名門とされる大学の学生の実態、
Fランク大学と呼ばれる偏差値が低く
選抜度の低い大学やその学生を揶揄する論、
さらには入試のあり方
(特に推薦入試や◯◯枠をめぐる賛否)、
学歴ロンダリングと呼ばれる
大学の学部よりも難易度の高い大学院に
(簡単に?)入ることの問題、さらに、
有名大学での不祥事関連など、
まあいろいろあります。
学歴論争(のようなもの)に関して
大学論のような話になり。
「日本の大学は問題だ」
という話になるのですが、
この論もまたその意味が実は異なり
「東大、京大では世界の大学に勝てない」
という話や
「Fランク大学など潰れてしまえ」
という話など
どの意味で言っているのかが、
分からない、切り分けられていないのですよね。
「大学は問題だ」
と言ったときに、
教育のことを言っているのか、
研究のことを言っているのか、
ガバナンスのことを言っているのか、
その財務基盤のことを言っているのか、
将来性のことを言っているのか、
大学生活のことを言っているのか、
もう、よく分からないわけです。
「少子化が進む中、日本には大学が
多すぎる。淘汰されるのは当然だ」
という話にもなりますし、
一見すると正論なのですが、
分野、地域などを考えると
むしろ、足りないという見方もあるわけで。
また、これまでの18歳入学主義の前提での
教育機関としては数が多いかもしれないものの、
研究機関として考えるとどうか
という議論もあるわけです。
関連して
「同じ職場に東大出身がいるが使えない」
「同僚にFランク大学出身者がいるが、
東大よりよっぽど優秀だ」
というような、理論でもなんでもない
持論が展開されたりもするわけです。
さらには、
「最近の大学生は、
いまいち迫力がない」
というような、印象をもとにした論まで。
ただ、誰もが何かを言いたくなる、
それが大学というものなのでしょう。
「ぼくのかんがえるさいきょうのだいがく」論
が跋扈するわけです。
・・・例によって、前書きが
長くなってしまいました。
この1ヶ月くらいでは、
京大生のYouTuberが龍谷大学の学生をいじる
動画を投稿した件や、
大学院進学による
「学歴ロンダリング」論争などが
SNS上で話題になりました。
前者に関連した問題で、私は
堀潤さんのMXテレビ
「モーニングFLAG」に呼ばれ、
茂木健一郎さん、能條桃子さん、白井智子さんと
議論しました。
なかなかの反響だったのですが、
この問題に向き合っているものとして
不完全燃焼感がありました。
番組出演時に作成したメモをもとに、
問題意識をお届けしますね。
端的にいうと、学歴にしろ、偏差値にしろ、
その言葉の意味、定義を分かっているか、
現状を把握しているかという話なのですよね。
理想を語ることは大切であり、
むしろやるべきだと思う前提で、
自分の考える古き良き大学像から
いったん離れて、
現実をみる、と。
学歴を語る際に、いつの間にか「大学名」
およびその序列の話になっていますけど、
これは学歴のごく一部で、
タテの学歴である最終学歴
(中卒、高卒、専門卒、高専卒、大卒、院卒)と、
横の学歴である出身校(◯◯大学卒)、
さらには学部、学科、専攻、入学手段、
学習(修)成果などを分けて
検討しなくてはいけないのに、
なんとなく大学名の話になっているのですよね。
非常にラフな言い方をすると、大学名じゃんけんですわ。
また、
「学歴」と「偏差値」は概念が異なるのですよね。
「脱・偏差値の大学選び」論は
大学の設置基準が大綱化された1992年から
何度も起こっていますし、
そもそも大学のあり方については、
福沢諭吉や大隈重信、新島襄などが
学校づくりに関わっていた頃から
議論されてきました。
「偏差値」ですけど、一般入試はもちろん、
それ以外で受験する人も、受験先を選ぶための
「目安」として使われるのですよね。
指定校推薦などでは
評定平均値が提示されるのですが、
たとえ評定平均値をこえていたとしても、
どの生徒を推薦するべきか、
目安として使われるわけで。
偏差値は受験生の達成感、
納得感にもつながりますし、大学としても、
ブランディングなどにつながる部分はあります。
この偏差値はあくまで分布の話で。
そもそも少なくとも40年くらい
「脱・偏差値」
「個性重視・尊重」
が叫ばれ続けてきても
根強く、指標として、ツールとして
残っている点には注目しなくてはなりません。
一方で、偏差値をもとにした
大学の序列を語るわりには
現状の偏差値を意外に知らなかったり、
するのですよね。
併願し、両方合格した際に
選ぶ学校にも変化が見られるわけで。
看板学部が入れ替わった大学もありますし。
これまでの偏差値をめぐる議論は、
難関校と、下位校をめぐる議論が中心でした。
さらには、
大学が上がったのか、下がったのかなど。
それを第三者がいじりネット炎上するわけです。
ただ、高校生、保護者、高校の進路指導担当という
受験側の視点、大学側の視点で考えると
見え方が変わります。
なお、よく「◯◯大学は偏差値が上がっている」
といいますが、
上がればいいというわけではないのですよね。
上がって、応募者数および入学者数が
増えるかどうかは別問題です。
また、上がったあと、下がるなど
乱高下する学校、学部は
進路指導担当の先生も、
高校生も選びにくいわけです。
下がりすぎると、
進路指導の先生が勧めなくなるわけで。
大学側は偏差値マネジメントが
必要となるわけです。
よくあるSNS上での学歴炎上や
論争(のようなもの)は、
大学の実態を捉えていないものが多く。
また、偏差値について語っているようで、
実際の数値などおさえておらず、
イメージで語っているのですよね。
そして、入試形式による難易度、さらには
大学院による学歴ロンダリング論なども
これまたナンセンスで。
前者において、大学は
多様な学生をとろうとしているわけで、
(学生の、確保という側面もあります)
後者においても、もう進学の目的、
教育機関として果たす役割が違うわけで。
なお、大学→大学院の難易度の差による
学歴ロンダリングは話題となる一方で、
付属の小中高がある大学の偏差値や
難易度の格差については、ほぼ論じられません。
保身のために、具体名はあげませんけれども、
ちょっと調べてみると、
小中高の受験難易度、ブランド力に比べ、
大学のそれにギャップがある学校法人は
いくらでもあるわけです。
つまり、小中高は名門と言われるけれど、
大学はそうでもない、という。
大学→大学院の
学歴ロンダリングばかり論じられますが、
そもそも、みんな「大学」の偏差値、ブランド力
だけで論じていないか、と。
学校法人全体で、小中高大すべてに
ブランド力がある慶應、青学などがある一方で
「中高は名門だけど、大学は・・・」
「中高からの内部進学志望者が少ない」
という学校法人の例は多数あるわけです。
ただ、これもまた考えようで。
その学校法人で、小中高大と学ぶことで
完成していく学び、世界観もあるわけですよね。
こう考えると、大学院進学による
学歴ロンダリング論はナンセンスだな、と。
よくある大学および大学生劣化論、
大学の大衆化、さらには必ずしも勉強をせず
偉そうな東大生像などについては、
戦前から話題となっていたのですよね。
「では、どうやって学校を選ぶのか?」
という話になるわけですが、
情報収集するだけではなく、
その判断基準を考えて決めるのが
学校選びの大事なポイントなのですね。
これは様々な基準があり、
進路情報メディアなどをみつつ
オープンキャンパスや
学園祭訪問などをしつつ考えて欲しいですし、
その学校がこれまで積み重ねてきた歴史、
その学校を出てからの80年も含めて考えて欲しいですが、
「どんな(普通に卒業すると)4年間」が待っているか
ということも考えてほしいな、と。
いや、これ自体は誰でも言うことなのですけど、
より具体的に、来年入学するとしたならば、
「2025年に入学し、2029年に卒業するまでに
どんな時間を過ごせそうか」と考えてみると
わかりやすいです。
つまり、この時期のその大学・学部が
魅力的なのかどうか、
場が滾っているのかどうか、という。
その時期に、どんな先生がいて、
どんなカリキュラム、プログラムが用意されていて
大学生の活動がどれくらい盛り上がっているか、
という点にも注目してもらいたいですね。
「そんなこと、わかるのかよ」
という話になりますけど、
大学に足を運んでみましょうよ、
その大学・学部に在籍している先生に興味を持ちましょうよ、
という。
たとえば、学部の新設、再編が行われ、そこに
学校法人が浮沈をかけているという状態も、
滾っている状態と言えます。
もちろん、前述したように
その大学や学生、教員が積み重ねてきたもの
その大学を出たあとの80年の人生がどうなりそうか
など、考えるべき点は多数ありますが。
ちなみに、娘は私立小学校に通っているのですが、
選ぶ基準として大事にしたのは、先生、場でした。
いや、そもそも、国立大附属小学校を
受けてみようというところから始まったのですが、
抽選ですべて落ち。
でも、せっかく対策をしたから、公立ではない
小学校に入れようという話になり。
願書をもらいに行く際に、妻が校長先生と
会う機会があり。もともと、小学校受験の世界では
評価が高く、評判のよい校長先生だったのですが。
この先生が在籍している期間に、娘を通わせたい、と。
学校のイベントで他の保護者の方々に会ってみても
ラベルよりも、教育の内容にこだわる保護者の方が多く、
ああ、私達に合っていたなあ、と。
保護者の熱を感じ。
なんせ、生徒や教員の皆さんの熱を感じ。
滾ってる場だな、と。
話が拡散しましたが、
要するにどのような現実をみて、
議論するかという話で。
学歴批判にしても、その論争のようなものにしても
「ぼくのかんがえるさいきょうのだいがく」論という
理論でもなんでもない持論から少し離れて
議論しましょうよ、という話です。
そうそう、最後に。
出演した番組でもそうなのですが
「学歴など関係ない」という議論もまた
乱暴だと思うのです。
番組の録画を見返した後に、
他のコメンテーターの発言を振り返り、
違和感をおぼえた点はそこです。
まず、個性重視・尊重などを叫びつつ、
「有名大学でなくても、こんなに優秀な人はいる」
みたいな論というのは
結局、仕事がデキるかどうか、何か成果を出せるかどうか
という視点で人をみている点で偏っています。
また、「学校歴(学校名)」はともかく
「学習歴」は尊重するべきで。
いかに日本の教育に問題がある
(という問題は何を問題にしているのか、
という問題もありますけど)
としても、学んだ経験に
無頓着であることも、また問題です。
さらに、大学院による「学歴ロンダリング」
については、逆に出身大学よりも
ずっと(学部の)偏差値が低い大学院に
進学する人もいるわけで。
指導する先生や、プログラムで選ぶわけですよね。
こういう点をスルーした議論は雑です。
そして、どの(難易度の高い、有名な)大学を出たか
どうかは、必ずしも学力や、それを上げるための
努力だけではなく。保護者の方針というものもあり。
特に難関大学や、一人暮らしを伴う(たとえば、
地方から都市部への進学)進学について
子供が女性だった場合に保護者はどうしているのか
という問題が最近、よく指摘されているわけで。
私の年齢くらいだと、「女には大学はいらない」と
親が娘に言い渡した家庭もあるわけです。
様々な視点で物事を見なくてはならないのに、
SNS上の議論は、持論、さらにはアテンション
によりすぎていて、雑だなと思う次第です。はい。
・・・ロックフェス、夏フェスの話もさせてください。
ロックフェス、いや音楽フェスに関してもそうで。
この夏、フジロックが動員を落とす一方、
内容では絶賛の声多数で。
サマソニは、東京はSOLD OUTだったのですが、
そのサマソニは、アイドルが多かったこと、
来日アーティストのステージの集客が
芳しくなかったことなどが話題となりました。
ただ、
ロックのアーティストが少ないという件ですけど、
便宜上、「ロック」フェスという名前が
広がっているわけですけど、
もう初期段階から必ずしも
「ロックだけ」のフェスではなかったわけで。
ここ数年、ジャンルが
ますます多様になっているわけですが、
その動きはコロナ前から、
いや10年以上前からあったと記憶しています。
アイドルグループといえば、
セクシータレント(いわゆるAV女優)で
結成されたユニット、恵比寿★マスカッツの
ステージがあった時代や
トリビュートバンドのステージもあり。
まだ子供が生まれる前で、妻と一緒に観て、
そうか、ここまで多様性にふりきった
フェスなのかと思ったわけです。
また、ビジネスの成功と、内容の充実は
それぞれ考えなくてはなりませんけど、
ビジネスとして成功しているという点は
スルーしてはいけないわけで。悩ましいですね。
一方、2つの問題ともに、
現実がこうだから仕方ないだろと
いうつもりはありません。
現実をみた上での理想の話も大切なわけで。
ただ、SNS上の議論は結論ありき、
目立つ意見ありきなので、偏るのです。
まあ、この件、何度も蒸し返されてきたので、
今後も続くでしょうね。
さて!
新しいセミナーのご案内です。
10月にインバスケット研究所の
セミナーに登壇しますよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4642/XXXX
9月7日は東邦大学で、中高生のお子様がいる保護者向けに講演しますよ。
昨年、大好評だった企画です。
最近の大学事情を知りたい方にもぴったりです。
https://d.bmb.jp/9/1454/4643/XXXX
そして、
今年も9月から石川県金沢市にて
いしかわ採強道場を開催します!
https://d.bmb.jp/9/1454/4644/XXXX
石川県内企業の採用力を高めるための道場です。
昨年同様、
首都圏の求職者も連れていきますよ。
求職者の本音を聞く機会もありますよ。
9月8日は
学部のイベントOTOIRO祭でライブ演奏
https://d.bmb.jp/9/1454/4645/XXXX
9月22日は大久保でワンマンライブですよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4646/XXXX
↓9月22日に出演するバンドの、最近のリハです。仕上がってます。
https://d.bmb.jp/9/1454/4647/XXXX
11月には待望の(?)5年ぶりの新作をリリースします。お待たせしている本がそれ以降も続々、出る予定です。
というわけで、殺害予告があってから、
より一生懸命、生きよう、何かを残そうという
気になってきました。
今日が人生で一番若い日!
楽しくいきましょう。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4648/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4649/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
「僕なんかより将来性は高い」
妻の住む東京に大阪本社から異動した夫。
“妻の大黒柱化”で
世帯年収2000万円超えも目前に
https://d.bmb.jp/9/1454/4650/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━
3.人生相談バカ一代
━━━━━━━━━━━━━◆◆
【マナー問題】
Q.同じ職場の人のマナーが気になる
以前、新潟で先生の講演を拝聴しました。
5年前にも一度、メールを送らせて頂きました。
まずは、常見陽平メルマガ『陽平界通信』
第300号配信、誠におめでとうございます。
さて、相談させていただく前に
背景がわかって頂けるよう、
自己紹介を少しさせていただきます。
現在65歳です。
現在2度の退職(60歳、65歳)をして、
この春から嘱託ですが
週5のフルで勤務しています。
65歳前までと同じ仕事をしています。
住宅関連の大手企業の
グループ会社に勤務しています。
恥ずかしい話ですが、
ちょっと相談に乗って頂きたいと思います。
いつも直行で現場に行っています。
事務所に戻ってデスクワークをしますが、
そこで嫌な光景を見ます。
最近入社した60歳の新入社員(女性)と、
もうすぐ60歳になる設計(男性)と、
21~22歳の事務員(女性)が
頬杖をついて仕事をしています。
頬杖をつきながら
PCのキーボードを叩いているのは、
決して真剣に仕事をしている姿には見えません。
所長がいない時がほとんどですが、
いてもやる時もあると思います。
所長が何も言わないのもどうかと思います。
これは若い事務員さん。
他に自席で髪をとかす(ブラッシングする)、
その前に髪を束ねない。
「です」や「ます」が言えない。
私の考えるマナーと離れています。
妻は見ないようにする、
気にしないようにすればと言います。
会社は、
仕事ができればそれでいいのかもと言います。
私の心の平穏が保てません。
どうしたら良いでしょうか?
常見先生のご意見を頂けたら有難いです。
(新潟県在住 男性 65歳)
A.マナーを様々な視点から考えましょう
お久しぶりです。
ご相談ありがとうございます。
メルマガ、ご愛読感謝です。
マナー問題ですね。
この件、何を問題とするか、どう指摘するか、
悩ましいですね。
仕事上で日常的に若者と接する生活を
もう20年くらい送っているわけですが、
「マナーが悪い」
「マナーがなっていない」
という問題は切り分けなくてはならず。
「マナーを知らない」
のか
「学んだマナーを実行していない」
のか
と
問題を分けなくてはならないのですね。
また、このマナーというものは
更新されていくものなのですよね。
先に私自身の似たような経験の話をしますね。
私自身、人のマナーについて
不愉快に思ったりすることがよくあります。
若い人や
ベンチャー企業勤務の人と会うと
「わあ、なってないな」
「教えてもらう機会がなかったのかな」
「恥ずかしくないのかな」
と感じるわけです。
実は仕事上で接点のある大学教職員に関しても、
そう感じるっこともよくあるのです、うちの大学に限らず。
一見するとかたい世界のようで、世間の常識と
離れているなと思う瞬間はよくあるわけです。
私の最初の勤務先、リクルートの
通信関連の事業部は、今考えると
だいぶマナーに厳しかったと思います。
新入社員時代、上司・先輩に厳しく叱られたのは
「お客様への手紙、メールでは”下さい”ではなく
”ください”をつかえ。お客様に下という漢字を使うな。
第一、下さいはモノをおねだりするときに使う言葉であり、
促す際には使わない」
「午前中にお疲れ様と言うのはやめろ。疲れていないだろ。
失礼だ」
という点などでした。
営業のロープレ(ロールプレイング)などでも
お客様への言葉遣い、マナーが適切か、
相手にとって信頼されるかどうかという点で
マナーを叩き込まれました。
「お客様の前で使うものは、良いものを使え、マナーだ」と言われ。
あまり収入が高くない時代から、服、アクセサリに
お金をかけてきたのは、実はその指導の影響もあります。
家庭、学校、最初の会社で学ぶ「当たり前基準」
って大事だと思うのです。
私、家庭で教えられたのか、自ら学んだのか、
様々な人生の先輩から学んだのか、
いつも大事にしている
マナーというものがあります。
たとえば、それは
着座して洋食を食べる際は皿を持たない、
ノーネクタイの際はシャツのボタンを一つあける、
長袖シャツだけで人前には出ず、
可能な限りジャケットを羽織る、などのものです。
また、人前で化粧をする、
ヘアメイクをするなどの行為にも
違和感を抱く派です。
なお、人前での化粧は、
娼婦の仕草で
これは避けるべきだと
10代前半の頃、マナーに関する記事で読みました。
今思うと、これこそ、セックスワーカーへの
偏見そのものですよね。すみません。
皿を持って食べるにしろ、人前での化粧にしろ、
悪いマナーだと捉えるのは、
周りでは私だけのようでして。
職業柄、学生たちが
食事をする様子を
学食などで見る機会が多いのですけど、
皿を持たずに食べるということを
実践している人は少ないわけです。
人前での化粧にしても、
時間も場所もないという
そういう環境の問題もあるのではないか、と。
一方、
このようなマナーを知り実践してきた一方で、
社会のルールがわからず戸惑ったことや、
あとで「あれは非常識だったんだ」と
気付いたこともあります。
たとえば、就活中、私はスーツとワイシャツ、
ネクタイなら何でも良いと思い、
先生や先輩からもらったストライプのスーツや、
ブレザー、さらには派手めのネクタイ、
青いシャツで就活をしていました。
企業に訪問する際に、服装について質問され、
先生や先輩からもらった、自分では
おしゃれだと思っているなどと答えてきました。
その選考に通ったりもしたわけですが、
そうか、リクルートスーツだったのか、と。
ご相談内容に戻ります。
頬杖をつくという件については、
周りに人がいるのか、
さらにはそれがお客様なのかどうかで
判断が分かれるかと思います。
また、どの時点で
頬杖をついているかにもよるでしょうね。
考えごとなどをする際に
その方が楽という人もいるかもしれません。
言葉遣いについては、
学ぶ機会がなかったのでしょうね。
もっとも、それを注意する人がいなかったことを
どう捉えるのかも悩ましいところです。
周りの人もそれを当然と思っていたのかどうか。
時代の変化、さらには生きてきた環境の違い、
それを周りの人がどう思うか。
これらでマナーに対する判断は分かれます。
この件、叱るわけでも、指摘するわけでもなく、
まずはなぜなのか、この人たちに
関心を持つことから始めると良いと思います。
なぜ、そうするのか、と。
その上で、私はこう思う、と。
あとは、
お客様や周りの人がどう思っているかですね。
お客様にはなかなか質問できないかと思うので、
信頼できそうな人、数名に
「あのマナーについてどう思うか?
私は違和感を抱くのだけど」と
伝えてみるとよいのではないでしょうか。
マナーは更新され続けます。
たとえば、最近のマナーに関する記事では
「つまらないものですが」という言い方で
お土産を渡すのは、やめた方がいいと指摘されています。
つまらないものを渡すことは失礼ではないか、と。
「美味しいものなので、ぜひ」と渡す方が気持ちいい、とも。
また、お客様に訪問する際、出る際のコートは
別に脱がなくてもよいという考えもあるそうで。
最近では「どうぞ、コートを着てください」と
促す人もいますね。
このような問題は
今後も起こり続けるのでしょうね。
非常識ではなく、異常識の時代です。
相手にとって、自分にとってどうなのか。
問い続けたいです。
違和感を抱くそのたびに、みんなで立ち止まり考えたいです。
はい。
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ペンネーム(実名も可)、
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いや、そもそも論者を物理的に刺そうとする
社会がおかしいのですけど。
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どうしたものかと。
絶句しました。
お陰様で、まだ生きています。
昨日、死んだ人が生きられなかった
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さて。
この1ヶ月くらい、
学歴、そしてロックフェスに関して論争
(のようなもの)が巻き起こっていました。
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学歴論争(のようなもの)は
何度もSNS上で盛り上がります。
就活において学校名でふるいにかける
学歴フィルターの存在、その際に
採用される学校とそうではない学校の名前、
各種大学のランキング、
東大など名門とされる大学の学生の実態、
Fランク大学と呼ばれる偏差値が低く
選抜度の低い大学やその学生を揶揄する論、
さらには入試のあり方
(特に推薦入試や◯◯枠をめぐる賛否)、
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大学の学部よりも難易度の高い大学院に
(簡単に?)入ることの問題、さらに、
有名大学での不祥事関連など、
まあいろいろあります。
学歴論争(のようなもの)に関して
大学論のような話になり。
「日本の大学は問題だ」
という話になるのですが、
この論もまたその意味が実は異なり
「東大、京大では世界の大学に勝てない」
という話や
「Fランク大学など潰れてしまえ」
という話など
どの意味で言っているのかが、
分からない、切り分けられていないのですよね。
「大学は問題だ」
と言ったときに、
教育のことを言っているのか、
研究のことを言っているのか、
ガバナンスのことを言っているのか、
その財務基盤のことを言っているのか、
将来性のことを言っているのか、
大学生活のことを言っているのか、
もう、よく分からないわけです。
「少子化が進む中、日本には大学が
多すぎる。淘汰されるのは当然だ」
という話にもなりますし、
一見すると正論なのですが、
分野、地域などを考えると
むしろ、足りないという見方もあるわけで。
また、これまでの18歳入学主義の前提での
教育機関としては数が多いかもしれないものの、
研究機関として考えるとどうか
という議論もあるわけです。
関連して
「同じ職場に東大出身がいるが使えない」
「同僚にFランク大学出身者がいるが、
東大よりよっぽど優秀だ」
というような、理論でもなんでもない
持論が展開されたりもするわけです。
さらには、
「最近の大学生は、
いまいち迫力がない」
というような、印象をもとにした論まで。
ただ、誰もが何かを言いたくなる、
それが大学というものなのでしょう。
「ぼくのかんがえるさいきょうのだいがく」論
が跋扈するわけです。
・・・例によって、前書きが
長くなってしまいました。
この1ヶ月くらいでは、
京大生のYouTuberが龍谷大学の学生をいじる
動画を投稿した件や、
大学院進学による
「学歴ロンダリング」論争などが
SNS上で話題になりました。
前者に関連した問題で、私は
堀潤さんのMXテレビ
「モーニングFLAG」に呼ばれ、
茂木健一郎さん、能條桃子さん、白井智子さんと
議論しました。
なかなかの反響だったのですが、
この問題に向き合っているものとして
不完全燃焼感がありました。
番組出演時に作成したメモをもとに、
問題意識をお届けしますね。
端的にいうと、学歴にしろ、偏差値にしろ、
その言葉の意味、定義を分かっているか、
現状を把握しているかという話なのですよね。
理想を語ることは大切であり、
むしろやるべきだと思う前提で、
自分の考える古き良き大学像から
いったん離れて、
現実をみる、と。
学歴を語る際に、いつの間にか「大学名」
およびその序列の話になっていますけど、
これは学歴のごく一部で、
タテの学歴である最終学歴
(中卒、高卒、専門卒、高専卒、大卒、院卒)と、
横の学歴である出身校(◯◯大学卒)、
さらには学部、学科、専攻、入学手段、
学習(修)成果などを分けて
検討しなくてはいけないのに、
なんとなく大学名の話になっているのですよね。
非常にラフな言い方をすると、大学名じゃんけんですわ。
また、
「学歴」と「偏差値」は概念が異なるのですよね。
「脱・偏差値の大学選び」論は
大学の設置基準が大綱化された1992年から
何度も起こっていますし、
そもそも大学のあり方については、
福沢諭吉や大隈重信、新島襄などが
学校づくりに関わっていた頃から
議論されてきました。
「偏差値」ですけど、一般入試はもちろん、
それ以外で受験する人も、受験先を選ぶための
「目安」として使われるのですよね。
指定校推薦などでは
評定平均値が提示されるのですが、
たとえ評定平均値をこえていたとしても、
どの生徒を推薦するべきか、
目安として使われるわけで。
偏差値は受験生の達成感、
納得感にもつながりますし、大学としても、
ブランディングなどにつながる部分はあります。
この偏差値はあくまで分布の話で。
そもそも少なくとも40年くらい
「脱・偏差値」
「個性重視・尊重」
が叫ばれ続けてきても
根強く、指標として、ツールとして
残っている点には注目しなくてはなりません。
一方で、偏差値をもとにした
大学の序列を語るわりには
現状の偏差値を意外に知らなかったり、
するのですよね。
併願し、両方合格した際に
選ぶ学校にも変化が見られるわけで。
看板学部が入れ替わった大学もありますし。
これまでの偏差値をめぐる議論は、
難関校と、下位校をめぐる議論が中心でした。
さらには、
大学が上がったのか、下がったのかなど。
それを第三者がいじりネット炎上するわけです。
ただ、高校生、保護者、高校の進路指導担当という
受験側の視点、大学側の視点で考えると
見え方が変わります。
なお、よく「◯◯大学は偏差値が上がっている」
といいますが、
上がればいいというわけではないのですよね。
上がって、応募者数および入学者数が
増えるかどうかは別問題です。
また、上がったあと、下がるなど
乱高下する学校、学部は
進路指導担当の先生も、
高校生も選びにくいわけです。
下がりすぎると、
進路指導の先生が勧めなくなるわけで。
大学側は偏差値マネジメントが
必要となるわけです。
よくあるSNS上での学歴炎上や
論争(のようなもの)は、
大学の実態を捉えていないものが多く。
また、偏差値について語っているようで、
実際の数値などおさえておらず、
イメージで語っているのですよね。
そして、入試形式による難易度、さらには
大学院による学歴ロンダリング論なども
これまたナンセンスで。
前者において、大学は
多様な学生をとろうとしているわけで、
(学生の、確保という側面もあります)
後者においても、もう進学の目的、
教育機関として果たす役割が違うわけで。
なお、大学→大学院の難易度の差による
学歴ロンダリングは話題となる一方で、
付属の小中高がある大学の偏差値や
難易度の格差については、ほぼ論じられません。
保身のために、具体名はあげませんけれども、
ちょっと調べてみると、
小中高の受験難易度、ブランド力に比べ、
大学のそれにギャップがある学校法人は
いくらでもあるわけです。
つまり、小中高は名門と言われるけれど、
大学はそうでもない、という。
大学→大学院の
学歴ロンダリングばかり論じられますが、
そもそも、みんな「大学」の偏差値、ブランド力
だけで論じていないか、と。
学校法人全体で、小中高大すべてに
ブランド力がある慶應、青学などがある一方で
「中高は名門だけど、大学は・・・」
「中高からの内部進学志望者が少ない」
という学校法人の例は多数あるわけです。
ただ、これもまた考えようで。
その学校法人で、小中高大と学ぶことで
完成していく学び、世界観もあるわけですよね。
こう考えると、大学院進学による
学歴ロンダリング論はナンセンスだな、と。
よくある大学および大学生劣化論、
大学の大衆化、さらには必ずしも勉強をせず
偉そうな東大生像などについては、
戦前から話題となっていたのですよね。
「では、どうやって学校を選ぶのか?」
という話になるわけですが、
情報収集するだけではなく、
その判断基準を考えて決めるのが
学校選びの大事なポイントなのですね。
これは様々な基準があり、
進路情報メディアなどをみつつ
オープンキャンパスや
学園祭訪問などをしつつ考えて欲しいですし、
その学校がこれまで積み重ねてきた歴史、
その学校を出てからの80年も含めて考えて欲しいですが、
「どんな(普通に卒業すると)4年間」が待っているか
ということも考えてほしいな、と。
いや、これ自体は誰でも言うことなのですけど、
より具体的に、来年入学するとしたならば、
「2025年に入学し、2029年に卒業するまでに
どんな時間を過ごせそうか」と考えてみると
わかりやすいです。
つまり、この時期のその大学・学部が
魅力的なのかどうか、
場が滾っているのかどうか、という。
その時期に、どんな先生がいて、
どんなカリキュラム、プログラムが用意されていて
大学生の活動がどれくらい盛り上がっているか、
という点にも注目してもらいたいですね。
「そんなこと、わかるのかよ」
という話になりますけど、
大学に足を運んでみましょうよ、
その大学・学部に在籍している先生に興味を持ちましょうよ、
という。
たとえば、学部の新設、再編が行われ、そこに
学校法人が浮沈をかけているという状態も、
滾っている状態と言えます。
もちろん、前述したように
その大学や学生、教員が積み重ねてきたもの
その大学を出たあとの80年の人生がどうなりそうか
など、考えるべき点は多数ありますが。
ちなみに、娘は私立小学校に通っているのですが、
選ぶ基準として大事にしたのは、先生、場でした。
いや、そもそも、国立大附属小学校を
受けてみようというところから始まったのですが、
抽選ですべて落ち。
でも、せっかく対策をしたから、公立ではない
小学校に入れようという話になり。
願書をもらいに行く際に、妻が校長先生と
会う機会があり。もともと、小学校受験の世界では
評価が高く、評判のよい校長先生だったのですが。
この先生が在籍している期間に、娘を通わせたい、と。
学校のイベントで他の保護者の方々に会ってみても
ラベルよりも、教育の内容にこだわる保護者の方が多く、
ああ、私達に合っていたなあ、と。
保護者の熱を感じ。
なんせ、生徒や教員の皆さんの熱を感じ。
滾ってる場だな、と。
話が拡散しましたが、
要するにどのような現実をみて、
議論するかという話で。
学歴批判にしても、その論争のようなものにしても
「ぼくのかんがえるさいきょうのだいがく」論という
理論でもなんでもない持論から少し離れて
議論しましょうよ、という話です。
そうそう、最後に。
出演した番組でもそうなのですが
「学歴など関係ない」という議論もまた
乱暴だと思うのです。
番組の録画を見返した後に、
他のコメンテーターの発言を振り返り、
違和感をおぼえた点はそこです。
まず、個性重視・尊重などを叫びつつ、
「有名大学でなくても、こんなに優秀な人はいる」
みたいな論というのは
結局、仕事がデキるかどうか、何か成果を出せるかどうか
という視点で人をみている点で偏っています。
また、「学校歴(学校名)」はともかく
「学習歴」は尊重するべきで。
いかに日本の教育に問題がある
(という問題は何を問題にしているのか、
という問題もありますけど)
としても、学んだ経験に
無頓着であることも、また問題です。
さらに、大学院による「学歴ロンダリング」
については、逆に出身大学よりも
ずっと(学部の)偏差値が低い大学院に
進学する人もいるわけで。
指導する先生や、プログラムで選ぶわけですよね。
こういう点をスルーした議論は雑です。
そして、どの(難易度の高い、有名な)大学を出たか
どうかは、必ずしも学力や、それを上げるための
努力だけではなく。保護者の方針というものもあり。
特に難関大学や、一人暮らしを伴う(たとえば、
地方から都市部への進学)進学について
子供が女性だった場合に保護者はどうしているのか
という問題が最近、よく指摘されているわけで。
私の年齢くらいだと、「女には大学はいらない」と
親が娘に言い渡した家庭もあるわけです。
様々な視点で物事を見なくてはならないのに、
SNS上の議論は、持論、さらにはアテンション
によりすぎていて、雑だなと思う次第です。はい。
・・・ロックフェス、夏フェスの話もさせてください。
ロックフェス、いや音楽フェスに関してもそうで。
この夏、フジロックが動員を落とす一方、
内容では絶賛の声多数で。
サマソニは、東京はSOLD OUTだったのですが、
そのサマソニは、アイドルが多かったこと、
来日アーティストのステージの集客が
芳しくなかったことなどが話題となりました。
ただ、
ロックのアーティストが少ないという件ですけど、
便宜上、「ロック」フェスという名前が
広がっているわけですけど、
もう初期段階から必ずしも
「ロックだけ」のフェスではなかったわけで。
ここ数年、ジャンルが
ますます多様になっているわけですが、
その動きはコロナ前から、
いや10年以上前からあったと記憶しています。
アイドルグループといえば、
セクシータレント(いわゆるAV女優)で
結成されたユニット、恵比寿★マスカッツの
ステージがあった時代や
トリビュートバンドのステージもあり。
まだ子供が生まれる前で、妻と一緒に観て、
そうか、ここまで多様性にふりきった
フェスなのかと思ったわけです。
また、ビジネスの成功と、内容の充実は
それぞれ考えなくてはなりませんけど、
ビジネスとして成功しているという点は
スルーしてはいけないわけで。悩ましいですね。
一方、2つの問題ともに、
現実がこうだから仕方ないだろと
いうつもりはありません。
現実をみた上での理想の話も大切なわけで。
ただ、SNS上の議論は結論ありき、
目立つ意見ありきなので、偏るのです。
まあ、この件、何度も蒸し返されてきたので、
今後も続くでしょうね。
さて!
新しいセミナーのご案内です。
10月にインバスケット研究所の
セミナーに登壇しますよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4642/XXXX
9月7日は東邦大学で、中高生のお子様がいる保護者向けに講演しますよ。
昨年、大好評だった企画です。
最近の大学事情を知りたい方にもぴったりです。
https://d.bmb.jp/9/1454/4643/XXXX
そして、
今年も9月から石川県金沢市にて
いしかわ採強道場を開催します!
https://d.bmb.jp/9/1454/4644/XXXX
石川県内企業の採用力を高めるための道場です。
昨年同様、
首都圏の求職者も連れていきますよ。
求職者の本音を聞く機会もありますよ。
9月8日は
学部のイベントOTOIRO祭でライブ演奏
https://d.bmb.jp/9/1454/4645/XXXX
9月22日は大久保でワンマンライブですよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4646/XXXX
↓9月22日に出演するバンドの、最近のリハです。仕上がってます。
https://d.bmb.jp/9/1454/4647/XXXX
11月には待望の(?)5年ぶりの新作をリリースします。お待たせしている本がそれ以降も続々、出る予定です。
というわけで、殺害予告があってから、
より一生懸命、生きよう、何かを残そうという
気になってきました。
今日が人生で一番若い日!
楽しくいきましょう。
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朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4648/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4649/XXXX
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
「僕なんかより将来性は高い」
妻の住む東京に大阪本社から異動した夫。
“妻の大黒柱化”で
世帯年収2000万円超えも目前に
https://d.bmb.jp/9/1454/4650/XXXX
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3.人生相談バカ一代
━━━━━━━━━━━━━◆◆
【マナー問題】
Q.同じ職場の人のマナーが気になる
以前、新潟で先生の講演を拝聴しました。
5年前にも一度、メールを送らせて頂きました。
まずは、常見陽平メルマガ『陽平界通信』
第300号配信、誠におめでとうございます。
さて、相談させていただく前に
背景がわかって頂けるよう、
自己紹介を少しさせていただきます。
現在65歳です。
現在2度の退職(60歳、65歳)をして、
この春から嘱託ですが
週5のフルで勤務しています。
65歳前までと同じ仕事をしています。
住宅関連の大手企業の
グループ会社に勤務しています。
恥ずかしい話ですが、
ちょっと相談に乗って頂きたいと思います。
いつも直行で現場に行っています。
事務所に戻ってデスクワークをしますが、
そこで嫌な光景を見ます。
最近入社した60歳の新入社員(女性)と、
もうすぐ60歳になる設計(男性)と、
21~22歳の事務員(女性)が
頬杖をついて仕事をしています。
頬杖をつきながら
PCのキーボードを叩いているのは、
決して真剣に仕事をしている姿には見えません。
所長がいない時がほとんどですが、
いてもやる時もあると思います。
所長が何も言わないのもどうかと思います。
これは若い事務員さん。
他に自席で髪をとかす(ブラッシングする)、
その前に髪を束ねない。
「です」や「ます」が言えない。
私の考えるマナーと離れています。
妻は見ないようにする、
気にしないようにすればと言います。
会社は、
仕事ができればそれでいいのかもと言います。
私の心の平穏が保てません。
どうしたら良いでしょうか?
常見先生のご意見を頂けたら有難いです。
(新潟県在住 男性 65歳)
A.マナーを様々な視点から考えましょう
お久しぶりです。
ご相談ありがとうございます。
メルマガ、ご愛読感謝です。
マナー問題ですね。
この件、何を問題とするか、どう指摘するか、
悩ましいですね。
仕事上で日常的に若者と接する生活を
もう20年くらい送っているわけですが、
「マナーが悪い」
「マナーがなっていない」
という問題は切り分けなくてはならず。
「マナーを知らない」
のか
「学んだマナーを実行していない」
のか
と
問題を分けなくてはならないのですね。
また、このマナーというものは
更新されていくものなのですよね。
先に私自身の似たような経験の話をしますね。
私自身、人のマナーについて
不愉快に思ったりすることがよくあります。
若い人や
ベンチャー企業勤務の人と会うと
「わあ、なってないな」
「教えてもらう機会がなかったのかな」
「恥ずかしくないのかな」
と感じるわけです。
実は仕事上で接点のある大学教職員に関しても、
そう感じるっこともよくあるのです、うちの大学に限らず。
一見するとかたい世界のようで、世間の常識と
離れているなと思う瞬間はよくあるわけです。
私の最初の勤務先、リクルートの
通信関連の事業部は、今考えると
だいぶマナーに厳しかったと思います。
新入社員時代、上司・先輩に厳しく叱られたのは
「お客様への手紙、メールでは”下さい”ではなく
”ください”をつかえ。お客様に下という漢字を使うな。
第一、下さいはモノをおねだりするときに使う言葉であり、
促す際には使わない」
「午前中にお疲れ様と言うのはやめろ。疲れていないだろ。
失礼だ」
という点などでした。
営業のロープレ(ロールプレイング)などでも
お客様への言葉遣い、マナーが適切か、
相手にとって信頼されるかどうかという点で
マナーを叩き込まれました。
「お客様の前で使うものは、良いものを使え、マナーだ」と言われ。
あまり収入が高くない時代から、服、アクセサリに
お金をかけてきたのは、実はその指導の影響もあります。
家庭、学校、最初の会社で学ぶ「当たり前基準」
って大事だと思うのです。
私、家庭で教えられたのか、自ら学んだのか、
様々な人生の先輩から学んだのか、
いつも大事にしている
マナーというものがあります。
たとえば、それは
着座して洋食を食べる際は皿を持たない、
ノーネクタイの際はシャツのボタンを一つあける、
長袖シャツだけで人前には出ず、
可能な限りジャケットを羽織る、などのものです。
また、人前で化粧をする、
ヘアメイクをするなどの行為にも
違和感を抱く派です。
なお、人前での化粧は、
娼婦の仕草で
これは避けるべきだと
10代前半の頃、マナーに関する記事で読みました。
今思うと、これこそ、セックスワーカーへの
偏見そのものですよね。すみません。
皿を持って食べるにしろ、人前での化粧にしろ、
悪いマナーだと捉えるのは、
周りでは私だけのようでして。
職業柄、学生たちが
食事をする様子を
学食などで見る機会が多いのですけど、
皿を持たずに食べるということを
実践している人は少ないわけです。
人前での化粧にしても、
時間も場所もないという
そういう環境の問題もあるのではないか、と。
一方、
このようなマナーを知り実践してきた一方で、
社会のルールがわからず戸惑ったことや、
あとで「あれは非常識だったんだ」と
気付いたこともあります。
たとえば、就活中、私はスーツとワイシャツ、
ネクタイなら何でも良いと思い、
先生や先輩からもらったストライプのスーツや、
ブレザー、さらには派手めのネクタイ、
青いシャツで就活をしていました。
企業に訪問する際に、服装について質問され、
先生や先輩からもらった、自分では
おしゃれだと思っているなどと答えてきました。
その選考に通ったりもしたわけですが、
そうか、リクルートスーツだったのか、と。
ご相談内容に戻ります。
頬杖をつくという件については、
周りに人がいるのか、
さらにはそれがお客様なのかどうかで
判断が分かれるかと思います。
また、どの時点で
頬杖をついているかにもよるでしょうね。
考えごとなどをする際に
その方が楽という人もいるかもしれません。
言葉遣いについては、
学ぶ機会がなかったのでしょうね。
もっとも、それを注意する人がいなかったことを
どう捉えるのかも悩ましいところです。
周りの人もそれを当然と思っていたのかどうか。
時代の変化、さらには生きてきた環境の違い、
それを周りの人がどう思うか。
これらでマナーに対する判断は分かれます。
この件、叱るわけでも、指摘するわけでもなく、
まずはなぜなのか、この人たちに
関心を持つことから始めると良いと思います。
なぜ、そうするのか、と。
その上で、私はこう思う、と。
あとは、
お客様や周りの人がどう思っているかですね。
お客様にはなかなか質問できないかと思うので、
信頼できそうな人、数名に
「あのマナーについてどう思うか?
私は違和感を抱くのだけど」と
伝えてみるとよいのではないでしょうか。
マナーは更新され続けます。
たとえば、最近のマナーに関する記事では
「つまらないものですが」という言い方で
お土産を渡すのは、やめた方がいいと指摘されています。
つまらないものを渡すことは失礼ではないか、と。
「美味しいものなので、ぜひ」と渡す方が気持ちいい、とも。
また、お客様に訪問する際、出る際のコートは
別に脱がなくてもよいという考えもあるそうで。
最近では「どうぞ、コートを着てください」と
促す人もいますね。
このような問題は
今後も起こり続けるのでしょうね。
非常識ではなく、異常識の時代です。
相手にとって、自分にとってどうなのか。
問い続けたいです。
違和感を抱くそのたびに、みんなで立ち止まり考えたいです。
はい。
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
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発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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