常見陽平メルマガ『陽平界通信』第348号 賞ってなんでしょう?会社のMVP表彰、芥川賞・直木賞のモヤモヤ/人生相談:自分のクセを乗り越えたい
2025/07/30 (Wed) 07:18
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◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第348号
◆◆ 2025.7.30 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
賞って、なんでしょう?
2.記事傑作選
◇中年男性の自撮りを
「キモイ」って言わないでほしい
◇選挙雑感
3.人生相談バカ一代
自分のクセを乗り越えたい
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【賞って、なんでしょう?】
最近、経営者や人事担当者の
壁打ち相手をして、感謝されることが
多いです。
石を投げられそうですけど
2ヶ月半の長い夏休みが始まりまして。
本を1冊仕上げるのと、講演が毎週のようにあるのと、
教材動画を1本仕上げる他は、
ゆっくりインプットの時間にしたいなと思っているのですが
時間はありますので、ぜひお誘いください。
今日は「賞」について考えます。
リクルートを辞めてこの秋で20年になります。
早いものですね。
リクルートの当時の上司、トミーこと冨塚さんに
「辞めます」と面談で伝えた後、
ちょうどその夜に、日本武道館で、
ロブ・ハルフォードが復帰した
ジューダス・プリーストの来日公演を観て、
一緒に行った同期に
「さっき、辞めるって言ってきたよ」
と伝えたのでした。
あと半年、辞める時期をずらせば、
社内持ち株の評価額は倍くらいになって、
つまり、より有利な条件で辞めることができました。
いや、さらに10年くらいしがみつけば、
上場で大金持ちになっていました。
ただ、あの時期に辞めて、
バンダイとナムコの経営統合のタイミングで
バンダイに移ったことを
まったく後悔していません。
経営統合から20年なんですよね。
ソニーがバンナムHDに資本参加という
ニュースを読んで
この20年が走馬灯のように蘇りました。
そのバンダイもしがみついていたら
株価が15倍くらいになったのですよね。
これまたやはり、辞めたことを
まったく後悔していませんけど。
お金持ちになるなら、株ではなく、
自分が生み出したアウトプットで
そうなりたいのです。
いつか本がベストセラーになること
Netflixから映像化の話がくると信じて、
日々、生きています。
それはさておき、
リクルートは、何かと表彰が多い会社で。
ただ、私、表彰されたのは、
8年半でわずか(?)5回で、
四半期のMVPを1回、
敢闘賞(だったかな)を1回、
事業部内の月間表彰を1回、
新規事業コンテストの特別賞を1回、
経営への提言という論文大会で
入選か佳作で1回だったかと。
そんなものなのですよね。
こういうことを大きく伝えたら、
著者としてのセルフブランディングも
バッチリだったのでしょうけど、
そういうこともしません。
このMVP表彰は、自分が受賞していなくても、
授賞式ではテンションが上がり。
多くの場合は納得感があり。
中には自分が営業企画担当者として
全面的にサポートした人が受賞していたりもし。
受賞者をいじりつつも称える、
笑って泣けるエモい表彰コメントに熱くなり。
MVPに選ばれる人は、必ずしも
目標達成率や売上や利益の絶対額がNO.1というわけでもなく。
難易度の高い仕事をやり遂げた人、
新たなシーン、ニーズを生み出した人なども
表彰されます。
企業として、事業部として、
どのような従業員や仕事を評価するのかという
メッセージの意味も含んでいるのでしょう。
でも、たまにモヤモヤしたのも
また事実です。
瞬間風速的に大型受注を決めた人と、
安定して105%くらいで達成し続ける人と、
どちらが偉いのだろうと。
他にも表彰されるべき人はいるのではないかと。
このあたり、スポーツにおける実力の測定、
学力の測定などにも通じるものがあり。
ある期間、ある瞬間だけで評価していいのか、と。
評価と評判は全く異なります。
全く違うはずなのに、私たちは
ときに混同して話をしています。
このMVP表彰なるものは、評価のようで、
実は評判に関わる話なのではないかと。
なぜ、そんな話を思い出したかというと、
今回の芥川賞・直木賞の受賞者が
いなかったことについて、いろいろ考えており。
私は、選考委員の判断を支持しております。
そりゃ、いないこともあるだろう、と。
もっとも、その選考委員も含め、
さらには出版社や書店の関係者から、
悲鳴があがり。
芥川賞・直木賞を受賞した作品を目当てに
書店に足を運ぶ人もいるだろう、と。
この件については、すでに私の見解を
朝日新聞コメントプラスやnoteに
公開しております。
こちらのnoteの記事は無料で読めるので、
よろしければ
(前回のメルマガでも紹介しましたね)。
「芥川賞・直木賞の該当作品なしで
騒ぐんじゃねえ!」作家の末期症状
https://d.bmb.jp/9/1454/6532/XXXX
ちょうど日経の7月28日(月)の朝刊の文化面で、
芥川賞・直木賞が受賞ゼロだった件について
紹介されており。
芥川賞・直木賞ゼロの衝撃:日本経済新聞
https://d.bmb.jp/9/1454/6533/XXXX
この記事にあるとおり、80年代は
受賞作なしのことが多かったのですよね。
たしかにこの頃、うろ覚えではありますが、でも、
「受賞作なし」のニュースを見聞きしたような。
村上春樹も吉本ばななも、
候補に入っても受賞はしなかったのですよね。
まあ、売れましたけど。
ここでも、賞とは何かを考えてしまったのです。
この文学に関する賞もそうですが。
(もともと)何を目的とした賞で、
どんなふうに選考されるのか、と。
芥川賞・直木賞は
同賞の過去の受賞者など著名な作家が
選考委員になるわけですが。
選考委員が選ぶ「すぐれた文学」と、
文学の研究者や、書評家、一般の読書家が選ぶ
「すぐれた文学」は異なるわけです。
さらには、「売れる文学」はまた異なり。
この日経の記事にもにじみ出ているように、
芥川賞・直木賞が
拡販の機会であることは間違いなく。
いや、そもそもこの賞は
菊池寛さんが
書店に来客数が少ない時期の
話題づくりのためにもうけた賞だという
説も聞いたことがあり。
賞とはSHOWである
という言葉もありますね。
芥川賞・直木賞はその要素も
強いのではないしょうか。
土用の丑の日にも似ていますね。
この時期、必ずしも鰻は美味しくないのですよね。
そのテコ入れ策だったと。
賞をとったからと言って
売れるわけではありません。
売れた文学が必ずしも
「すぐれた文学」であるわけではなく。
ただ、その作品がダメ作品かというと
そうでもなく。
作品なのか商品なのかという話でもあり。
働き方評論家の私は、
ビジネスパーソンに
よく読まれているという意味でも、
なんだかんだと面白く
思わず読んでしまうという意味でも、
池井戸潤作品は
かなり読んでいる方だと思うのですけど。
いや、感動はありますよ。
ときに、社会派の問題提起作もありますよ。
彼は、直木賞を『鉄の骨』で受賞していますし。
ただ、VSOP
(ベリー・スペシャル・ワン・パターン)
なのですよね。
絶対、粉飾決算しているだろうとか、
この人とこの人は実は
昔からの先輩後輩でつながりがあるぞとか。
正義は勝つぞとか。
銀行員は基本、悪者として描かれ。
銀行に融資を求める経営者が苦闘し。
ただ、思わず、ハマってしまうのです。
これはこれですごいことなのです。
山崎豊子作品などは、
明らかに手間暇がかかっていると
言われるのですけど。
社会的な問題提起もあるのですけど。
でも、ちゃんとエンタメであることを
忘れていないと思うのですよ。
実際、よく売れました。
この「よい」「すぐれている」のか
「売れる」のか問題は文学に限った話でもなく。
実際、スペックでは劣る商品・サービスが
ディファクトスタンダードとなった例は
枚挙に暇がありません。
逆に性能がよいものが
売れたわけでも、ディファクトスタンダードになったわけでもなく。
たとえば、ゲーム機の歴史は、スペックにおとる機種が
天下をとることが多かったわけですね。
そういえば、20年前に一緒に
バンドをやっていたボーカルは、音質マニアで。
高そうなMP3プレイヤーを使っていました。
iPodは音質が悪くて使えない、と。
ただ、残ったのは、iPodの流れを組む
iPhoneなのですよね。
働く人にとっては、
「私って評価されているのか?」、
さらには「ウチの会社は評価されているのか」
という問題とも通じるものがあり。
改めて、何を大切にするのか、
自分の軸をしっかり持ちたいところです。
・・・私は、よく批判されることなのですが
「自己満足」を大切にしており。
ただ、この「自己満足」とは
自分を甘やかしているかというとそうではなく。
「やりたい」こともそうですけど
「ありたい」姿を大切にしています。
仕事にしろ、プライベートにしろ
自分の基準というものがあり。
それはときに、とても厳しいもので。
周りから酷い評価をもらっても、冷静になれるし、
上手くいっているときも
自分を甘やかさなくなります。
というわけで、賞について考えたモヤモヤでした。
・・・今、書いている本は
予告ホームラン的に
賞もベストセラーも
狙いまっせ。
って、ここまで書いていて
なんだよ、おい。
そして!
今年も、石川県内企業の採用力を上げる
「いしかわ採強道場」が開催されます!
https://d.bmb.jp/9/1454/6534/XXXX
なんと、今年で11回目ですね。
毎年、楽しみにしております。
県内企業なら無料で参加できます。
道場(ワークショップ)形式で
採用力を磨いていく場です。
途中、千葉商科大学の学生を5名、連れていきます。
学生の生の声をきくセッションもご用意しておりますので、ぜひ!
お陰様で(いや、人材不足が深刻なためでしょうけど)
募集開始したばかりなのに
定員の半分くらい、一瞬で埋まったそうです。
石川県の企業に勤務する皆様、お申し込みはお早めに!
経営者、人事担当者に教えてあげてください。
来週月曜、8月4日19時よりFMサルースで
「試みの水平線~常見陽平の人生相談RADIO~」の
第2回が放送されます。
今回は現役SFC学生が出演しますよ。
↓前回の様子はこちらです。このチャンネルでライブ配信されますし、アーカイブも配信されます。
https://d.bmb.jp/9/1454/6535/XXXX
番組で取り上げる人生相談もお待ちしております。
たまプラーザ駅に隣接したスタジオで
収録しているので、東急田園都市線沿線の方、
ふらりと寄ってください。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
いまのところの最新作
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/6536/XXXX
をよろしくお願いします。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/6537/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/6538/XXXX
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◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
中年男性の自撮りを
「キモイ」って言わないでほしい
https://d.bmb.jp/9/1454/6539/XXXX
選挙雑感
https://d.bmb.jp/9/1454/6540/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━━━
3.人生相談バカ一代
━━━━━━━━━━━━━◆◆
【自分のクセを乗り越えたい】
Q.自分の行動の課題を乗り越えたい
いま、自分という大きな課題にぶつかっています。
性格・性質・考え方というところで、
一朝一夕にいかないことも
重々承知しておりますが、
なかなか改善できず悩んでいます。
-自分自身の課題-
1.自己判断で動いてしまう傾向。
人の意図や背景をくみとる前に、
自分の考えで「良かれと思って」
行動してしまうことがある
2.相手の言葉の「本質」をくみ取る力が弱い。
言われたことをそのまま受け取るだけで、
「なぜそう言ったのか?」の背景まで
考えるのが苦手。思考のプロセスが短絡的。
3.行動に対する
「事前確認・事後共有」の意識が弱い。
考えや分析力、状況判断力は弱いものの、
行動力はあるので、暴走に走りがち。
4.人から言われた大事な情報を、
その場では理解したつもりでも、
必要なタイミングで思い出せない。
「一呼吸おく」「背景をくみ取る」
「確認を習慣にする」
これらが大切だとは思いつつも、
トライ&エラーが多すぎて、
人(特に、近くにいてくれる人)に
迷惑・負担をかけています。
毎度、「またやってしまった…」
「こうすればよかった…」と
後で気づくことが多いです。
30歳になるまでには必ずこれらの課題を解決して
今より成長していたいと思っています。
性格は変わらない、との声もありますが、
私は「変わらない」と諦めたくありませんし
(また、そんな自分を「まあいっか」と
認めたくない、逃げたくない)、
自分自身は変われる、と信じています。
変わる必要性はおおいに感じていますし、
「このままでは」という焦りもあります。
こんな自分が嫌で、でも現状を認めてはいて。
私事にて大変恐縮ですが
常見先生のご意見を聞かせていただけますか。
ご多用とは思いますが、
お体には十分気を付けてお過ごしください。
もも(28歳・女性)
A.自分を責めてはいけません 頭を空っぽにするのがコツです
あぁ、よくわかります。
「また、やってしまった」問題ですね。
お気持ち、よーくわかります。
私も28歳くらいの頃は
そんなことの繰り返しでした。
いや、いまもたまにやらかしているのではないかと。
就活生の自己分析みたいですが、
長所と短所は表裏一体なのですね。
ももさんが書いている点は
長所でもあると思うのです。
その克服についてですが、
自分を責めてもいけませんし、
自分だけで解決しようと思ってもいけません。
これまた自分語りなのですけど、
私は、チームで働くのが苦手な方で。
また、明確に苦手なタイプの人がいるのです。
私、こう見えて(?)
ビジョンや戦略を大切にする人で。
具体的な方法やスケジュールや
お金の話が苦手なのですね。
ただ、学校法人に勤務していると、
教員も職員も、さらには学生も
そこにこだわる人が多いわけで。
彼ら彼女たちには悪気はまったくなく。
いや、その方々からすると、あなた、
話が総論すぎるだろという話になるわけです。
できるだけ、
その前提を理解するようにしていますし。
自分だけで物事を進めようとすると
うまくいかないので、私と
各論に強いタイプの人をつなぐ人が誰かを見極め、
その人を頼りにする、と。
自分の強み、弱みを理解してもらうことも大事で。
自分の苦手なこと、悪いクセを
さらけ出してしまうという手があります。
これは得意で、これが苦手、と。
私に仕事を依頼してくれる方は、
私という人間は何が得意で、何が苦手かを
よくわかっているなと感じており。
だから気持ちよく仕事ができます。
いや、ご迷惑をおかけしていると思いますけど。
もろもろ確認することについては、
人間の力だけでやろうとしないというのも
ポイントで。
人間は忘れてしまうのですよ。
ミスをするのですよ。
さらに言うならば、
「忘れちゃいけない」「ミスをしちゃいけない」と
意識しすぎると、
自分に対して負荷がかかってしまうのですよね。
気持ちよくないのです。
たとえると、PCやスマホが
ある作業をずっと行っている、結果、
動作が重くなる現象に似ています。
私、記憶力はめちゃくちゃよい方なのですが。
とはいえ、もうトシなので、
忘れてしまうわけです。
そして、頭が無駄に稼働するのは気持ち悪いので、
予定、TODOなどは「覚えない」ことを
実は大事にしています。
人間の力に頼ってはいけないのですよ。
頭の中で「動いているアプリ」を極力減らすのです。
全部、すぐにメモをして、
頭に負荷をかけないのです。
私はGoogleカレンダーを
使い倒す派なのですけど、
今は他にもスケジュールやTODOのアプリが
多数出ております。
自分にあったもの、いやそれを探すと大変なので、
とりあえず目の前にあるツールを活用して、
自分の頭と心の負荷を軽減してはどうですか。
自分の問題は自分だけで解決しない。
自分を責めない。
これが大事です。
人やツールにどんどん頼りましょう。
最終的には、いかに自分を好きでいるか、これが大事です。
「自己実現」のその前に、
徹底的に「自己満足」ですよ。
それでいいじゃないですか。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/6541/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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1.巻頭言
賞って、なんでしょう?
2.記事傑作選
◇中年男性の自撮りを
「キモイ」って言わないでほしい
◇選挙雑感
3.人生相談バカ一代
自分のクセを乗り越えたい
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1.巻頭言
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【賞って、なんでしょう?】
最近、経営者や人事担当者の
壁打ち相手をして、感謝されることが
多いです。
石を投げられそうですけど
2ヶ月半の長い夏休みが始まりまして。
本を1冊仕上げるのと、講演が毎週のようにあるのと、
教材動画を1本仕上げる他は、
ゆっくりインプットの時間にしたいなと思っているのですが
時間はありますので、ぜひお誘いください。
今日は「賞」について考えます。
リクルートを辞めてこの秋で20年になります。
早いものですね。
リクルートの当時の上司、トミーこと冨塚さんに
「辞めます」と面談で伝えた後、
ちょうどその夜に、日本武道館で、
ロブ・ハルフォードが復帰した
ジューダス・プリーストの来日公演を観て、
一緒に行った同期に
「さっき、辞めるって言ってきたよ」
と伝えたのでした。
あと半年、辞める時期をずらせば、
社内持ち株の評価額は倍くらいになって、
つまり、より有利な条件で辞めることができました。
いや、さらに10年くらいしがみつけば、
上場で大金持ちになっていました。
ただ、あの時期に辞めて、
バンダイとナムコの経営統合のタイミングで
バンダイに移ったことを
まったく後悔していません。
経営統合から20年なんですよね。
ソニーがバンナムHDに資本参加という
ニュースを読んで
この20年が走馬灯のように蘇りました。
そのバンダイもしがみついていたら
株価が15倍くらいになったのですよね。
これまたやはり、辞めたことを
まったく後悔していませんけど。
お金持ちになるなら、株ではなく、
自分が生み出したアウトプットで
そうなりたいのです。
いつか本がベストセラーになること
Netflixから映像化の話がくると信じて、
日々、生きています。
それはさておき、
リクルートは、何かと表彰が多い会社で。
ただ、私、表彰されたのは、
8年半でわずか(?)5回で、
四半期のMVPを1回、
敢闘賞(だったかな)を1回、
事業部内の月間表彰を1回、
新規事業コンテストの特別賞を1回、
経営への提言という論文大会で
入選か佳作で1回だったかと。
そんなものなのですよね。
こういうことを大きく伝えたら、
著者としてのセルフブランディングも
バッチリだったのでしょうけど、
そういうこともしません。
このMVP表彰は、自分が受賞していなくても、
授賞式ではテンションが上がり。
多くの場合は納得感があり。
中には自分が営業企画担当者として
全面的にサポートした人が受賞していたりもし。
受賞者をいじりつつも称える、
笑って泣けるエモい表彰コメントに熱くなり。
MVPに選ばれる人は、必ずしも
目標達成率や売上や利益の絶対額がNO.1というわけでもなく。
難易度の高い仕事をやり遂げた人、
新たなシーン、ニーズを生み出した人なども
表彰されます。
企業として、事業部として、
どのような従業員や仕事を評価するのかという
メッセージの意味も含んでいるのでしょう。
でも、たまにモヤモヤしたのも
また事実です。
瞬間風速的に大型受注を決めた人と、
安定して105%くらいで達成し続ける人と、
どちらが偉いのだろうと。
他にも表彰されるべき人はいるのではないかと。
このあたり、スポーツにおける実力の測定、
学力の測定などにも通じるものがあり。
ある期間、ある瞬間だけで評価していいのか、と。
評価と評判は全く異なります。
全く違うはずなのに、私たちは
ときに混同して話をしています。
このMVP表彰なるものは、評価のようで、
実は評判に関わる話なのではないかと。
なぜ、そんな話を思い出したかというと、
今回の芥川賞・直木賞の受賞者が
いなかったことについて、いろいろ考えており。
私は、選考委員の判断を支持しております。
そりゃ、いないこともあるだろう、と。
もっとも、その選考委員も含め、
さらには出版社や書店の関係者から、
悲鳴があがり。
芥川賞・直木賞を受賞した作品を目当てに
書店に足を運ぶ人もいるだろう、と。
この件については、すでに私の見解を
朝日新聞コメントプラスやnoteに
公開しております。
こちらのnoteの記事は無料で読めるので、
よろしければ
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「芥川賞・直木賞の該当作品なしで
騒ぐんじゃねえ!」作家の末期症状
https://d.bmb.jp/9/1454/6532/XXXX
ちょうど日経の7月28日(月)の朝刊の文化面で、
芥川賞・直木賞が受賞ゼロだった件について
紹介されており。
芥川賞・直木賞ゼロの衝撃:日本経済新聞
https://d.bmb.jp/9/1454/6533/XXXX
この記事にあるとおり、80年代は
受賞作なしのことが多かったのですよね。
たしかにこの頃、うろ覚えではありますが、でも、
「受賞作なし」のニュースを見聞きしたような。
村上春樹も吉本ばななも、
候補に入っても受賞はしなかったのですよね。
まあ、売れましたけど。
ここでも、賞とは何かを考えてしまったのです。
この文学に関する賞もそうですが。
(もともと)何を目的とした賞で、
どんなふうに選考されるのか、と。
芥川賞・直木賞は
同賞の過去の受賞者など著名な作家が
選考委員になるわけですが。
選考委員が選ぶ「すぐれた文学」と、
文学の研究者や、書評家、一般の読書家が選ぶ
「すぐれた文学」は異なるわけです。
さらには、「売れる文学」はまた異なり。
この日経の記事にもにじみ出ているように、
芥川賞・直木賞が
拡販の機会であることは間違いなく。
いや、そもそもこの賞は
菊池寛さんが
書店に来客数が少ない時期の
話題づくりのためにもうけた賞だという
説も聞いたことがあり。
賞とはSHOWである
という言葉もありますね。
芥川賞・直木賞はその要素も
強いのではないしょうか。
土用の丑の日にも似ていますね。
この時期、必ずしも鰻は美味しくないのですよね。
そのテコ入れ策だったと。
賞をとったからと言って
売れるわけではありません。
売れた文学が必ずしも
「すぐれた文学」であるわけではなく。
ただ、その作品がダメ作品かというと
そうでもなく。
作品なのか商品なのかという話でもあり。
働き方評論家の私は、
ビジネスパーソンに
よく読まれているという意味でも、
なんだかんだと面白く
思わず読んでしまうという意味でも、
池井戸潤作品は
かなり読んでいる方だと思うのですけど。
いや、感動はありますよ。
ときに、社会派の問題提起作もありますよ。
彼は、直木賞を『鉄の骨』で受賞していますし。
ただ、VSOP
(ベリー・スペシャル・ワン・パターン)
なのですよね。
絶対、粉飾決算しているだろうとか、
この人とこの人は実は
昔からの先輩後輩でつながりがあるぞとか。
正義は勝つぞとか。
銀行員は基本、悪者として描かれ。
銀行に融資を求める経営者が苦闘し。
ただ、思わず、ハマってしまうのです。
これはこれですごいことなのです。
山崎豊子作品などは、
明らかに手間暇がかかっていると
言われるのですけど。
社会的な問題提起もあるのですけど。
でも、ちゃんとエンタメであることを
忘れていないと思うのですよ。
実際、よく売れました。
この「よい」「すぐれている」のか
「売れる」のか問題は文学に限った話でもなく。
実際、スペックでは劣る商品・サービスが
ディファクトスタンダードとなった例は
枚挙に暇がありません。
逆に性能がよいものが
売れたわけでも、ディファクトスタンダードになったわけでもなく。
たとえば、ゲーム機の歴史は、スペックにおとる機種が
天下をとることが多かったわけですね。
そういえば、20年前に一緒に
バンドをやっていたボーカルは、音質マニアで。
高そうなMP3プレイヤーを使っていました。
iPodは音質が悪くて使えない、と。
ただ、残ったのは、iPodの流れを組む
iPhoneなのですよね。
働く人にとっては、
「私って評価されているのか?」、
さらには「ウチの会社は評価されているのか」
という問題とも通じるものがあり。
改めて、何を大切にするのか、
自分の軸をしっかり持ちたいところです。
・・・私は、よく批判されることなのですが
「自己満足」を大切にしており。
ただ、この「自己満足」とは
自分を甘やかしているかというとそうではなく。
「やりたい」こともそうですけど
「ありたい」姿を大切にしています。
仕事にしろ、プライベートにしろ
自分の基準というものがあり。
それはときに、とても厳しいもので。
周りから酷い評価をもらっても、冷静になれるし、
上手くいっているときも
自分を甘やかさなくなります。
というわけで、賞について考えたモヤモヤでした。
・・・今、書いている本は
予告ホームラン的に
賞もベストセラーも
狙いまっせ。
って、ここまで書いていて
なんだよ、おい。
そして!
今年も、石川県内企業の採用力を上げる
「いしかわ採強道場」が開催されます!
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なんと、今年で11回目ですね。
毎年、楽しみにしております。
県内企業なら無料で参加できます。
道場(ワークショップ)形式で
採用力を磨いていく場です。
途中、千葉商科大学の学生を5名、連れていきます。
学生の生の声をきくセッションもご用意しておりますので、ぜひ!
お陰様で(いや、人材不足が深刻なためでしょうけど)
募集開始したばかりなのに
定員の半分くらい、一瞬で埋まったそうです。
石川県の企業に勤務する皆様、お申し込みはお早めに!
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第2回が放送されます。
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「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(常見陽平 平凡社新書)
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2.記事傑作選
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中年男性の自撮りを
「キモイ」って言わないでほしい
https://d.bmb.jp/9/1454/6539/XXXX
選挙雑感
https://d.bmb.jp/9/1454/6540/XXXX
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3.人生相談バカ一代
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【自分のクセを乗り越えたい】
Q.自分の行動の課題を乗り越えたい
いま、自分という大きな課題にぶつかっています。
性格・性質・考え方というところで、
一朝一夕にいかないことも
重々承知しておりますが、
なかなか改善できず悩んでいます。
-自分自身の課題-
1.自己判断で動いてしまう傾向。
人の意図や背景をくみとる前に、
自分の考えで「良かれと思って」
行動してしまうことがある
2.相手の言葉の「本質」をくみ取る力が弱い。
言われたことをそのまま受け取るだけで、
「なぜそう言ったのか?」の背景まで
考えるのが苦手。思考のプロセスが短絡的。
3.行動に対する
「事前確認・事後共有」の意識が弱い。
考えや分析力、状況判断力は弱いものの、
行動力はあるので、暴走に走りがち。
4.人から言われた大事な情報を、
その場では理解したつもりでも、
必要なタイミングで思い出せない。
「一呼吸おく」「背景をくみ取る」
「確認を習慣にする」
これらが大切だとは思いつつも、
トライ&エラーが多すぎて、
人(特に、近くにいてくれる人)に
迷惑・負担をかけています。
毎度、「またやってしまった…」
「こうすればよかった…」と
後で気づくことが多いです。
30歳になるまでには必ずこれらの課題を解決して
今より成長していたいと思っています。
性格は変わらない、との声もありますが、
私は「変わらない」と諦めたくありませんし
(また、そんな自分を「まあいっか」と
認めたくない、逃げたくない)、
自分自身は変われる、と信じています。
変わる必要性はおおいに感じていますし、
「このままでは」という焦りもあります。
こんな自分が嫌で、でも現状を認めてはいて。
私事にて大変恐縮ですが
常見先生のご意見を聞かせていただけますか。
ご多用とは思いますが、
お体には十分気を付けてお過ごしください。
もも(28歳・女性)
A.自分を責めてはいけません 頭を空っぽにするのがコツです
あぁ、よくわかります。
「また、やってしまった」問題ですね。
お気持ち、よーくわかります。
私も28歳くらいの頃は
そんなことの繰り返しでした。
いや、いまもたまにやらかしているのではないかと。
就活生の自己分析みたいですが、
長所と短所は表裏一体なのですね。
ももさんが書いている点は
長所でもあると思うのです。
その克服についてですが、
自分を責めてもいけませんし、
自分だけで解決しようと思ってもいけません。
これまた自分語りなのですけど、
私は、チームで働くのが苦手な方で。
また、明確に苦手なタイプの人がいるのです。
私、こう見えて(?)
ビジョンや戦略を大切にする人で。
具体的な方法やスケジュールや
お金の話が苦手なのですね。
ただ、学校法人に勤務していると、
教員も職員も、さらには学生も
そこにこだわる人が多いわけで。
彼ら彼女たちには悪気はまったくなく。
いや、その方々からすると、あなた、
話が総論すぎるだろという話になるわけです。
できるだけ、
その前提を理解するようにしていますし。
自分だけで物事を進めようとすると
うまくいかないので、私と
各論に強いタイプの人をつなぐ人が誰かを見極め、
その人を頼りにする、と。
自分の強み、弱みを理解してもらうことも大事で。
自分の苦手なこと、悪いクセを
さらけ出してしまうという手があります。
これは得意で、これが苦手、と。
私に仕事を依頼してくれる方は、
私という人間は何が得意で、何が苦手かを
よくわかっているなと感じており。
だから気持ちよく仕事ができます。
いや、ご迷惑をおかけしていると思いますけど。
もろもろ確認することについては、
人間の力だけでやろうとしないというのも
ポイントで。
人間は忘れてしまうのですよ。
ミスをするのですよ。
さらに言うならば、
「忘れちゃいけない」「ミスをしちゃいけない」と
意識しすぎると、
自分に対して負荷がかかってしまうのですよね。
気持ちよくないのです。
たとえると、PCやスマホが
ある作業をずっと行っている、結果、
動作が重くなる現象に似ています。
私、記憶力はめちゃくちゃよい方なのですが。
とはいえ、もうトシなので、
忘れてしまうわけです。
そして、頭が無駄に稼働するのは気持ち悪いので、
予定、TODOなどは「覚えない」ことを
実は大事にしています。
人間の力に頼ってはいけないのですよ。
頭の中で「動いているアプリ」を極力減らすのです。
全部、すぐにメモをして、
頭に負荷をかけないのです。
私はGoogleカレンダーを
使い倒す派なのですけど、
今は他にもスケジュールやTODOのアプリが
多数出ております。
自分にあったもの、いやそれを探すと大変なので、
とりあえず目の前にあるツールを活用して、
自分の頭と心の負荷を軽減してはどうですか。
自分の問題は自分だけで解決しない。
自分を責めない。
これが大事です。
人やツールにどんどん頼りましょう。
最終的には、いかに自分を好きでいるか、これが大事です。
「自己実現」のその前に、
徹底的に「自己満足」ですよ。
それでいいじゃないですか。
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