常見陽平メルマガ『陽平界通信』第302号 刑事さんは舘ひろしにも柴田恭兵にも似てなかった/小沢健二『LIFE』30周年によせて
2024/09/04 (Wed) 07:20
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◆◆◆ 『陽平界通信』第302号
◆◆ 2024.9.4 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
刑事さんは、舘ひろしでも柴田恭兵でもなかった
2.記事傑作選
社内コミュニケーションをどうするか
3.僕の音楽
小沢健二『LIFE』30周年によせて
渋谷系を語るのが怖い
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【刑事さんは、
舘ひろしでも柴田恭兵でもなかった】
よく芸能人、プロレスラー、ミュージシャンだと
間違えられるのですよ。初対面の方に。
華がありますし、身体が大きいのですよね。
世の中にカラフルな髪色の人が増えましたが、
それは、まだまだ若者中心であって、ね。
墨田区時代の町内会バンドの仲間(60代)に、
「プロレスラーになろうと思わなかったのかい?」
と言われました。
昔は身長制限でNGだったと思うのですけど、
今ならいけるかもしれません。
まあ、とても
大学教授にも評論家にも見えないわけです。
以前、警察に職務質問を受けたときも、
職業を伝えると
「お、おう」という反応でした。
これ、アンコンシャスバイアス
そのもので。
見た目で人を判断していないか。
特に、職業と見た目について思い込みがないか、と。
ちゃんと、私を見ろよ、と。
いや、日々、妻からはこの
「ちゃんと、私を見て」という
Look at meっぷりが痛いと
指摘されるのですが。
しかも、娘もそのタイプだから
疲れる、と。
ただ、私自身もそんなことがあって。
メルマガ、SNSで共有した殺害予告の件、
警察に通報したのですよ。
「急いだ方がよい」と言われ、
それで焦ってしまい、
動画のロケの合間に電話をしたら、
警察がすぐやってきてしまう、という。
その場を仕切ってるのに、警察対応という。
しかも、刑事さんまでやってきたのです。
「刑事がくる」というので、
コロンボ、銭形、舘ひろしに柴田恭兵が
やってくると思うじゃないですか。
やってきたのは、一人は上着がジャージで、
下がカーゴパンツの女性で、
髪が長めでストレートの
「デビューしたての宇多田ヒカルかよ!」
という感じの方でした。
「Automatic」のプロモーションビデオのときの
宇多田ヒカルとまったく一緒だったのです。
もう一人の男性の方はやはり上半身ジャージで。
大学の体育会にいそうなお兄様でした。
いや、繁華街のキャッチ風とも言います。
こうやって、日常生活の中に
ひっそりと目立たず入り込んでいるということ
なんでしょうかね。
でも、刑事であることを明かす、
黄門様の印籠のようなものを見せられ。
しかも、私が被害者なのに、ズバズバと質問され。
「人に恨まれるようなことを
最近しませんでしたか?」と言われ、
あぁ、妻子にはいつも迷惑をかけているなあとか、
会議でまたタンカを切ってしまったなあとか、
編集者さんにご迷惑をかけているなあとか、
色々考えたのですけど、
とはいえ、
今回の件と関係ないだろうという話です。
はい。
ただ、職業と見た目について
私にも思い込みがあったと
反省したのでした。
そして・・・。
私、たまに、髪色がほぼ金髪であることや、
シルバーのアクセをしていること、
ロックTシャツを日常的に着ていることを
忘れるのですよ。
自分の格好ってわからないじゃないですか。
「さすが、歌舞伎町、けばけばしい人がいるなあ」
「この前のアド街で若者が、
川崎ならどんなに尖った格好をしても
浮かないと言っていたなあ」
「いまの店員さん、
派手目なファッションだったなあ」
とか、思わず呟いてしまうことはあります。
その度に、同席している人から
「お前には、言われたくないって、
向こうも思っていると思うよ」
と突っ込まれる人、それが私です。
自ら、髪色、ファッションを自由にし、
実践しているわけですが。
とはいえ、そんな私もいつの間にか、
そう思い込んでいるわけですね。
猛反省です。
皆さんも気をつけましょう。
見た目に限らず、
人に対して思い込みをなくすことに、
気をつけつつ。
よりカラフルな世の中になるように
自分がどうありたいか、
こだわっていきたいと思います。
ここしばらく、欲しい服がなかったのですが、
最近になって、ナイスな服が浮上し。
イッセイミヤケ関連のブランドなのですけど。
↓
https://d.bmb.jp/9/1454/4652/XXXX
秋のセミナーシーズンはこれでいきますかね。
まあ、在庫切れですけどね。
さて!
セミナーのご案内です。
今週末は
東邦大学の津田沼キャンパスで
中高生の保護者の方向けに講演です。
千葉方面の皆様、ぜひ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4653/XXXX
10月に
インバスケット研究所のセミナーに登壇しますよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4654/XXXX
9月8日は学部のイベントOTOIRO祭でライブ演奏
https://d.bmb.jp/9/1454/4655/XXXX
9月22日は大久保でワンマンライブですよ!
https://d.bmb.jp/9/1454/4656/XXXX
仕上がってきてます。お楽しみに!
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朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4657/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/4658/XXXX
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◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
職場ラジオの行方
社内コミュニケーションをどうするか
https://d.bmb.jp/9/1454/4659/XXXX
◆◆━━━━━━━━━
3.僕の音楽
━━━━━━━━━◆◆
【小沢健二『LIFE』30周年によせて
渋谷系を語るのが怖い】
30年前、私は立川駅南口、徒歩五分の
日当たりがほぼないアパートに住んでいた。
繁華街、歓楽街の片隅で、刺激的な日々だった。
セックス、ドラッグ、ロックンロールならぬ、
ギャンブル、風俗、サラ金の街だった。
最低な大人たちとすれ違いつつ、
この街からビッグになると決意した。
お陰様で、
たいていのことには動じない度胸がついた。
この話は何度もしているので、
これくらいにしておく。
ちょうど大学2年生の後半から
社会人になるまでこの街に住んだのだが、
この部屋で私は
たくさんの映画、本、音楽に接した。
薄暗い部屋で、コンテンツに
明るい希望を感じていた。
まあ、他にはもっとすごい人がいるだろうが、
10代のときと同様、文化系男子だった。
同世代の妻とよく話題になるのだが
「私は10代の頃、
そんなに音楽にも本にも熱くなかった」と。
亡くなった父の影響もある。
かっこいい大人とは、ハンドドリップの
コーヒーを飲み、タバコを吸い、
洋書を読むのだと。
まあ、タバコは吸わない人だし、
和書を読む機会が圧倒的に多いのだけれども。
ちょうど円高だったこともあり、
輸入盤や中古盤のCDに
湯水のようにお金を使っていた。
そう、レンタルCDをダビングするのではなく、
買ってしまうようになったのが、
大学生になってからの変化だった。
全盛期、1000枚くらいは持っていたと思う。
うん。
ロック、メタルが大好きな私だけど、
もちろん、小沢健二の『LIFE』は聴いていた。
うん、いつもかけていたのではないかと思う。
そのあとの人生でも年に何度かは聴いていた。
いちいちPOPかつ、センスがよく。
さらにホーンセクションにラップ。
元ネタは最初はわからなかったけど、
明らかに先人たちの音楽をリスペクトしており。
そのオマージュもぶっこまれており。
1曲目の、実は演奏時間がとても長い
「愛し合いされて生きるのさ」にやられる。
長さを感じさせない、心が踊る曲である。
POPとヒップホップが融合した「今夜はブギー・バック」も
もちろん、最高なのだけど。
この曲は、スピッツの「チェリー」や
大澤誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」同様に、
よくカバーされた曲だ。
加藤ミリヤのソウルフルなバージョンも、
TOKYO No.1 SOUL SETが女性ユニットと
コラボしたバージョンもそれぞれナイスだ。
ただ、私は小沢健二の他のアルバムは、
一通りチェックしたものの、
必ずしも好きではなく。
『LIFE』率高めである。
しかも、彼のインタビューや発言を
ほぼ追っていない。
にわかという批判もあるだろう。
わかる。
それは真摯に受け止める。
一方で、POPとはそういうことではないか。
つまり、そのアーティストを
とびきり好きではなくても、いつもそこにあって、
手軽に楽しめて、思わず口ずさむ、という。
小沢健二にしろ、
コーネリアスにしろ、
フリッパーズ・ギターにしろ、
さらには、渋谷系にしろ、
「安易に語ってはいけない空気」を感じていたのも事実だ。
このことを書くこと自体、やや勇気がいるのだが。
いや、SNSではたくさんの友人・知人が
武道館に行った件を書いて、
微笑ましかったし、羨ましかった。
行きたいかどうかでいうと行きたかったが
争奪戦を勝ち抜くほどの勇気も覚悟もなく。
そして、敷居の高さも感じた次第だ。
私も、思わず好きなアーティストについては
熱く語ってしまう。
最近は音楽活動に力を入れており。
カバーするからこそわかる、
その作曲センスの凄さというものもある。
ただ、そこにそれ以外の普通のファンに
敷居の高さを感じさせる何かがあるのではないか。
「ああ、メタル好きは面倒くさい」
「矢沢永吉ファンは面倒くさい」
「松本隆信者は面倒くさい」
と私も感じさせているのかもしれない。
一方、ファンがそれだけ熱くなってしまう
何かというものが、小沢健二にしろ、
渋谷系にしろあるのだろう。
もちろん、この渋谷系とくくることに関する
論争があることも一応、承知しているのだけど。
というわけで、
歴史に残るPOPなアルバムに関して、
若干の敷居の高さを感じてしまっているという
矛盾について、触れておきたかったのだ。
当時、桑田佳祐と小沢健二の
対談を読んだような気がし。
「愛し合いされて生きるのさ」で
「いとしのエリー」について触れているのだよな、
小沢健二は。
二人とも、日本語の歌詞、さらには
音へののせ方において革新的なものを残している。
ところで、オアシスが復活するのだが。
なぜ、あの兄弟は仲が悪いの?
オアシスのことを
まったく知らないことに気づいた。
聴かれる音楽、アーティスト、曲というのは
そういうことだと思う。
何でもかんでもマニアになる必要はなく。
適度な距離の取り方というものもあるのだ。うん。
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/4660/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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刑事さんは、舘ひろしでも柴田恭兵でもなかった
2.記事傑作選
社内コミュニケーションをどうするか
3.僕の音楽
小沢健二『LIFE』30周年によせて
渋谷系を語るのが怖い
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【刑事さんは、
舘ひろしでも柴田恭兵でもなかった】
よく芸能人、プロレスラー、ミュージシャンだと
間違えられるのですよ。初対面の方に。
華がありますし、身体が大きいのですよね。
世の中にカラフルな髪色の人が増えましたが、
それは、まだまだ若者中心であって、ね。
墨田区時代の町内会バンドの仲間(60代)に、
「プロレスラーになろうと思わなかったのかい?」
と言われました。
昔は身長制限でNGだったと思うのですけど、
今ならいけるかもしれません。
まあ、とても
大学教授にも評論家にも見えないわけです。
以前、警察に職務質問を受けたときも、
職業を伝えると
「お、おう」という反応でした。
これ、アンコンシャスバイアス
そのもので。
見た目で人を判断していないか。
特に、職業と見た目について思い込みがないか、と。
ちゃんと、私を見ろよ、と。
いや、日々、妻からはこの
「ちゃんと、私を見て」という
Look at meっぷりが痛いと
指摘されるのですが。
しかも、娘もそのタイプだから
疲れる、と。
ただ、私自身もそんなことがあって。
メルマガ、SNSで共有した殺害予告の件、
警察に通報したのですよ。
「急いだ方がよい」と言われ、
それで焦ってしまい、
動画のロケの合間に電話をしたら、
警察がすぐやってきてしまう、という。
その場を仕切ってるのに、警察対応という。
しかも、刑事さんまでやってきたのです。
「刑事がくる」というので、
コロンボ、銭形、舘ひろしに柴田恭兵が
やってくると思うじゃないですか。
やってきたのは、一人は上着がジャージで、
下がカーゴパンツの女性で、
髪が長めでストレートの
「デビューしたての宇多田ヒカルかよ!」
という感じの方でした。
「Automatic」のプロモーションビデオのときの
宇多田ヒカルとまったく一緒だったのです。
もう一人の男性の方はやはり上半身ジャージで。
大学の体育会にいそうなお兄様でした。
いや、繁華街のキャッチ風とも言います。
こうやって、日常生活の中に
ひっそりと目立たず入り込んでいるということ
なんでしょうかね。
でも、刑事であることを明かす、
黄門様の印籠のようなものを見せられ。
しかも、私が被害者なのに、ズバズバと質問され。
「人に恨まれるようなことを
最近しませんでしたか?」と言われ、
あぁ、妻子にはいつも迷惑をかけているなあとか、
会議でまたタンカを切ってしまったなあとか、
編集者さんにご迷惑をかけているなあとか、
色々考えたのですけど、
とはいえ、
今回の件と関係ないだろうという話です。
はい。
ただ、職業と見た目について
私にも思い込みがあったと
反省したのでした。
そして・・・。
私、たまに、髪色がほぼ金髪であることや、
シルバーのアクセをしていること、
ロックTシャツを日常的に着ていることを
忘れるのですよ。
自分の格好ってわからないじゃないですか。
「さすが、歌舞伎町、けばけばしい人がいるなあ」
「この前のアド街で若者が、
川崎ならどんなに尖った格好をしても
浮かないと言っていたなあ」
「いまの店員さん、
派手目なファッションだったなあ」
とか、思わず呟いてしまうことはあります。
その度に、同席している人から
「お前には、言われたくないって、
向こうも思っていると思うよ」
と突っ込まれる人、それが私です。
自ら、髪色、ファッションを自由にし、
実践しているわけですが。
とはいえ、そんな私もいつの間にか、
そう思い込んでいるわけですね。
猛反省です。
皆さんも気をつけましょう。
見た目に限らず、
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気をつけつつ。
よりカラフルな世の中になるように
自分がどうありたいか、
こだわっていきたいと思います。
ここしばらく、欲しい服がなかったのですが、
最近になって、ナイスな服が浮上し。
イッセイミヤケ関連のブランドなのですけど。
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まあ、在庫切れですけどね。
さて!
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今週末は
東邦大学の津田沼キャンパスで
中高生の保護者の方向けに講演です。
千葉方面の皆様、ぜひ!
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10月に
インバスケット研究所のセミナーに登壇しますよ!
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9月8日は学部のイベントOTOIRO祭でライブ演奏
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9月22日は大久保でワンマンライブですよ!
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仕上がってきてます。お楽しみに!
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3.僕の音楽
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【小沢健二『LIFE』30周年によせて
渋谷系を語るのが怖い】
30年前、私は立川駅南口、徒歩五分の
日当たりがほぼないアパートに住んでいた。
繁華街、歓楽街の片隅で、刺激的な日々だった。
セックス、ドラッグ、ロックンロールならぬ、
ギャンブル、風俗、サラ金の街だった。
最低な大人たちとすれ違いつつ、
この街からビッグになると決意した。
お陰様で、
たいていのことには動じない度胸がついた。
この話は何度もしているので、
これくらいにしておく。
ちょうど大学2年生の後半から
社会人になるまでこの街に住んだのだが、
この部屋で私は
たくさんの映画、本、音楽に接した。
薄暗い部屋で、コンテンツに
明るい希望を感じていた。
まあ、他にはもっとすごい人がいるだろうが、
10代のときと同様、文化系男子だった。
同世代の妻とよく話題になるのだが
「私は10代の頃、
そんなに音楽にも本にも熱くなかった」と。
亡くなった父の影響もある。
かっこいい大人とは、ハンドドリップの
コーヒーを飲み、タバコを吸い、
洋書を読むのだと。
まあ、タバコは吸わない人だし、
和書を読む機会が圧倒的に多いのだけれども。
ちょうど円高だったこともあり、
輸入盤や中古盤のCDに
湯水のようにお金を使っていた。
そう、レンタルCDをダビングするのではなく、
買ってしまうようになったのが、
大学生になってからの変化だった。
全盛期、1000枚くらいは持っていたと思う。
うん。
ロック、メタルが大好きな私だけど、
もちろん、小沢健二の『LIFE』は聴いていた。
うん、いつもかけていたのではないかと思う。
そのあとの人生でも年に何度かは聴いていた。
いちいちPOPかつ、センスがよく。
さらにホーンセクションにラップ。
元ネタは最初はわからなかったけど、
明らかに先人たちの音楽をリスペクトしており。
そのオマージュもぶっこまれており。
1曲目の、実は演奏時間がとても長い
「愛し合いされて生きるのさ」にやられる。
長さを感じさせない、心が踊る曲である。
POPとヒップホップが融合した「今夜はブギー・バック」も
もちろん、最高なのだけど。
この曲は、スピッツの「チェリー」や
大澤誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」同様に、
よくカバーされた曲だ。
加藤ミリヤのソウルフルなバージョンも、
TOKYO No.1 SOUL SETが女性ユニットと
コラボしたバージョンもそれぞれナイスだ。
ただ、私は小沢健二の他のアルバムは、
一通りチェックしたものの、
必ずしも好きではなく。
『LIFE』率高めである。
しかも、彼のインタビューや発言を
ほぼ追っていない。
にわかという批判もあるだろう。
わかる。
それは真摯に受け止める。
一方で、POPとはそういうことではないか。
つまり、そのアーティストを
とびきり好きではなくても、いつもそこにあって、
手軽に楽しめて、思わず口ずさむ、という。
小沢健二にしろ、
コーネリアスにしろ、
フリッパーズ・ギターにしろ、
さらには、渋谷系にしろ、
「安易に語ってはいけない空気」を感じていたのも事実だ。
このことを書くこと自体、やや勇気がいるのだが。
いや、SNSではたくさんの友人・知人が
武道館に行った件を書いて、
微笑ましかったし、羨ましかった。
行きたいかどうかでいうと行きたかったが
争奪戦を勝ち抜くほどの勇気も覚悟もなく。
そして、敷居の高さも感じた次第だ。
私も、思わず好きなアーティストについては
熱く語ってしまう。
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ただ、そこにそれ以外の普通のファンに
敷居の高さを感じさせる何かがあるのではないか。
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「矢沢永吉ファンは面倒くさい」
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と私も感じさせているのかもしれない。
一方、ファンがそれだけ熱くなってしまう
何かというものが、小沢健二にしろ、
渋谷系にしろあるのだろう。
もちろん、この渋谷系とくくることに関する
論争があることも一応、承知しているのだけど。
というわけで、
歴史に残るPOPなアルバムに関して、
若干の敷居の高さを感じてしまっているという
矛盾について、触れておきたかったのだ。
当時、桑田佳祐と小沢健二の
対談を読んだような気がし。
「愛し合いされて生きるのさ」で
「いとしのエリー」について触れているのだよな、
小沢健二は。
二人とも、日本語の歌詞、さらには
音へののせ方において革新的なものを残している。
ところで、オアシスが復活するのだが。
なぜ、あの兄弟は仲が悪いの?
オアシスのことを
まったく知らないことに気づいた。
聴かれる音楽、アーティスト、曲というのは
そういうことだと思う。
何でもかんでもマニアになる必要はなく。
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