常見陽平メルマガ『陽平界通信』第325号 東京以外から日本を見る、考える/講演と講義
2025/02/12 (Wed) 08:23
◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第325号
◆◆ 2025.2.12 配信
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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名刺交換・メールのやり取りなどをした方に
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配信停止を希望される方は、文末のURLから
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なお、メールの転送をされている場合は、
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
東京以外から日本を考える
2.記事傑作選
◇「二択に留まらない判断」が鍵
常見陽平さんに聞くこれからの働き方
◇年収700万円の妻を“支えるほうがトク”
平日の家事・育児をほぼ全部する450万円夫
3.書評 ほんのひとこと
『東大ファッション論集中講義』が面白すぎて
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【東京以外から日本を考える】
2月です。春休み期間なのですが、
今年はスケジュールをみると、
ゆっくりする時間がほぼなく。
講演、執筆、メディア出演、
来期の準備などで終わっていきそうです。
そして、毎週、日本のどこかにいる感じで。
2月15日 15時よりジュンク堂書店
那覇店にてトークショー、夜に交流会
https://d.bmb.jp/9/1454/5458/XXXX
2月22日 14時より
江別 蔦屋書店にてトークイベント
https://d.bmb.jp/9/1454/5459/XXXX
などのイベントの他、
個別の出張がいくつかあり。
2月15日17時より久々にMXテレビの
田村淳さんの番組に出るのですが、
沖縄からリモートでございます。
日本のどこかにいます。
コロナでいったん止まったものの、
こういう生活を25年くらいしており。
リクルートでじゃらんnetを担当していた頃は、
プロジェクターと資料を持って
全国の観光地で講演をしており。
バンダイで採用担当をしていた頃も、
やはり全国の大学をまわっており。
国内出張なら、5~10分で準備を終え、
旅立つことができ。
空港、駅に到着した瞬間が好きで。
「同じ空は一つもない」と、当時も実感しており。
それぞれの街で人々の暮らしがあり。
仕事、学びの場があるのです。
東京以外から日本をみるという視点は大切です。
はい。
先日は山形出張があり。
大雪かつ、異音騒動があり、
新幹線のダイヤが乱れまくっていたのですが。
冷静に対応する乗客の様子が印象的でした。
会場到着が困難だとわかり、
新幹線の中で米沢のビジネスホテルを、
じゃらんnetで予約し。
14時40分台に駅に到着し、5分歩いてホテルに。
微妙に早めにチェックインをさせてもらい、
15時から配信でした。ふー。
山形に移動し、バンダイで
カード事業部の営業のエースとして、
キャラクターカードの市場づくりに奮闘し、
Uターンした後、現在は県議として活躍している
石塚慶さんと感動の再会。
いやあ、相変わらず気持ちいい方でした。
私が人事の頃、大変に忙しい中、
企業説明会などにご協力頂き。
石塚さんは関西の大学出身なのですが、
よく母校や、大阪での説明会に、
忙しい中、駆けつけてくれて。
彼のおかげで、関西からたくさんの若者が
バンダイを受けてくれました。
実に17年ぶりくらいに再会する
石塚さんとの会話は大変に面白く。
地元のこと、国のことを考える
優しくて、熱い視点に感激しました。
人口減少、産業振興、災害対策など、
東京とは一部、異なる課題があり。
東京から視点で考えていては、
世の中は理解できません。
東京だけ見ていても、ネットだけ見ていても、
ダメなのですよ。
複数の視点から考えるというのは、
大学人としても、評論家としても、
親としても大事にしていることです。
「地方は遅れている」「田舎は古い」
と断じるのもナンセンスで、
各地の奮闘、模索に注目したいところです。
もっとも、この件に関しては、
地方の10代女性は地元進学を促されることが多く。
さらには、東京に一極集中する理由の一つに、
20代、30代の女性にとって暮らしやすく、
働きやすいという指摘もあり。
それぞれ、向き合わなくてはならないのですよね。
さて。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5460/XXXX
関連のメディア露出、
イベントラッシュでございます。
十数年前に
「饒舌大陸」というニコ生番組でお世話になった、
講談社広部潤さんに
素敵なインタビューをまとめて頂きました。
↓
「就職氷河期世代」で「ロスジェネ」の
“50代・日本人”に希望はないのか…?
常見陽平さんが語る
「50歳からの人生を最高に楽しくする方法」と
「希望の50代論」に込めた思い!
【前編】
https://d.bmb.jp/9/1454/5461/XXXX
【後編】
https://d.bmb.jp/9/1454/5462/XXXX
今後もインタビュー掲載ラッシュです。
よろしくお願いします!
そして!3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
クラブチッタのステージでお会いしましょう!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5463/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5464/XXXX
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
出社かリモートか「二択に留まらない判断」が鍵
常見陽平さんに聞くこれからの働き方
https://d.bmb.jp/9/1454/5465/XXXX
年収700万円の妻47歳を“支えるほうがトク”と、
平日の家事・育児をほぼ全部する夫
450万円の51歳「係長への昇進は断りました」
https://d.bmb.jp/9/1454/5466/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━
3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【『東大ファッション論集中講義』が面白すぎて】
大学教員になったときに、同業の母親や、
高校の友人から言われたことがある。
それは「講演と講義は違う」ということだ。
もう15年くらい前に出会った言葉なのだが、
日々、痛感している。
講義が上で、講演が下だ、などと
言うつもりはもちろんない。その前提で。
13~15回の講義
(最近の大学では105分講義が増えており、
そのため、
1科目が13回ということがあるのだ)で、
体系的な知識を伝えなくてはならない。
その組み立て、深さをどう設計するか。
何より受講生が、この科目の到達目標を
達成するためにはどうするか、
模索しなくてはならない。
「他の先生は、どんな講義をしているのだろう?」
指導法も、専門分野について、
どのように補助線を引き、
学生に伝えているのか、気になる。
思えば、大学時代には「名物教員」と言われる
先生の講義を聞く機会があり。
指導教員の竹内弘高先生だけでなく、
一條和生先生、楠木建先生、
伊藤邦雄先生、米倉誠一郎先生、
さらにはゲスト枠だったが、
最近、鬼籍に入られた
野中郁次郎先生の講義を聞く機会もあり。
社会学部時代は、吉田裕先生の
「政治学」という名の、
太平洋戦争前後の話をひたすら聞く講義もあり。
今でいうアクティブラーニングの要素が
多めのものもあれば、
ひたすら座学というものもあり。
ただ、教員は気をつけないと、
自分の学生時代に受けていた講義、
影響を受けた講義が染み付いており。
アップデートされない。
大学の講義は、アクティブラーニングの推進、
ICTの利活用などが進んでいる。
一方、知識を体系化して伝えること、
知的刺激を与えることをサボってはいけない。
徹頭徹尾、座学の講義で、
知的熱狂がある講義というものも存在する。
『東大ファッション論集中講義』
(平芳裕子 ちくまプリマー新書)を
手にとり、考えたい。
https://d.bmb.jp/9/1454/5467/XXXX
東京大学文学部史上初のファッション講義を
実況中継するものである。
「衣食住」と呼ぶが、それぞれが文化的であり、
経済的であり、さらには政治的な存在である。
人類が「衣類」「服」「ファッション」と
どう向き合ってきたかがわかる本である。
知的刺激がてんこ盛りな1冊である。
内容においては個人的には、明治以降、
日本人になぜ、どのように
洋服が広がったのかという点が刺さった。
なぜ、ココ・シャネルが
歴史に残るデザイナーなのかという話も。
もっとも、大学教員視点では、
講義の組み立てという点が、
刺さりまくり、響きまくりだった。
こんな流れだ
集中講義1日目 西洋のパラダイム
第1講 裁断と縫製――衣服に起源はあるのか
第2講 言葉と学問――ファッションは何を意味するのか
第3講 作法と流行――ファッションはなぜ女性のものとなったのか
集中講義2日目 近代がもたらしたもの
第4講 自由と拘束――女性の身体は解放されるのか
第5講 モデルと複製――ファッションデザインの近代
第6講 メディアとイメージ――衣服がファッションになるとき
集中講義3日目 創造性への問いかけ
第7講 展示と鑑賞――ミュージアムのファッション展
第8講 身体と表象――ファッションとアートの接近
第9講 名と言説――シャネルはなぜ評価されるのか
集中講義4日目 歴史と未来をつなぐ
第10講 女性と労働――お針子像は消えたのか
第11講 日本と近代――洋服とはなんだったのか
第12講 批評と研究――ファッション学からファッションスタディーズへ
なんて素敵な組み立てなんだろう。
そもそも、ファッションとは、前述したとおり、
文化的、政治的、経済的存在である。
このテーマに真摯に向き合い、
膨大な知識をうまく紡いだ平芳の労作である。
これを、手軽に手にとることができるという、
なんとも贅沢な一冊である。
読み物として、誰にとっても面白い一冊だ。
普段、着ているファッションについて
立ち止まって考える機会にもなるだろう。
難しいテーマをどのように
人に、簡潔かつ深く伝えるか。
そんなヒントがいっぱいの1冊である。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/5468/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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東京以外から日本を考える
2.記事傑作選
◇「二択に留まらない判断」が鍵
常見陽平さんに聞くこれからの働き方
◇年収700万円の妻を“支えるほうがトク”
平日の家事・育児をほぼ全部する450万円夫
3.書評 ほんのひとこと
『東大ファッション論集中講義』が面白すぎて
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【東京以外から日本を考える】
2月です。春休み期間なのですが、
今年はスケジュールをみると、
ゆっくりする時間がほぼなく。
講演、執筆、メディア出演、
来期の準備などで終わっていきそうです。
そして、毎週、日本のどこかにいる感じで。
2月15日 15時よりジュンク堂書店
那覇店にてトークショー、夜に交流会
https://d.bmb.jp/9/1454/5458/XXXX
2月22日 14時より
江別 蔦屋書店にてトークイベント
https://d.bmb.jp/9/1454/5459/XXXX
などのイベントの他、
個別の出張がいくつかあり。
2月15日17時より久々にMXテレビの
田村淳さんの番組に出るのですが、
沖縄からリモートでございます。
日本のどこかにいます。
コロナでいったん止まったものの、
こういう生活を25年くらいしており。
リクルートでじゃらんnetを担当していた頃は、
プロジェクターと資料を持って
全国の観光地で講演をしており。
バンダイで採用担当をしていた頃も、
やはり全国の大学をまわっており。
国内出張なら、5~10分で準備を終え、
旅立つことができ。
空港、駅に到着した瞬間が好きで。
「同じ空は一つもない」と、当時も実感しており。
それぞれの街で人々の暮らしがあり。
仕事、学びの場があるのです。
東京以外から日本をみるという視点は大切です。
はい。
先日は山形出張があり。
大雪かつ、異音騒動があり、
新幹線のダイヤが乱れまくっていたのですが。
冷静に対応する乗客の様子が印象的でした。
会場到着が困難だとわかり、
新幹線の中で米沢のビジネスホテルを、
じゃらんnetで予約し。
14時40分台に駅に到着し、5分歩いてホテルに。
微妙に早めにチェックインをさせてもらい、
15時から配信でした。ふー。
山形に移動し、バンダイで
カード事業部の営業のエースとして、
キャラクターカードの市場づくりに奮闘し、
Uターンした後、現在は県議として活躍している
石塚慶さんと感動の再会。
いやあ、相変わらず気持ちいい方でした。
私が人事の頃、大変に忙しい中、
企業説明会などにご協力頂き。
石塚さんは関西の大学出身なのですが、
よく母校や、大阪での説明会に、
忙しい中、駆けつけてくれて。
彼のおかげで、関西からたくさんの若者が
バンダイを受けてくれました。
実に17年ぶりくらいに再会する
石塚さんとの会話は大変に面白く。
地元のこと、国のことを考える
優しくて、熱い視点に感激しました。
人口減少、産業振興、災害対策など、
東京とは一部、異なる課題があり。
東京から視点で考えていては、
世の中は理解できません。
東京だけ見ていても、ネットだけ見ていても、
ダメなのですよ。
複数の視点から考えるというのは、
大学人としても、評論家としても、
親としても大事にしていることです。
「地方は遅れている」「田舎は古い」
と断じるのもナンセンスで、
各地の奮闘、模索に注目したいところです。
もっとも、この件に関しては、
地方の10代女性は地元進学を促されることが多く。
さらには、東京に一極集中する理由の一つに、
20代、30代の女性にとって暮らしやすく、
働きやすいという指摘もあり。
それぞれ、向き合わなくてはならないのですよね。
さて。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5460/XXXX
関連のメディア露出、
イベントラッシュでございます。
十数年前に
「饒舌大陸」というニコ生番組でお世話になった、
講談社広部潤さんに
素敵なインタビューをまとめて頂きました。
↓
「就職氷河期世代」で「ロスジェネ」の
“50代・日本人”に希望はないのか…?
常見陽平さんが語る
「50歳からの人生を最高に楽しくする方法」と
「希望の50代論」に込めた思い!
【前編】
https://d.bmb.jp/9/1454/5461/XXXX
【後編】
https://d.bmb.jp/9/1454/5462/XXXX
今後もインタビュー掲載ラッシュです。
よろしくお願いします!
そして!3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
クラブチッタのステージでお会いしましょう!
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出社かリモートか「二択に留まらない判断」が鍵
常見陽平さんに聞くこれからの働き方
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年収700万円の妻47歳を“支えるほうがトク”と、
平日の家事・育児をほぼ全部する夫
450万円の51歳「係長への昇進は断りました」
https://d.bmb.jp/9/1454/5466/XXXX
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3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【『東大ファッション論集中講義』が面白すぎて】
大学教員になったときに、同業の母親や、
高校の友人から言われたことがある。
それは「講演と講義は違う」ということだ。
もう15年くらい前に出会った言葉なのだが、
日々、痛感している。
講義が上で、講演が下だ、などと
言うつもりはもちろんない。その前提で。
13~15回の講義
(最近の大学では105分講義が増えており、
そのため、
1科目が13回ということがあるのだ)で、
体系的な知識を伝えなくてはならない。
その組み立て、深さをどう設計するか。
何より受講生が、この科目の到達目標を
達成するためにはどうするか、
模索しなくてはならない。
「他の先生は、どんな講義をしているのだろう?」
指導法も、専門分野について、
どのように補助線を引き、
学生に伝えているのか、気になる。
思えば、大学時代には「名物教員」と言われる
先生の講義を聞く機会があり。
指導教員の竹内弘高先生だけでなく、
一條和生先生、楠木建先生、
伊藤邦雄先生、米倉誠一郎先生、
さらにはゲスト枠だったが、
最近、鬼籍に入られた
野中郁次郎先生の講義を聞く機会もあり。
社会学部時代は、吉田裕先生の
「政治学」という名の、
太平洋戦争前後の話をひたすら聞く講義もあり。
今でいうアクティブラーニングの要素が
多めのものもあれば、
ひたすら座学というものもあり。
ただ、教員は気をつけないと、
自分の学生時代に受けていた講義、
影響を受けた講義が染み付いており。
アップデートされない。
大学の講義は、アクティブラーニングの推進、
ICTの利活用などが進んでいる。
一方、知識を体系化して伝えること、
知的刺激を与えることをサボってはいけない。
徹頭徹尾、座学の講義で、
知的熱狂がある講義というものも存在する。
『東大ファッション論集中講義』
(平芳裕子 ちくまプリマー新書)を
手にとり、考えたい。
https://d.bmb.jp/9/1454/5467/XXXX
東京大学文学部史上初のファッション講義を
実況中継するものである。
「衣食住」と呼ぶが、それぞれが文化的であり、
経済的であり、さらには政治的な存在である。
人類が「衣類」「服」「ファッション」と
どう向き合ってきたかがわかる本である。
知的刺激がてんこ盛りな1冊である。
内容においては個人的には、明治以降、
日本人になぜ、どのように
洋服が広がったのかという点が刺さった。
なぜ、ココ・シャネルが
歴史に残るデザイナーなのかという話も。
もっとも、大学教員視点では、
講義の組み立てという点が、
刺さりまくり、響きまくりだった。
こんな流れだ
集中講義1日目 西洋のパラダイム
第1講 裁断と縫製――衣服に起源はあるのか
第2講 言葉と学問――ファッションは何を意味するのか
第3講 作法と流行――ファッションはなぜ女性のものとなったのか
集中講義2日目 近代がもたらしたもの
第4講 自由と拘束――女性の身体は解放されるのか
第5講 モデルと複製――ファッションデザインの近代
第6講 メディアとイメージ――衣服がファッションになるとき
集中講義3日目 創造性への問いかけ
第7講 展示と鑑賞――ミュージアムのファッション展
第8講 身体と表象――ファッションとアートの接近
第9講 名と言説――シャネルはなぜ評価されるのか
集中講義4日目 歴史と未来をつなぐ
第10講 女性と労働――お針子像は消えたのか
第11講 日本と近代――洋服とはなんだったのか
第12講 批評と研究――ファッション学からファッションスタディーズへ
なんて素敵な組み立てなんだろう。
そもそも、ファッションとは、前述したとおり、
文化的、政治的、経済的存在である。
このテーマに真摯に向き合い、
膨大な知識をうまく紡いだ平芳の労作である。
これを、手軽に手にとることができるという、
なんとも贅沢な一冊である。
読み物として、誰にとっても面白い一冊だ。
普段、着ているファッションについて
立ち止まって考える機会にもなるだろう。
難しいテーマをどのように
人に、簡潔かつ深く伝えるか。
そんなヒントがいっぱいの1冊である。
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