常見陽平メルマガ『陽平界通信』第323号 バンドチェキ論争で考えたこと 前提を疑う/フジテレビ問題 不祥事企業の現場から
2025/01/29 (Wed) 07:22
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◆◆◆ 『陽平界通信』第323号
◆◆ 2025.1.29 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
論争のようなものの前提
2.記事傑作選
◇常見陽平×石原壮一郎/全4回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
◇世の中を信じられない50代、信じられる60代
◇歳をとっても「嫌なこと」ってあんまりない
◇「昭和はよかった」は果たして本当なのか?
◇著者登場/常見陽平氏『50代上等!』
◇常見陽平氏、フジテレビ労組を応援
3.常に見テイル これが気ニナル
不祥事企業の舞台裏
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【論争のようなものの前提】
ガンダムの最新作を観てきました。
ネタバレなしで行ったのですが
正直、驚きはしなかったのですけど。
積み重ねてきたものと、
最新のガンダムをつなげるものであり、
バンダイナムコグループの底力、今を
感じました。
・・・リクルートを辞めてバンダイに転職して20年、
経営統合からも20年ですね。
今回は「論争」について考えます。
私のXのフォロワーって、
ずっと3万人くらいなのですよ。
増えては減りで15年くらいは横ばいなのです。
いや、フォローしても
あまり得しませんもん。
普通、著者は
テーマをしぼって
読者に役立ち、自分の活動にプラスになる
投稿をするのですよね。
あるテーマに関するオピニオン、コメント、
そして、新作発表、メディア出演、講演など
活動報告ですね。
芸能人でもないのに、私、
自分自身にしか関係のない日常の投稿が多く。
とはいえ、たまにオピニオンやコメントが
バズることがあるのですね。
頑張りすぎると疲れるし、
息抜きながら生きているので。
なんせ、楽しくないことは嫌いなので。
よく家族からは「Look at me オジサン」と
呼ばれるのですが。
いや、娘もそのタイプなので、
妻も疲れるのですけど。
そうであるがゆえに、
昔も今も真面目にタイムラインを追いません。
だから、友人・知人の投稿も、見落とすわけで。
たまに「トレンド」に入った投稿を
眺めるくらいです。
なので、ネットで盛り上がっている論争、
のようなものを見落とすこともしょっちゅうです。
そうか、こんな議論が盛り上がっているのか、と。
いや、リアルが充実しているし、
それなりに忙しいのでね。
先日はバンド活動とチェキ論争が起きていました。
そこそこ売れているバンドが
チェキを売るのはアリかという論争のようです。
この手の「論争」は、前提を確認していないことが
多いわけです。
現状の姿を追えていないがゆえに、
あるいは、さらに昔のことを知らないがゆえに、
自分が知っている状況、
あるいは理想像とのズレで論争が起こり、
ときに炎上するのですよね。
この件、前提として、バンドはもう
だいぶ前から
音楽「以外」が食い扶持なわけで。
つまり、音源や演奏「だけ」では
食べていけないわけです。
グッズなど音楽以外の売上が大切なわけです。
これは実は、ライブハウス、さらには飲食店
なども同じです。
私がよく行く六本木のバウハウスも
Tシャツが飛ぶように売れています。
いや、それも「音楽以外」のものと
単純には切り離せません。
そのグッズもアーティストや
その音楽の世界観をつくっているわけですし。
著名アーティストでもだいぶ前から
ミート&グリートが
「商品化」されているわけです。
よい席を買えば、あるいは追加料金を払えば、
アーティストと握手をし、
写真撮影ができるというものです。
リハーサルを見学できるという権利まで
セットになっていることもあります。
「チェキ」というとアイドルみたいですけど。
要するに写真撮影ですよね。
チェキは、デジタル写真ではないがゆえに、
特別感があり、SNS投稿されても
画質が高くなく。
そして、写真が出てくるまでに時間があるので、
おしゃべりできるのですよね。
サインもできますし。
もちろん、バンドの世界観と合うのか、
そこまでやるのかという議論はあるでしょう。
チェキというものに
「地下アイドルがやるものでしょ」
という人もいることでしょう。
ただ、自分の知っている姿、
理想だけで語るのも違うかと。
みんな、必死なのですよ。
いや、食べていくためだけでなく、
バンドの世界観を広げているとも言えますね。
ちなみに、私、
チェキ会はやったことないですけど。
トークイベントで
応援シートをつくったことはあります。
最前列保証で、お土産つきなのですね。
でも、お人好しで。
そこで利益をあげようというわけではなく、
お土産に原価がかかりすぎて、赤字でした。
喜んでもらえて何よりでしたが。
グッズもTシャツを2回ほどつくったことがあり。
これは話題になりました。
100枚以上売れたかと。
ただ、やはり、質の高い生地をつかってしまい。
ほとんど利益をのせなかったので、
やはり赤字でした。
このあたりがダメなのですね。
まあ、ちゃんと本とメディア出演、講演だけで
食べられる日がくるよう、頑張ります。
いや、グッズで一儲けもしてみたいですけどね。
先日のイベントでコラムニスト河崎環から
「同世代の論者の中で、最も文化人っぽい」
と言われましたが。
自由に生き、別荘やタワマンの仕事場で執筆し、
クルマを3台所有する生活には憧れています。
少し真面目な話をすると、論争は議論する論点、
前提となるデータを確認しなくてはNGで。
先日も、BSフジLIVE「プライムニュース」で
片山さつきさん、玉木雄一郎さんと
就職氷河期世代について議論したのですが。
これ、YouTubeで11万回再生されたのですけど。
https://d.bmb.jp/9/1454/5324/XXXX
https://d.bmb.jp/9/1454/5325/XXXX
さすがの「プライムニュース」クオリティで
データも豊富だったのですが。
就職氷河期世代とは何で、何が問題かは、
どうしてもブレてしまうのですよね。
SNS上の投稿も、YouTubeの番組アーカイブの
コメント欄も盛り上がりましたが。
いつの何を問題と捉えるのか、
何を前提として考えるのかがポイントで。
この世代の、今も働くことができていない人、
低所得者を対象とした議論なのか。
ごく普通の人の賃金が
他の世代に比べて低いという問題なのか。
マインド的に損をして負けているという感覚を
持ち続けている件なのか。
その問題もデータで見るとまた異なり。
現状、男性を中心に
職に就いている人がほとんどであったり、
後期就職氷河期世代は
意外と子沢山だったりと。
実際、就職氷河期世代関連の
国の事業のお手伝いをしましたが、
各自治体でどれくらい対象者がいるのか
明確ではなかったり。
意外にいないのではないかという
議論が起こったり。
この前提がずれると、議論はおかしくなります。
議論の前提を揃える、これが大事なのですが、
SNSは自分が考える「正しさ」に満ちているので、
議論が成立しにくいのです。はい。
いつの間にか、正確かどうかではなく
正義の話をしているのです。
論争ではなく、
炎上、バズる程度で終わってしまうのです。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5326/XXXX
関連のメディア露出、
イベントラッシュでございます。
↓記事欄に載せましたが、たくさんの記事が出ております。
石原壮一郎先輩との対談、ぜひ
日経BOOK PLUS
常見陽平×石原壮一郎/第1回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
https://d.bmb.jp/9/1454/5327/XXXX
これからさらに
著者インタビューの掲載ラッシュの予定です。
2月15日(土)には、
沖縄県那覇市のジュンク堂で
出版記念イベントです!
そして!
2月22日(土)には、
江別の蔦屋書店でトークショーです!
よろしくお願いします!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5328/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5329/XXXX
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
日経BOOK PLUS
常見陽平×石原壮一郎/第1回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
https://d.bmb.jp/9/1454/5330/XXXX
常見陽平×石原壮一郎/第2回
世の中を信じられない50代、信じられる60代
https://d.bmb.jp/9/1454/5331/XXXX
常見陽平×石原壮一郎/第3回
歳をとっても「嫌なこと」ってあんまりない
https://d.bmb.jp/9/1454/5332/XXXX
常見陽平×石原壮一郎/第4回
「昭和はよかった」は果たして本当なのか?
https://d.bmb.jp/9/1454/5333/XXXX
著者登場/常見陽平氏
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
https://d.bmb.jp/9/1454/5334/XXXX
常見陽平氏、フジテレビ労組を応援
「希望を捨てていません
新生フジをつくりたいと」
https://d.bmb.jp/9/1454/5335/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.常に見テイル これが気ニナル
━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【不祥事企業の舞台裏】
それにしても、フジテレビである。
月曜の朝に、フジテレビ問題に関連した
コメントをXに投稿したところ、バズり。
いつの間にか、
日刊スポーツのネット記事になっていた。
いや、たまたまその日の朝に、
著名人のSNS投稿が記事になっているのをみて。
まさか自分がそうなるとは思っていなかった。
タイトルにまで名前が入っていたが
「常見って誰?」となっていたと思うのだけど。
この日には役員人事が発表され、
記者会見も行われ、まさにエンドレスとなり、
その時間は10時間にも及んだ。
記者による質問の質の違いも話題となり。
ここにきて、文春は記事の訂正をした。
これもまた、問題の前提に関わる話である。
一方、メディアの論調は、変わってきており、
日経の社説がそうであるように、
経営陣、なかでも長年影響力を持っている
日枝久氏を名指しで批判するようになってきた。
中居問題なのか、フジテレビ問題なのか、
フジテレビの経営陣問題なのか。
これが進み、今では
日枝氏問題と
フジテレビのその他経営陣問題を
切り分けた議論も見られる。
古市憲寿氏が同社の生放送で
日枝氏批判をしたことで話題となった。
彼のように、一部の論者は
「フジテレビに出られなくなるかもしれないけど」
という前置きで経営陣批判を始めている。
「フジテレビに出られなくなってもいい」
のかどうかでいうと、
率直に「困る」というのが私のホンネである。
「フジテレビ、これからも出たいっす!」
というのが私のホンネだ。
あの熱のある社員たちとつくる現場に
いられなくなると思うと悲しい。
いや、フジテレビに呼ばれる頻度は
それほど多くはなく。
昨年は「めざまし8」にスタジオ生出演をし。
今年は7年ぶりくらいで「プライムニュース」に
呼んでもらったわけだが。
たまに、オンライン収録でコメント出演するのだが。
そもそも、フジテレビに限らず、
テレビ出演は多くないのだ。
出演料は嬉しいのだが、レギュラー出演していて、
それが毎月の収入になっているわけではなく。
たいてい、服をカーっとなって買うか、
若い人にご飯をごちそうして終わる。
ただ、数少ないチャンスを失うという、
そういう話ではなく。
毎回、スタッフの熱に圧倒され。
数年に一度、体験できる、
あの熱のある番組づくりの場に
行けなくなると思うと、
「フジテレビに出られなくなってもいい」
と言い切るのには、正直覚悟がいる。
「プライムニュース」においては
政治家などと議論することがあり。
7年前に当時の厚生労働大臣加藤氏と
激論したことや、
先日の片山さつき氏、玉木雄一郎氏との
議論も、貴重な体験だった。
そうだ、初めて「プライムニュース」に
出たときには、大学へのキャリア関連の
補助金について「なんで、打ち切ったんだ」
と当時、与党だった民主党の議員に番組で
問いかけたところ、これが見直され
復活したということもあった。
懐かしいな。
業績の悪化、視聴率の低迷、
日枝体制への批判などは
今になって始まったわけではない。
「振り向けばテレ東」
「振り向けば放送大学」とまで呼ばれた。
そんな中で、現場には熱を感じた。
彼ら彼女たちと仕事ができるチャンスを
失いたくはないという思いはある。
年に1回程度なのだけど。
要するに、現場は悪くないのだ。
いつも仕事は丁寧で、
何か面白いことをやってやろうという熱を感じた。
「社員は悪くありませんから」という
山一證券経営破綻時の社長の号泣会見を思い出す。
先日、視聴したNHKの「ドキュメント20min.」の
水野敬也さんが登場する
謝罪に関する特集でも取り上げられていた。
大企業のトップが顔をグシャグシャにしつつ
真摯に泣き叫ぶ様子は究極の謝罪とされたが。
私は「社員は悪くありませんから」という言葉が
まさに当てはまるのが
今回の事案ではないかと思っている。
現場の社員は熱がある。
今回の私の投稿、記事は
労組のグループチャットで共有され、
みんなが奮起したそうだ。
フジテレビの労組はもともと80名程度だったが、
一気に500名程度まで増えたという。
友人たちも入っている。
ニワカ、付け焼き刃、
これまでがぬるすぎなどという批判の声もあるが、
とはいえ、
切羽詰まったときに人は団結するわけで。
今後の闘いに注目が集まる。
歴史や、取り組みの重さは異なれど、
そごう・西武労組のストライキに、
他の労組もデモなどに駆けつけた姿を思い出す。
不祥事企業について考える。
なんせ、私自身があの「リクルート事件」で
おなじみのリクルートに入社したわけで。
まだ事件の発覚から10年経っていなかったし、
江副氏の裁判も終わっていなかった。
他にも借金が1兆円あり。
ダイエーの傘下入りをしていた頃だ。
熱烈な朝日新聞読者の
左翼青年であるにも関わらず、
あの頃の、あのリクルートに入ってしまったのは
事故みたいなものである。
一方、現場には熱があり。
当時はひたすらボトムアップ型で。
いかに顧客の信頼を勝ち得るかと
いうことについて躍起になっていた。
実際、顧客は
(当時は競合よりも単価が高かったのだけど)、
商品・サービスを使ってくれた。
良い意味で、現場には
経営陣への突き上げモードの空気があり。
熱狂がそこにはあった。
当時の女性社長のことを
「ババア」
「おばちゃん」
と社員が呼んでいたのは
いかがなものかという話になるが。
とはいえ、「私たちが、信頼を勝ち得る」
という熱があった。
雪印の集団食中毒事件の際に、
信頼回復のために奮闘したのが、
のちにエステーのカリスマ宣伝部長となった
鹿毛康司さんだ。
彼の講演や、著書にも登場するエピソードだ。
電通自死事件の発生から今年で10年だ。
様々な改革が電通では行われたが。
あの事件が発生した後の、
採用活動には熱を感じた。
メッセージは
「電通がつくるのは、前例のない未来だ」だった。
前例のない取り組みの中には、
働き方改革も含まれる。
社員の熱を感じた。
応募数は半分になったが、
応募者の熱もいつもとは違ったという。
フジテレビ問題、フジテレビと中居正広問題、
中居正広問題は重なりつつも、それぞれ異なる。
前述したように、経営陣問題もだ。
なんせ、問題の全容は明らかになっていない。
もちろん被害者のプライバシーへの配慮はある。
単に個別の具体的な事案だけでなく、
エンタメ界、放送業界、さらには
日本社会の構造的な問題を感じるからこそ、
皆、何かを言いたくなるのだろう。
一方、さて、A子さんをどう守るか、
A子さんにどう償うか、
第二のA子さんを出さないために
どうするかという議論も忘れてはならない。
企業の不祥事というものは、
実は真面目な社員にとっては、
起きていること自体、知らなかったりするわけで。
とばっちり、もらい事故の中で
奮闘している社員がいることを忘れてはいけない。
そして、ここから立ち上がるプロセスで、
会社はまた、強くなるのである。
というわけで、
フジテレビの番組で笑って泣ける日を
もう一度。
・・・こういうおっさんの
「ぼくのかんがえるさいきょうのフジテレビ」像も
また、迷惑かもしれないのだけど。
ソニーについて語るときにずっと
ウォークマンの話をするおっさんと
変わらないかもしれないのだが。
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/5336/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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今週のアウトライン
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1.巻頭言
論争のようなものの前提
2.記事傑作選
◇常見陽平×石原壮一郎/全4回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
◇世の中を信じられない50代、信じられる60代
◇歳をとっても「嫌なこと」ってあんまりない
◇「昭和はよかった」は果たして本当なのか?
◇著者登場/常見陽平氏『50代上等!』
◇常見陽平氏、フジテレビ労組を応援
3.常に見テイル これが気ニナル
不祥事企業の舞台裏
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【論争のようなものの前提】
ガンダムの最新作を観てきました。
ネタバレなしで行ったのですが
正直、驚きはしなかったのですけど。
積み重ねてきたものと、
最新のガンダムをつなげるものであり、
バンダイナムコグループの底力、今を
感じました。
・・・リクルートを辞めてバンダイに転職して20年、
経営統合からも20年ですね。
今回は「論争」について考えます。
私のXのフォロワーって、
ずっと3万人くらいなのですよ。
増えては減りで15年くらいは横ばいなのです。
いや、フォローしても
あまり得しませんもん。
普通、著者は
テーマをしぼって
読者に役立ち、自分の活動にプラスになる
投稿をするのですよね。
あるテーマに関するオピニオン、コメント、
そして、新作発表、メディア出演、講演など
活動報告ですね。
芸能人でもないのに、私、
自分自身にしか関係のない日常の投稿が多く。
とはいえ、たまにオピニオンやコメントが
バズることがあるのですね。
頑張りすぎると疲れるし、
息抜きながら生きているので。
なんせ、楽しくないことは嫌いなので。
よく家族からは「Look at me オジサン」と
呼ばれるのですが。
いや、娘もそのタイプなので、
妻も疲れるのですけど。
そうであるがゆえに、
昔も今も真面目にタイムラインを追いません。
だから、友人・知人の投稿も、見落とすわけで。
たまに「トレンド」に入った投稿を
眺めるくらいです。
なので、ネットで盛り上がっている論争、
のようなものを見落とすこともしょっちゅうです。
そうか、こんな議論が盛り上がっているのか、と。
いや、リアルが充実しているし、
それなりに忙しいのでね。
先日はバンド活動とチェキ論争が起きていました。
そこそこ売れているバンドが
チェキを売るのはアリかという論争のようです。
この手の「論争」は、前提を確認していないことが
多いわけです。
現状の姿を追えていないがゆえに、
あるいは、さらに昔のことを知らないがゆえに、
自分が知っている状況、
あるいは理想像とのズレで論争が起こり、
ときに炎上するのですよね。
この件、前提として、バンドはもう
だいぶ前から
音楽「以外」が食い扶持なわけで。
つまり、音源や演奏「だけ」では
食べていけないわけです。
グッズなど音楽以外の売上が大切なわけです。
これは実は、ライブハウス、さらには飲食店
なども同じです。
私がよく行く六本木のバウハウスも
Tシャツが飛ぶように売れています。
いや、それも「音楽以外」のものと
単純には切り離せません。
そのグッズもアーティストや
その音楽の世界観をつくっているわけですし。
著名アーティストでもだいぶ前から
ミート&グリートが
「商品化」されているわけです。
よい席を買えば、あるいは追加料金を払えば、
アーティストと握手をし、
写真撮影ができるというものです。
リハーサルを見学できるという権利まで
セットになっていることもあります。
「チェキ」というとアイドルみたいですけど。
要するに写真撮影ですよね。
チェキは、デジタル写真ではないがゆえに、
特別感があり、SNS投稿されても
画質が高くなく。
そして、写真が出てくるまでに時間があるので、
おしゃべりできるのですよね。
サインもできますし。
もちろん、バンドの世界観と合うのか、
そこまでやるのかという議論はあるでしょう。
チェキというものに
「地下アイドルがやるものでしょ」
という人もいることでしょう。
ただ、自分の知っている姿、
理想だけで語るのも違うかと。
みんな、必死なのですよ。
いや、食べていくためだけでなく、
バンドの世界観を広げているとも言えますね。
ちなみに、私、
チェキ会はやったことないですけど。
トークイベントで
応援シートをつくったことはあります。
最前列保証で、お土産つきなのですね。
でも、お人好しで。
そこで利益をあげようというわけではなく、
お土産に原価がかかりすぎて、赤字でした。
喜んでもらえて何よりでしたが。
グッズもTシャツを2回ほどつくったことがあり。
これは話題になりました。
100枚以上売れたかと。
ただ、やはり、質の高い生地をつかってしまい。
ほとんど利益をのせなかったので、
やはり赤字でした。
このあたりがダメなのですね。
まあ、ちゃんと本とメディア出演、講演だけで
食べられる日がくるよう、頑張ります。
いや、グッズで一儲けもしてみたいですけどね。
先日のイベントでコラムニスト河崎環から
「同世代の論者の中で、最も文化人っぽい」
と言われましたが。
自由に生き、別荘やタワマンの仕事場で執筆し、
クルマを3台所有する生活には憧れています。
少し真面目な話をすると、論争は議論する論点、
前提となるデータを確認しなくてはNGで。
先日も、BSフジLIVE「プライムニュース」で
片山さつきさん、玉木雄一郎さんと
就職氷河期世代について議論したのですが。
これ、YouTubeで11万回再生されたのですけど。
https://d.bmb.jp/9/1454/5324/XXXX
https://d.bmb.jp/9/1454/5325/XXXX
さすがの「プライムニュース」クオリティで
データも豊富だったのですが。
就職氷河期世代とは何で、何が問題かは、
どうしてもブレてしまうのですよね。
SNS上の投稿も、YouTubeの番組アーカイブの
コメント欄も盛り上がりましたが。
いつの何を問題と捉えるのか、
何を前提として考えるのかがポイントで。
この世代の、今も働くことができていない人、
低所得者を対象とした議論なのか。
ごく普通の人の賃金が
他の世代に比べて低いという問題なのか。
マインド的に損をして負けているという感覚を
持ち続けている件なのか。
その問題もデータで見るとまた異なり。
現状、男性を中心に
職に就いている人がほとんどであったり、
後期就職氷河期世代は
意外と子沢山だったりと。
実際、就職氷河期世代関連の
国の事業のお手伝いをしましたが、
各自治体でどれくらい対象者がいるのか
明確ではなかったり。
意外にいないのではないかという
議論が起こったり。
この前提がずれると、議論はおかしくなります。
議論の前提を揃える、これが大事なのですが、
SNSは自分が考える「正しさ」に満ちているので、
議論が成立しにくいのです。はい。
いつの間にか、正確かどうかではなく
正義の話をしているのです。
論争ではなく、
炎上、バズる程度で終わってしまうのです。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5326/XXXX
関連のメディア露出、
イベントラッシュでございます。
↓記事欄に載せましたが、たくさんの記事が出ております。
石原壮一郎先輩との対談、ぜひ
日経BOOK PLUS
常見陽平×石原壮一郎/第1回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
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これからさらに
著者インタビューの掲載ラッシュの予定です。
2月15日(土)には、
沖縄県那覇市のジュンク堂で
出版記念イベントです!
そして!
2月22日(土)には、
江別の蔦屋書店でトークショーです!
よろしくお願いします!
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常見陽平×石原壮一郎/第1回
50代と60代はなぜ性懲りもなく嫌い合うのか
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常見陽平×石原壮一郎/第2回
世の中を信じられない50代、信じられる60代
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常見陽平×石原壮一郎/第3回
歳をとっても「嫌なこと」ってあんまりない
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常見陽平×石原壮一郎/第4回
「昭和はよかった」は果たして本当なのか?
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著者登場/常見陽平氏
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
https://d.bmb.jp/9/1454/5334/XXXX
常見陽平氏、フジテレビ労組を応援
「希望を捨てていません
新生フジをつくりたいと」
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【不祥事企業の舞台裏】
それにしても、フジテレビである。
月曜の朝に、フジテレビ問題に関連した
コメントをXに投稿したところ、バズり。
いつの間にか、
日刊スポーツのネット記事になっていた。
いや、たまたまその日の朝に、
著名人のSNS投稿が記事になっているのをみて。
まさか自分がそうなるとは思っていなかった。
タイトルにまで名前が入っていたが
「常見って誰?」となっていたと思うのだけど。
この日には役員人事が発表され、
記者会見も行われ、まさにエンドレスとなり、
その時間は10時間にも及んだ。
記者による質問の質の違いも話題となり。
ここにきて、文春は記事の訂正をした。
これもまた、問題の前提に関わる話である。
一方、メディアの論調は、変わってきており、
日経の社説がそうであるように、
経営陣、なかでも長年影響力を持っている
日枝久氏を名指しで批判するようになってきた。
中居問題なのか、フジテレビ問題なのか、
フジテレビの経営陣問題なのか。
これが進み、今では
日枝氏問題と
フジテレビのその他経営陣問題を
切り分けた議論も見られる。
古市憲寿氏が同社の生放送で
日枝氏批判をしたことで話題となった。
彼のように、一部の論者は
「フジテレビに出られなくなるかもしれないけど」
という前置きで経営陣批判を始めている。
「フジテレビに出られなくなってもいい」
のかどうかでいうと、
率直に「困る」というのが私のホンネである。
「フジテレビ、これからも出たいっす!」
というのが私のホンネだ。
あの熱のある社員たちとつくる現場に
いられなくなると思うと悲しい。
いや、フジテレビに呼ばれる頻度は
それほど多くはなく。
昨年は「めざまし8」にスタジオ生出演をし。
今年は7年ぶりくらいで「プライムニュース」に
呼んでもらったわけだが。
たまに、オンライン収録でコメント出演するのだが。
そもそも、フジテレビに限らず、
テレビ出演は多くないのだ。
出演料は嬉しいのだが、レギュラー出演していて、
それが毎月の収入になっているわけではなく。
たいてい、服をカーっとなって買うか、
若い人にご飯をごちそうして終わる。
ただ、数少ないチャンスを失うという、
そういう話ではなく。
毎回、スタッフの熱に圧倒され。
数年に一度、体験できる、
あの熱のある番組づくりの場に
行けなくなると思うと、
「フジテレビに出られなくなってもいい」
と言い切るのには、正直覚悟がいる。
「プライムニュース」においては
政治家などと議論することがあり。
7年前に当時の厚生労働大臣加藤氏と
激論したことや、
先日の片山さつき氏、玉木雄一郎氏との
議論も、貴重な体験だった。
そうだ、初めて「プライムニュース」に
出たときには、大学へのキャリア関連の
補助金について「なんで、打ち切ったんだ」
と当時、与党だった民主党の議員に番組で
問いかけたところ、これが見直され
復活したということもあった。
懐かしいな。
業績の悪化、視聴率の低迷、
日枝体制への批判などは
今になって始まったわけではない。
「振り向けばテレ東」
「振り向けば放送大学」とまで呼ばれた。
そんな中で、現場には熱を感じた。
彼ら彼女たちと仕事ができるチャンスを
失いたくはないという思いはある。
年に1回程度なのだけど。
要するに、現場は悪くないのだ。
いつも仕事は丁寧で、
何か面白いことをやってやろうという熱を感じた。
「社員は悪くありませんから」という
山一證券経営破綻時の社長の号泣会見を思い出す。
先日、視聴したNHKの「ドキュメント20min.」の
水野敬也さんが登場する
謝罪に関する特集でも取り上げられていた。
大企業のトップが顔をグシャグシャにしつつ
真摯に泣き叫ぶ様子は究極の謝罪とされたが。
私は「社員は悪くありませんから」という言葉が
まさに当てはまるのが
今回の事案ではないかと思っている。
現場の社員は熱がある。
今回の私の投稿、記事は
労組のグループチャットで共有され、
みんなが奮起したそうだ。
フジテレビの労組はもともと80名程度だったが、
一気に500名程度まで増えたという。
友人たちも入っている。
ニワカ、付け焼き刃、
これまでがぬるすぎなどという批判の声もあるが、
とはいえ、
切羽詰まったときに人は団結するわけで。
今後の闘いに注目が集まる。
歴史や、取り組みの重さは異なれど、
そごう・西武労組のストライキに、
他の労組もデモなどに駆けつけた姿を思い出す。
不祥事企業について考える。
なんせ、私自身があの「リクルート事件」で
おなじみのリクルートに入社したわけで。
まだ事件の発覚から10年経っていなかったし、
江副氏の裁判も終わっていなかった。
他にも借金が1兆円あり。
ダイエーの傘下入りをしていた頃だ。
熱烈な朝日新聞読者の
左翼青年であるにも関わらず、
あの頃の、あのリクルートに入ってしまったのは
事故みたいなものである。
一方、現場には熱があり。
当時はひたすらボトムアップ型で。
いかに顧客の信頼を勝ち得るかと
いうことについて躍起になっていた。
実際、顧客は
(当時は競合よりも単価が高かったのだけど)、
商品・サービスを使ってくれた。
良い意味で、現場には
経営陣への突き上げモードの空気があり。
熱狂がそこにはあった。
当時の女性社長のことを
「ババア」
「おばちゃん」
と社員が呼んでいたのは
いかがなものかという話になるが。
とはいえ、「私たちが、信頼を勝ち得る」
という熱があった。
雪印の集団食中毒事件の際に、
信頼回復のために奮闘したのが、
のちにエステーのカリスマ宣伝部長となった
鹿毛康司さんだ。
彼の講演や、著書にも登場するエピソードだ。
電通自死事件の発生から今年で10年だ。
様々な改革が電通では行われたが。
あの事件が発生した後の、
採用活動には熱を感じた。
メッセージは
「電通がつくるのは、前例のない未来だ」だった。
前例のない取り組みの中には、
働き方改革も含まれる。
社員の熱を感じた。
応募数は半分になったが、
応募者の熱もいつもとは違ったという。
フジテレビ問題、フジテレビと中居正広問題、
中居正広問題は重なりつつも、それぞれ異なる。
前述したように、経営陣問題もだ。
なんせ、問題の全容は明らかになっていない。
もちろん被害者のプライバシーへの配慮はある。
単に個別の具体的な事案だけでなく、
エンタメ界、放送業界、さらには
日本社会の構造的な問題を感じるからこそ、
皆、何かを言いたくなるのだろう。
一方、さて、A子さんをどう守るか、
A子さんにどう償うか、
第二のA子さんを出さないために
どうするかという議論も忘れてはならない。
企業の不祥事というものは、
実は真面目な社員にとっては、
起きていること自体、知らなかったりするわけで。
とばっちり、もらい事故の中で
奮闘している社員がいることを忘れてはいけない。
そして、ここから立ち上がるプロセスで、
会社はまた、強くなるのである。
というわけで、
フジテレビの番組で笑って泣ける日を
もう一度。
・・・こういうおっさんの
「ぼくのかんがえるさいきょうのフジテレビ」像も
また、迷惑かもしれないのだけど。
ソニーについて語るときにずっと
ウォークマンの話をするおっさんと
変わらないかもしれないのだが。
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