常見陽平メルマガ『陽平界通信』 第331号 「影響」の連鎖/音楽と反抗、反逆
2025/03/26 (Wed) 09:55
◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第331号
◆◆ 2025.3.26配信
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、
名刺交換・メールのやり取りなどをした方に
送信しております。
配信停止を希望される方は、文末のURLから
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なお、メールの転送をされている場合は、
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◆◆◆━━━━━━━━━━━━━
今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
「影響」の連鎖
2.記事傑作選
◇慶應→博報堂→プロレスラーに転身した男が
「もっと会社員をやっておけば…」
◇平熱で「働き直し」を考える
3.僕の音楽
日本のロックと「反逆」「反抗」
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【「影響」の連鎖】
最近の感動を共有しましょう。
もう四半世紀の付き合いになる、
尊敬する先輩が還暦を迎え。
還暦祝いに
「自分に影響を与えた人、10人とディナー」
という企画をするのですって。
私の車の助手席に座った彼が
「10人のうちの1人は、君だから」と言われ。
嬉しくて、涙、涙でした。
先週は卒業式で。
私が今の学部でつくる、
最後の卒業動画も上映され、
笑いと涙が広がったのですが。
先週末は学部の卒業パーティーがあり。
バウハウス六本木で盛り上がりました。
「今日が本当の卒業式」
という学生の言葉に、ウルッときて。
学生たちのバンド演奏、DJは
「あぁ、成長したなぁ」という感じで。
スナックの提供もみんな、
ナイスなチームワークで。
新型コロナウイルスショックの影響で
サークル活動が停滞気味になった中、
これだけのイベントを
学生主体に運営しているのはすごいな、と。
最後は、彼ら彼女たちがつくった
4年間の思い出ムービーが流れ。
さらに、私へのサプライズが用意されていて。
学生たちと私の日々をまとめたムービーが
別に流れ。涙、涙でした。
ムービーの中でも、学生のスピーチでも、
私が学生たちに伝えてきたこと
「今日が人生で一番若い日」
「“異なる”ことを大切にする」
「少数派であることをおそれない」
という言葉が引用されていて。
学生たちが号泣していて、
なんて熱い空間なんだろうと思いましたよ。
あぁ、届いているなと思った次第です。
数回前のメルマガで
「似ている」論を書いたのですが。
世の中は「影響」で動いています。
中でも、親、先生、上司は
近い距離におり、立場からも影響を与えやすく。
ときにそれは暴力的になる危険性を
はらんでいるのですけど。
特に今回は先生と教え子の関係での
「影響」ではあるのですが。
自分だけでは社会や会社を変えられないけれど、
自分の影響を受けた人が
変えてくれるかもしれないわけで。
教育者、評論家、コンサルタントの仕事は
社会や会社を変える人を
増やす仕事なのだと思って、
社会の変え方を変える仕事なのだと思って
日々取り組んでいます。はい。
ただ、教育者としては、ここ数年で、
また一皮むけたと思うのですが。
評論家として、やや停滞しているなと思い。
私から影響を受けた人たちというのが
まだまだいないと思うのです。
いや、たまに
私の本をキッカケで物書きを志した人
と会うのですけど。
いや、影響を与えるために
仕事をしているわけではないですが。
残る何かを生み出すために、
今日も一歩前に進みますね。
ところで、
私が与えた影響って何なのでしょうね?
一応、教育者として、評論家として、
コンサルタントとして、ベーシストとして、
さらには人間として、
こだわっていることはあります。
第3くらいの視点を提供することというか。
強烈な色というか。
「やりたい」こともそうですけど
「ありたい」にこだわっていることとか。
ただ、口で言っているだけではなく、
それを実践し続けているから、なのですかね。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5803/XXXX
をよろしくお願いします。
久々に連絡をとった尊敬する編集者から、
この本で一歩、
次の段階に進んだと言われました。
嬉しいです。
皆さん、レビュー投稿などぜひ。
もし、まだ手に取っていない方が
いらっしゃいましたら、ぜひ。
先日の江別でのイベントの
インスタライブのアーカイブが
よく視聴されているようです。ぜひ。
https://d.bmb.jp/9/1454/5804/XXXX
3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
https://d.bmb.jp/9/1454/5805/XXXX
出番が決まり、
12時半から出演ということになりました。
学生は学生証提示で入場無料です
(なお、卒業式を迎えている方は通常料金です)。
クラブチッタのステージでお会いしましょう!
こちらで取り置き可能です。
お目当てのバンドで
THE BULL HEARTS TOKYOを選択してください。
https://d.bmb.jp/9/1454/5806/XXXX
4月5日(土)は
墨田区向島 鳩の街通り商店街で演奏します。
13時半からのようです。
5月5日にも墨田区でライブが。
6月7日には、対バンイベントに出演。
6月14日もイベント出演です。
ぜひ。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5807/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/5808/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
慶應→博報堂→プロレスラーに転身した男が
「もっと会社員をやっておけば…」と
後悔するワケ
https://d.bmb.jp/9/1454/5809/XXXX
博報堂生活総合研究所みらい博2025
「働き直し」特別寄稿:
平熱で「働き直し」を考える
https://d.bmb.jp/9/1454/5810/XXXX
◆◆━━━━━━━━━
3.僕の音楽
━━━━━━━━━━◆◆
【日本のロックと「反逆」「反抗」】
この3月末まで、
ちょうど10年間所属した学部は、
留学が必修だった。
一時、私も留学担当をしていた。
留学先では自分で研究テーマを設定して
レポートを書くという課題があり。
1年に1~2人くらい、
音楽をテーマにする学生がおり。
ある年、「反逆の音楽」という
テーマのレポートを書いてきた学生がいた。
あらゆるジャンルの、政治的なメッセージ、
社会への問題提起をした
アーティストを取り上げるというものだ。
かなり趣味に入っていたし、文献調査が中心で
日本にいてもできるのではないかと思いつつも、
学生の熱を感じ、このテーマで書いてもらった。
何度も蒸し返される
「日本にロックなんてあるのか?」
という面倒くさい議論がある。
もっというと、
「ロックは反逆、反抗の音楽だ。
日本のロックは商業的すぎないか」と。
この議論は、ときに炎上や、
さらには乱闘すら誘発する。
この論争でどれだけの涙と、
ときには血が流れてきたか。
我々は認識する必要がある。
そして、サブカル談義
のようで、実は深い。
よくある「日本対欧米」
「日本の、日本人の、ここが変だ」論とも重なる。
批判的思考の練習問題ですらある。
本当に日本対欧米という図式が成り立つのか。
過去・現在・未来など
時系列で考えるとどうなるか。
そもそも「反逆」「反抗」とは何なのか。
それは歌詞で表現するのか、曲なのか、
アーティストのアティチュードや
ライフスタイルなのか。
それをファンや、世間一般はどう捉えたのか、
などだ。
「欧米」というが、欧と米では異なる。
ヒット曲、名曲も
内容は「反抗」「反逆」どころか、
ゲスいことだってある。
たとえば、マイケル・ジャクソンの
最も売れた曲であり、
私がベースの基礎練習をする際の曲
「ビリー・ジーン」は、
捉えようによってはゲスの極みである。
一夜をともにした女性に子供が生まれる、
その件で訴訟が起こる、
その子は私の子供ではない、
彼女にはめられた、と。
これ、週刊文春的な内容じゃないか、と。
ムーンウォークは、スキャンダルから
逃げるムーブだったのではないかと。
いや、聴く分には何から何まで
かっこいいのだけど。
ゲスいとも解釈される曲が
マイケル追悼番組などで何度も流れるという。
日本に置き換えると・・・。
想像してごらん、藤井風や米津玄師が
「一晩、ともにすごしたー」
「生まれた子供は認知しないー」
「はめられたー」と歌っている様子を。
それが世界で売れてしまったんだぜ。
涙する人もいるんだぞ。
80年代のアメリカン・ロックは、
ひたすら「彼女は超グラマーでセクシー」
「抱けば気絶」
ということを歌っていたり。
「不適切にも程がある」のは日本だけではない。
いや、日本以上にゲスいぞ。
まだ男女が一晩過ごすことを
「夜更けのコーヒーを一緒に飲む」などと
表現するのはマイルドだと感じる。
こういう曲で女性が盛り上がっている
様子を見て、複雑な心境になる。
一見、「反逆」「反抗」さらには
「政治的」に見えない発言のようで、
実際はそのようなメッセージが含まれている。
歌詞に深い意味が含まれていたり。
歌詞は平凡でも
音で怒りを表現していることもある。
何気なく歌っている
「空」「海」にも意味が含まれている。
その空はキレイな空とは限らない。
曇り、雨どころか、
爆弾がふってくることすらある。
キレイな海も、環境汚染はもちろん、
埋め立てられることや、
血の海になることすらある。
80年代、90年代の女性シンガーが歌う曲に、
「あなたと出会うまで平凡な日常を過ごしてきた」
的な歌詞があるが、
これも文字通り日常を歌っているようで、
職場や社会における女性の地位問題を
歌っているとも言えるわけだ。
いきなり話は飛ぶ。
巻頭言でふれたとおり、
今週末、3月29日は大事なライブだ。
クラブチッタ川崎のステージに立つ。
ブルーハーツのトリビュートバンドで、だ。
意外にブルーハーツの
トリビュートバンドは少ない。
私たちは日本最高峰の
ブルハトリビュートバンドを目指している。
「リンダリンダ」「人にやさしく」
「トレイン・トレイン」で知られる同バンドだが。
私はなんせ
「チェルノブイリ」と「青空」に衝撃を受け。
前者は文字通り原発事故を、
後者は差別を歌っており。
まさに政治的メッセージの発信であり、
問題提起であり反抗、反逆だった。
特に「青空」はバラード調であり。
そこに大きな問題提起がある。
ブルハが政治的なメッセージを発信したのは
これだけではなく。
歌詞の中には
「戦闘機」「原子爆弾」などの言葉が登場し。
しかも、メジャーコードの疾走感のある
ポップなパンクナンバーに合わせて
このような歌詞が届けられ。しびれた。
あらためて、80年代~90年代前半に、
このバンドが存在し、
このようなメッセージが
届けられていたことに驚き。
自分が若かったこともあるが、ブルハに限らず、
一癖も二癖もあるバンドが登場し、
痛快なロックを披露していた時代でもあった。
ただ、昔がよかったというつもりはない。
今、売れている曲についても、
その歌詞に潜む深い意味、背景を味わいたい。
うん。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/5811/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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◆◆◆ 『陽平界通信』第331号
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1.巻頭言
「影響」の連鎖
2.記事傑作選
◇慶應→博報堂→プロレスラーに転身した男が
「もっと会社員をやっておけば…」
◇平熱で「働き直し」を考える
3.僕の音楽
日本のロックと「反逆」「反抗」
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【「影響」の連鎖】
最近の感動を共有しましょう。
もう四半世紀の付き合いになる、
尊敬する先輩が還暦を迎え。
還暦祝いに
「自分に影響を与えた人、10人とディナー」
という企画をするのですって。
私の車の助手席に座った彼が
「10人のうちの1人は、君だから」と言われ。
嬉しくて、涙、涙でした。
先週は卒業式で。
私が今の学部でつくる、
最後の卒業動画も上映され、
笑いと涙が広がったのですが。
先週末は学部の卒業パーティーがあり。
バウハウス六本木で盛り上がりました。
「今日が本当の卒業式」
という学生の言葉に、ウルッときて。
学生たちのバンド演奏、DJは
「あぁ、成長したなぁ」という感じで。
スナックの提供もみんな、
ナイスなチームワークで。
新型コロナウイルスショックの影響で
サークル活動が停滞気味になった中、
これだけのイベントを
学生主体に運営しているのはすごいな、と。
最後は、彼ら彼女たちがつくった
4年間の思い出ムービーが流れ。
さらに、私へのサプライズが用意されていて。
学生たちと私の日々をまとめたムービーが
別に流れ。涙、涙でした。
ムービーの中でも、学生のスピーチでも、
私が学生たちに伝えてきたこと
「今日が人生で一番若い日」
「“異なる”ことを大切にする」
「少数派であることをおそれない」
という言葉が引用されていて。
学生たちが号泣していて、
なんて熱い空間なんだろうと思いましたよ。
あぁ、届いているなと思った次第です。
数回前のメルマガで
「似ている」論を書いたのですが。
世の中は「影響」で動いています。
中でも、親、先生、上司は
近い距離におり、立場からも影響を与えやすく。
ときにそれは暴力的になる危険性を
はらんでいるのですけど。
特に今回は先生と教え子の関係での
「影響」ではあるのですが。
自分だけでは社会や会社を変えられないけれど、
自分の影響を受けた人が
変えてくれるかもしれないわけで。
教育者、評論家、コンサルタントの仕事は
社会や会社を変える人を
増やす仕事なのだと思って、
社会の変え方を変える仕事なのだと思って
日々取り組んでいます。はい。
ただ、教育者としては、ここ数年で、
また一皮むけたと思うのですが。
評論家として、やや停滞しているなと思い。
私から影響を受けた人たちというのが
まだまだいないと思うのです。
いや、たまに
私の本をキッカケで物書きを志した人
と会うのですけど。
いや、影響を与えるために
仕事をしているわけではないですが。
残る何かを生み出すために、
今日も一歩前に進みますね。
ところで、
私が与えた影響って何なのでしょうね?
一応、教育者として、評論家として、
コンサルタントとして、ベーシストとして、
さらには人間として、
こだわっていることはあります。
第3くらいの視点を提供することというか。
強烈な色というか。
「やりたい」こともそうですけど
「ありたい」にこだわっていることとか。
ただ、口で言っているだけではなく、
それを実践し続けているから、なのですかね。
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/5803/XXXX
をよろしくお願いします。
久々に連絡をとった尊敬する編集者から、
この本で一歩、
次の段階に進んだと言われました。
嬉しいです。
皆さん、レビュー投稿などぜひ。
もし、まだ手に取っていない方が
いらっしゃいましたら、ぜひ。
先日の江別でのイベントの
インスタライブのアーカイブが
よく視聴されているようです。ぜひ。
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3月29日(土)は
KAWASAKI ROCK JAM 2025!
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出番が決まり、
12時半から出演ということになりました。
学生は学生証提示で入場無料です
(なお、卒業式を迎えている方は通常料金です)。
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こちらで取り置き可能です。
お目当てのバンドで
THE BULL HEARTS TOKYOを選択してください。
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4月5日(土)は
墨田区向島 鳩の街通り商店街で演奏します。
13時半からのようです。
5月5日にも墨田区でライブが。
6月7日には、対バンイベントに出演。
6月14日もイベント出演です。
ぜひ。
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━━━━━━━━━◆◆
慶應→博報堂→プロレスラーに転身した男が
「もっと会社員をやっておけば…」と
後悔するワケ
https://d.bmb.jp/9/1454/5809/XXXX
博報堂生活総合研究所みらい博2025
「働き直し」特別寄稿:
平熱で「働き直し」を考える
https://d.bmb.jp/9/1454/5810/XXXX
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3.僕の音楽
━━━━━━━━━━◆◆
【日本のロックと「反逆」「反抗」】
この3月末まで、
ちょうど10年間所属した学部は、
留学が必修だった。
一時、私も留学担当をしていた。
留学先では自分で研究テーマを設定して
レポートを書くという課題があり。
1年に1~2人くらい、
音楽をテーマにする学生がおり。
ある年、「反逆の音楽」という
テーマのレポートを書いてきた学生がいた。
あらゆるジャンルの、政治的なメッセージ、
社会への問題提起をした
アーティストを取り上げるというものだ。
かなり趣味に入っていたし、文献調査が中心で
日本にいてもできるのではないかと思いつつも、
学生の熱を感じ、このテーマで書いてもらった。
何度も蒸し返される
「日本にロックなんてあるのか?」
という面倒くさい議論がある。
もっというと、
「ロックは反逆、反抗の音楽だ。
日本のロックは商業的すぎないか」と。
この議論は、ときに炎上や、
さらには乱闘すら誘発する。
この論争でどれだけの涙と、
ときには血が流れてきたか。
我々は認識する必要がある。
そして、サブカル談義
のようで、実は深い。
よくある「日本対欧米」
「日本の、日本人の、ここが変だ」論とも重なる。
批判的思考の練習問題ですらある。
本当に日本対欧米という図式が成り立つのか。
過去・現在・未来など
時系列で考えるとどうなるか。
そもそも「反逆」「反抗」とは何なのか。
それは歌詞で表現するのか、曲なのか、
アーティストのアティチュードや
ライフスタイルなのか。
それをファンや、世間一般はどう捉えたのか、
などだ。
「欧米」というが、欧と米では異なる。
ヒット曲、名曲も
内容は「反抗」「反逆」どころか、
ゲスいことだってある。
たとえば、マイケル・ジャクソンの
最も売れた曲であり、
私がベースの基礎練習をする際の曲
「ビリー・ジーン」は、
捉えようによってはゲスの極みである。
一夜をともにした女性に子供が生まれる、
その件で訴訟が起こる、
その子は私の子供ではない、
彼女にはめられた、と。
これ、週刊文春的な内容じゃないか、と。
ムーンウォークは、スキャンダルから
逃げるムーブだったのではないかと。
いや、聴く分には何から何まで
かっこいいのだけど。
ゲスいとも解釈される曲が
マイケル追悼番組などで何度も流れるという。
日本に置き換えると・・・。
想像してごらん、藤井風や米津玄師が
「一晩、ともにすごしたー」
「生まれた子供は認知しないー」
「はめられたー」と歌っている様子を。
それが世界で売れてしまったんだぜ。
涙する人もいるんだぞ。
80年代のアメリカン・ロックは、
ひたすら「彼女は超グラマーでセクシー」
「抱けば気絶」
ということを歌っていたり。
「不適切にも程がある」のは日本だけではない。
いや、日本以上にゲスいぞ。
まだ男女が一晩過ごすことを
「夜更けのコーヒーを一緒に飲む」などと
表現するのはマイルドだと感じる。
こういう曲で女性が盛り上がっている
様子を見て、複雑な心境になる。
一見、「反逆」「反抗」さらには
「政治的」に見えない発言のようで、
実際はそのようなメッセージが含まれている。
歌詞に深い意味が含まれていたり。
歌詞は平凡でも
音で怒りを表現していることもある。
何気なく歌っている
「空」「海」にも意味が含まれている。
その空はキレイな空とは限らない。
曇り、雨どころか、
爆弾がふってくることすらある。
キレイな海も、環境汚染はもちろん、
埋め立てられることや、
血の海になることすらある。
80年代、90年代の女性シンガーが歌う曲に、
「あなたと出会うまで平凡な日常を過ごしてきた」
的な歌詞があるが、
これも文字通り日常を歌っているようで、
職場や社会における女性の地位問題を
歌っているとも言えるわけだ。
いきなり話は飛ぶ。
巻頭言でふれたとおり、
今週末、3月29日は大事なライブだ。
クラブチッタ川崎のステージに立つ。
ブルーハーツのトリビュートバンドで、だ。
意外にブルーハーツの
トリビュートバンドは少ない。
私たちは日本最高峰の
ブルハトリビュートバンドを目指している。
「リンダリンダ」「人にやさしく」
「トレイン・トレイン」で知られる同バンドだが。
私はなんせ
「チェルノブイリ」と「青空」に衝撃を受け。
前者は文字通り原発事故を、
後者は差別を歌っており。
まさに政治的メッセージの発信であり、
問題提起であり反抗、反逆だった。
特に「青空」はバラード調であり。
そこに大きな問題提起がある。
ブルハが政治的なメッセージを発信したのは
これだけではなく。
歌詞の中には
「戦闘機」「原子爆弾」などの言葉が登場し。
しかも、メジャーコードの疾走感のある
ポップなパンクナンバーに合わせて
このような歌詞が届けられ。しびれた。
あらためて、80年代~90年代前半に、
このバンドが存在し、
このようなメッセージが
届けられていたことに驚き。
自分が若かったこともあるが、ブルハに限らず、
一癖も二癖もあるバンドが登場し、
痛快なロックを披露していた時代でもあった。
ただ、昔がよかったというつもりはない。
今、売れている曲についても、
その歌詞に潜む深い意味、背景を味わいたい。
うん。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
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+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
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