常見陽平メルマガ『陽平界通信』第330号 「卒業式は自由な人生の葬式ではない」/「わかったつもり」をなんとかする
2025/03/19 (Wed) 07:30
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◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第330号
◆◆ 2025.3.19 配信
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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名刺交換・メールのやり取りなどをした方に
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配信停止を希望される方は、文末のURLから
配信停止の手続きをお願いします。
なお、メールの転送をされている場合は、
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
卒業式は自由な人生の葬式ではない
2.記事傑作選
◇【新連載】ダイヤモンド・オンライン
高学歴ショック人間大集合!
慶應卒・元博報堂のプロレスラーが
リングで見せた“慟哭”
3.書評 ほんのひとこと
「わかったつもり」をなんとかする
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【卒業式は自由な人生の葬式ではない】
明日は、勤務先
千葉商科大学の卒業式です。
今回の卒業式は、私にとって特別で。
すでにこのメルマガや
SNSでお知らせしておりますが、
4月から所属学部が変わり。
千葉商科大学の基盤教育機構の准教授となります。
簡単に言うと、全学の共通教育科目、
導入科目などを担当します。
私がプロデュースした、科目「自分未来ゼミ」
も始まります。
学部・学科をこえた新入生が、毎週、
車座になって語り合う科目です。
↓大学ジャーナルオンラインで紹介されました。
放課後の教室で仲間と語らうような時間を。千葉商科大学が「自分未来ゼミ」に寄せる期待
https://d.bmb.jp/9/1454/5717/XXXX
現在、所属している国際教養学部は2024年度で募集停止となり。
4月以降の在校生は、2、3、4年生となります。
引き続き、同学部の科目は担当します。
ただ、今後は教授会にも基本、出席せず。
今年の4年生でゼミもいったん終了で。
2027年までゼミを持ちません。
たくさんの方にご協力頂き
2つのチームがそれぞれ
「ワークプレイスとしての新都心の課題」
「女性の社会的地位と不倫ドラマの変化」
という秀逸な卒論を仕上げました。
ゼミテン(ゼミナリステンの略)の
成長に立ち会うことができ、
さらに、最初の読者になることができ、感謝です。
お陰様で、学部内で最も応募者が多いゼミだった
わけですけど。
こういうときに「あそこはメンバーがいいから」
という人もいるわけですが。
いやいや、そんな学生を育てる
というのも責任重大なのですから。
常見のもとで学ぶということは
彼ら彼女たちにとって
どういうことなのかを
考えつつ、模索する日々でした。
竹内弘高先生を始めとする
学部時代の恩師に影響を受けつつも、
コピーするわけではなく。
最高にかっこいいゼミを目指しました。
学部設立と同時に着任し。
学部をつくるということ、アップデートすること、
閉じること、一通り学びました。
ウチの学部に限らず、グローバル系学部の
変遷というか栄枯盛衰についても体感し。
少人数教育、クオーター制など、
一時「よかれ」と思って
導入されたことの功罪についても。
「大学改革」の嵐を現場で感じる10年間でした。
ゲストスピーカーとして来て頂いたり、
卒論の相談にのって頂いたり、
学生が就活でお世話になったりと、
皆さんに多大なるご協力を頂きました。
ありがとうございました。
毎年、卒業式には、卒業動画を、
大学から予算をもらうわけでもなく、
頼まれたわけでもなく、勝手につくるわけですが。
それも、今年で終わりです。
毎年、ムサビ時代の教え子と
つくっていたのですが。
最も一緒に動画をつくった仲間、Kim Doheeと、
気づけば20年以上の付き合いになるDJと、
力作をつくりあげました。
過去最長、7分の超大作で、
涙あり、笑いありの作品となりました。
この動画、リクルート、バンダイの
送別会のノリ、そのままです。
いや、盛り上げ策のようで
これはこれで、大事な学びの振り返りなのです。
「卒業」について、徒然なるままに語ります。
が、本当に徒然なるままに語ったら、
毎年、同じようなことを書いてしまう気がして。
ちょうど31年前に発表され、
29年前くらいに読んだ、論考の話をします。
一橋大学名誉教授で、現在、
早稲田大学商学学術院教授であり、
日本生産性本部経営アカデミー学長の
沼上幹先生による、「卒業式を
「自由な人生」の葬式だと思っている学生諸君へ」
という論考です。
『創造するミドル』
(金井壽宏・沼上幹・米倉誠一郎編 有斐閣)
という本に収録されています。
・・・検索したら、2021年にもさらりと紹介していました。
すみません。
でも、大事なことなので、書きますね。
実は、私の人生にも
大きく影響を与えている論考であり、
何度も読み返しています。
この論考のキーとなるメッセージは、
決定論的世界観(どこかに<答え>がある、
世界は決定されているという考え方)に
染まるなということです。
これは大学生が持ってしまいがちな考え方だと。
ただ、社会は非決定論的世界であるわけです。
企業の中に複雑な相互作用がある限り、
原理的に決定論的世界にはなりえないのです。
「戦略スキーマ」を持たない人は、
そのような状況の中で、
命じられるがままに動いてしまうのだ、と。
一方、世の中の動きを読み解き、
自らの構想を練り上げていく
概念的スキルを身につける、
つまり「自分の頭を使ってモノを考える作業と、
その自分の行っている思考作業自体を
批判的に検討しなおす反省作業の
両方を含んだ思考作業が出来る」
ようになっていると、
非決定論的な世界を
自らの眼前に切り開くことが出来るのだ、と。
テクニカルなことを身につける一方で、
それを重要だと思い込むな、
それを使って頭を働かせよ、
自分の理解を超えた難しい本を読め。
そんなメッセージが突き刺さり。
ますます、世の中は
非決定論的世界になっている(と感じる)にも関わらず、
決定論的世界を求める人が(若者に限らず)
増えていないかと。
AIが諸々、代替する時代に、
自分の頭で考える、
さらには心で感じることは
ますます大事だなと思う今日このごろです。
理解を超えたものに向き合う機会、
時間をつくる勇気も。
いや、これは
ごく普通の大学の教員が、
入学式や最初の講義で、
さらには卒業式で言うことと重なる部分があり。
男女の格差を指摘したとまとめられがちな、
2019年の上野千鶴子東大入学式スピーチですが、
私はその指摘を重く受け止めつつも、
後半の学問に対する向き合い方の話が好きで。
つながる何かがあります。
一方、個人的に強烈に違和感を抱いているのは、
企業を退職することを「卒業」と呼ぶ風潮であり。
まさにリクルートはその権化なのですけど。
多くの人にとっては「卒業」よりも
「中退」が正しいのではないか、と。
ちゃんと必修の単位をとったのか、
卒論を書いたのか、と。
そして、一生働き、一生学ぶ時代においては
「卒業」の連続で。
ときに再入学もあるわけで。
この時期、投稿される
「退職・転身ポエム」を味わいつつ。
私自身、大学を出て
もう30年近くになるわけですが。
日々、学園祭の前日のような日々を送っています。
今日が人生で一番若い日。
そして、昨日、死んだ人が
どうしても生きたかった日なのです。
だから、今日もやんちゃするのです。
どんな苦労も、失敗も
「情熱大陸」に「上陸」するときには
最高のエピソードなわけです。
さ、新章を楽しみますかね!
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5718/XXXX
をよろしくお願いします。
皆さん、レビュー投稿などぜひ。
もし、まだ手に取っていない方が
いらっしゃいましたら、ぜひ。
先日の江別でのイベントの
インスタライブのアーカイブが
よく視聴されているようです。ぜひ。
https://d.bmb.jp/9/1454/5719/XXXX
3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
https://d.bmb.jp/9/1454/5720/XXXX
出番が決まり、
12時半から出演ということになりました。
学生さんは学生証提示で入場無料です
(なお、卒業式をむかえて、
学生証を返却している方は通常料金です)。
クラブチッタのステージでお会いしましょう!
その他、3月23日(日)は
大学の卒業イベントで、バウハウス六本木で、
4月5日(土)は
墨田区の向島あたりで演奏します。
6月7日には、対バンイベントに出演。
6月14日もイベント出演です。
ぜひ。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5721/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5722/XXXX
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◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
【新連載】ダイヤモンド・オンライン
高学歴ショック人間大集合!
「社会での挫折を
挫折って認めたくなかったんだよ!」
慶應卒・元博報堂のプロレスラーが
リングで見せた“慟哭”
https://d.bmb.jp/9/1454/5723/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━
3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【「わかったつもり」をなんとかする】
春だ。職場に新入社員がやってくる。
学校法人にも、新しい教員、職員がやってくる。
会社員時代の新人時代というのは、
いまだに思い出したくない時代であり。
毎日のように、社内でも、取引先でも叱られた。
「お前は、人の話を、全然、聞けていない」
と言われた。
そのときは、
「いや、必死に頷き、メモをとっているのに」と。
ただ、数年後、言葉の意味がわかった。
全然、話を聞いて、聴いて、訊いて、いなかった。
そして「利く」という
コミュニケーションの配慮も足りなかった。
院生時代は「君は、答を早く出しすぎる」と、
よく注意された。
ビジネスの世界に慣れすぎたとも言えるが、
いや、そのビジネスの世界でも、
すぐ答を出せばいいというわけではない。
世の中は「わかったつもり」で
動いてしまっている。
忙しい現代社会においては、
ついついスマホ、SNSに頼ってしまう。
いや、これらも使い方次第なのだが。
「わかったつもり」が加速する。
ロングセラーとして、書店でプッシュされていた
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』
(西林克彦 光文社新書)を
手にとって考えてみた。
https://d.bmb.jp/9/1454/5724/XXXX
2005年の本だ。
ちょうど20年前に世に出て、
現在、20万部を突破している。
光文社新書が始まったのが2001年だから、
初期の作品ということになる。
この本が秀逸なのは、
なぜ「わかったつもり」になってしまうのか、
これを実例、理論をもとに
丁寧に説明していることである。
一見するとやさしい文章も、
「わかったつもり」になってしまい、
読めていないことに気づく。
「読み」が「深まっていない」のである。
その上で、「読み」における
「文脈」の働きが解き明かされ、
様々な「わかったつもり」の類型が提示される。
「わかったつもり」の状態を脱するための
考え方、方法が惜しげもなく明かされる。
新たな意味を引き出し、
矛盾・無関連を自覚した上で
「わからない」状態を作り出したうえで、
新たな関連付けによる「よりわかった」状態に
至るまでのプロセスが提示される。
日常的な「わかったつもり」の世界が壊され、
新たな視界が広がる。
実は昨年のベストセラーであり、
新書大賞を受賞した三宅香帆の本や、
ファスト教養論、タイパ志向の話にも
つながる話であり、これがなぜ
20年後に再評価されているかがよくわかった。
スマホ、SNS時代は
「わかったつもり」をますます誘発しやすい。
読解力を深めることによって、私たちは
デマや扇動からも逃げられるかもしれない。
今こそ読みたい一冊である。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/5725/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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◆◆◆ 『陽平界通信』第330号
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1.巻頭言
卒業式は自由な人生の葬式ではない
2.記事傑作選
◇【新連載】ダイヤモンド・オンライン
高学歴ショック人間大集合!
慶應卒・元博報堂のプロレスラーが
リングで見せた“慟哭”
3.書評 ほんのひとこと
「わかったつもり」をなんとかする
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1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【卒業式は自由な人生の葬式ではない】
明日は、勤務先
千葉商科大学の卒業式です。
今回の卒業式は、私にとって特別で。
すでにこのメルマガや
SNSでお知らせしておりますが、
4月から所属学部が変わり。
千葉商科大学の基盤教育機構の准教授となります。
簡単に言うと、全学の共通教育科目、
導入科目などを担当します。
私がプロデュースした、科目「自分未来ゼミ」
も始まります。
学部・学科をこえた新入生が、毎週、
車座になって語り合う科目です。
↓大学ジャーナルオンラインで紹介されました。
放課後の教室で仲間と語らうような時間を。千葉商科大学が「自分未来ゼミ」に寄せる期待
https://d.bmb.jp/9/1454/5717/XXXX
現在、所属している国際教養学部は2024年度で募集停止となり。
4月以降の在校生は、2、3、4年生となります。
引き続き、同学部の科目は担当します。
ただ、今後は教授会にも基本、出席せず。
今年の4年生でゼミもいったん終了で。
2027年までゼミを持ちません。
たくさんの方にご協力頂き
2つのチームがそれぞれ
「ワークプレイスとしての新都心の課題」
「女性の社会的地位と不倫ドラマの変化」
という秀逸な卒論を仕上げました。
ゼミテン(ゼミナリステンの略)の
成長に立ち会うことができ、
さらに、最初の読者になることができ、感謝です。
お陰様で、学部内で最も応募者が多いゼミだった
わけですけど。
こういうときに「あそこはメンバーがいいから」
という人もいるわけですが。
いやいや、そんな学生を育てる
というのも責任重大なのですから。
常見のもとで学ぶということは
彼ら彼女たちにとって
どういうことなのかを
考えつつ、模索する日々でした。
竹内弘高先生を始めとする
学部時代の恩師に影響を受けつつも、
コピーするわけではなく。
最高にかっこいいゼミを目指しました。
学部設立と同時に着任し。
学部をつくるということ、アップデートすること、
閉じること、一通り学びました。
ウチの学部に限らず、グローバル系学部の
変遷というか栄枯盛衰についても体感し。
少人数教育、クオーター制など、
一時「よかれ」と思って
導入されたことの功罪についても。
「大学改革」の嵐を現場で感じる10年間でした。
ゲストスピーカーとして来て頂いたり、
卒論の相談にのって頂いたり、
学生が就活でお世話になったりと、
皆さんに多大なるご協力を頂きました。
ありがとうございました。
毎年、卒業式には、卒業動画を、
大学から予算をもらうわけでもなく、
頼まれたわけでもなく、勝手につくるわけですが。
それも、今年で終わりです。
毎年、ムサビ時代の教え子と
つくっていたのですが。
最も一緒に動画をつくった仲間、Kim Doheeと、
気づけば20年以上の付き合いになるDJと、
力作をつくりあげました。
過去最長、7分の超大作で、
涙あり、笑いありの作品となりました。
この動画、リクルート、バンダイの
送別会のノリ、そのままです。
いや、盛り上げ策のようで
これはこれで、大事な学びの振り返りなのです。
「卒業」について、徒然なるままに語ります。
が、本当に徒然なるままに語ったら、
毎年、同じようなことを書いてしまう気がして。
ちょうど31年前に発表され、
29年前くらいに読んだ、論考の話をします。
一橋大学名誉教授で、現在、
早稲田大学商学学術院教授であり、
日本生産性本部経営アカデミー学長の
沼上幹先生による、「卒業式を
「自由な人生」の葬式だと思っている学生諸君へ」
という論考です。
『創造するミドル』
(金井壽宏・沼上幹・米倉誠一郎編 有斐閣)
という本に収録されています。
・・・検索したら、2021年にもさらりと紹介していました。
すみません。
でも、大事なことなので、書きますね。
実は、私の人生にも
大きく影響を与えている論考であり、
何度も読み返しています。
この論考のキーとなるメッセージは、
決定論的世界観(どこかに<答え>がある、
世界は決定されているという考え方)に
染まるなということです。
これは大学生が持ってしまいがちな考え方だと。
ただ、社会は非決定論的世界であるわけです。
企業の中に複雑な相互作用がある限り、
原理的に決定論的世界にはなりえないのです。
「戦略スキーマ」を持たない人は、
そのような状況の中で、
命じられるがままに動いてしまうのだ、と。
一方、世の中の動きを読み解き、
自らの構想を練り上げていく
概念的スキルを身につける、
つまり「自分の頭を使ってモノを考える作業と、
その自分の行っている思考作業自体を
批判的に検討しなおす反省作業の
両方を含んだ思考作業が出来る」
ようになっていると、
非決定論的な世界を
自らの眼前に切り開くことが出来るのだ、と。
テクニカルなことを身につける一方で、
それを重要だと思い込むな、
それを使って頭を働かせよ、
自分の理解を超えた難しい本を読め。
そんなメッセージが突き刺さり。
ますます、世の中は
非決定論的世界になっている(と感じる)にも関わらず、
決定論的世界を求める人が(若者に限らず)
増えていないかと。
AIが諸々、代替する時代に、
自分の頭で考える、
さらには心で感じることは
ますます大事だなと思う今日このごろです。
理解を超えたものに向き合う機会、
時間をつくる勇気も。
いや、これは
ごく普通の大学の教員が、
入学式や最初の講義で、
さらには卒業式で言うことと重なる部分があり。
男女の格差を指摘したとまとめられがちな、
2019年の上野千鶴子東大入学式スピーチですが、
私はその指摘を重く受け止めつつも、
後半の学問に対する向き合い方の話が好きで。
つながる何かがあります。
一方、個人的に強烈に違和感を抱いているのは、
企業を退職することを「卒業」と呼ぶ風潮であり。
まさにリクルートはその権化なのですけど。
多くの人にとっては「卒業」よりも
「中退」が正しいのではないか、と。
ちゃんと必修の単位をとったのか、
卒論を書いたのか、と。
そして、一生働き、一生学ぶ時代においては
「卒業」の連続で。
ときに再入学もあるわけで。
この時期、投稿される
「退職・転身ポエム」を味わいつつ。
私自身、大学を出て
もう30年近くになるわけですが。
日々、学園祭の前日のような日々を送っています。
今日が人生で一番若い日。
そして、昨日、死んだ人が
どうしても生きたかった日なのです。
だから、今日もやんちゃするのです。
どんな苦労も、失敗も
「情熱大陸」に「上陸」するときには
最高のエピソードなわけです。
さ、新章を楽しみますかね!
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5718/XXXX
をよろしくお願いします。
皆さん、レビュー投稿などぜひ。
もし、まだ手に取っていない方が
いらっしゃいましたら、ぜひ。
先日の江別でのイベントの
インスタライブのアーカイブが
よく視聴されているようです。ぜひ。
https://d.bmb.jp/9/1454/5719/XXXX
3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
https://d.bmb.jp/9/1454/5720/XXXX
出番が決まり、
12時半から出演ということになりました。
学生さんは学生証提示で入場無料です
(なお、卒業式をむかえて、
学生証を返却している方は通常料金です)。
クラブチッタのステージでお会いしましょう!
その他、3月23日(日)は
大学の卒業イベントで、バウハウス六本木で、
4月5日(土)は
墨田区の向島あたりで演奏します。
6月7日には、対バンイベントに出演。
6月14日もイベント出演です。
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「社会での挫折を
挫折って認めたくなかったんだよ!」
慶應卒・元博報堂のプロレスラーが
リングで見せた“慟哭”
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3.書評 ほんのひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
【「わかったつもり」をなんとかする】
春だ。職場に新入社員がやってくる。
学校法人にも、新しい教員、職員がやってくる。
会社員時代の新人時代というのは、
いまだに思い出したくない時代であり。
毎日のように、社内でも、取引先でも叱られた。
「お前は、人の話を、全然、聞けていない」
と言われた。
そのときは、
「いや、必死に頷き、メモをとっているのに」と。
ただ、数年後、言葉の意味がわかった。
全然、話を聞いて、聴いて、訊いて、いなかった。
そして「利く」という
コミュニケーションの配慮も足りなかった。
院生時代は「君は、答を早く出しすぎる」と、
よく注意された。
ビジネスの世界に慣れすぎたとも言えるが、
いや、そのビジネスの世界でも、
すぐ答を出せばいいというわけではない。
世の中は「わかったつもり」で
動いてしまっている。
忙しい現代社会においては、
ついついスマホ、SNSに頼ってしまう。
いや、これらも使い方次第なのだが。
「わかったつもり」が加速する。
ロングセラーとして、書店でプッシュされていた
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』
(西林克彦 光文社新書)を
手にとって考えてみた。
https://d.bmb.jp/9/1454/5724/XXXX
2005年の本だ。
ちょうど20年前に世に出て、
現在、20万部を突破している。
光文社新書が始まったのが2001年だから、
初期の作品ということになる。
この本が秀逸なのは、
なぜ「わかったつもり」になってしまうのか、
これを実例、理論をもとに
丁寧に説明していることである。
一見するとやさしい文章も、
「わかったつもり」になってしまい、
読めていないことに気づく。
「読み」が「深まっていない」のである。
その上で、「読み」における
「文脈」の働きが解き明かされ、
様々な「わかったつもり」の類型が提示される。
「わかったつもり」の状態を脱するための
考え方、方法が惜しげもなく明かされる。
新たな意味を引き出し、
矛盾・無関連を自覚した上で
「わからない」状態を作り出したうえで、
新たな関連付けによる「よりわかった」状態に
至るまでのプロセスが提示される。
日常的な「わかったつもり」の世界が壊され、
新たな視界が広がる。
実は昨年のベストセラーであり、
新書大賞を受賞した三宅香帆の本や、
ファスト教養論、タイパ志向の話にも
つながる話であり、これがなぜ
20年後に再評価されているかがよくわかった。
スマホ、SNS時代は
「わかったつもり」をますます誘発しやすい。
読解力を深めることによって、私たちは
デマや扇動からも逃げられるかもしれない。
今こそ読みたい一冊である。
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