常見陽平メルマガ『陽平界通信』 第360号 夜景デートと政策、人事制度の共通点「これじゃない感」/2025年学園祭LIVEの旅
2025/10/22 (Wed) 09:30
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◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第360号
◆◆ 2025.10.22配信
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◆◆◆━━━━━━━━━━━━━
今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
夜景デート不要論から考える「これじゃない感」
2.記事傑作選
◇【対談】ロックと大学、少しプロレス。
◇ワークライフバランスという「霞が関ポエム」
◇馬渕・渡辺の #ビジトピ OA本編
◇「ワークライフバランス」の罠とは
◇初の女性総裁・高市氏 馬車馬発言で懸念の声
3.僕の音楽
2025年学園祭ライブの旅
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【夜景デート不要論から考える
「これじゃない感」】
「女は、言うほど夜景に熱くないのよ」
同年代の友人女性の話に膝を乱打しました。
「女はそれを我慢できない 」という
アン・ルイスの曲を思い出しました。
・・・アン・ルイス、好きだったのですよ。
一時は若者のアン・ルイス離れが
話題になり、彼女も引退しましたが
最近では、若者の間で
アン・ルイスの再評価の動きがあり。
今の若者は昭和好きなので、
「六本木心中」をカラオケで歌うし
バンドでもカバーするのですが。
それはそうと、
夜景の見えるレストラン、バーなどは
それほど楽しくないのではないか、と。
男のエゴではないか、と。
いや・・・。
誰と一緒なのか、
会話の種類、質という論点もありますけれどね。
ただ、こういう視点って大事だなと。
「夜景を見れば相手は満足するだろ」
ということ自体が思い込みにすぎないわけで。
いや、そもそも夜景デートが流行っていた
(とされる時期)も、
みんな夜景に熱かったのかという疑問があり。
「これじゃない感」があったのではないか、と。
・・・リクルートの先輩で
夜景評論家の、丸々もとおさん
という方がいたなぁ。
↓サイトがありました。
https://d.bmb.jp/9/1454/7324/XXXX
この「これじゃない感」は、
国の政策、企業の人事制度でもよくある話で。
「よかれ」と思って取り組んでいることが
ズレていたりするのです。
最近、政府や企業の取り組みを見ていて、
「あれ、なんか違うな」と
感じることが増えていませんか。
たとえば、いま、話題の
ワーク・ライフ・バランス論争です。
「ワーク・ライフ・バランスを捨てる」と
豪語した政治家が総理大臣になりましたが。
皮肉なことに、長年、組んでいた政党から
「捨てられて」しまったのですけどね。
そして、他の政党が浮上し。
議員の定数削減というテーマも、
「これじゃない」「いまじゃない」感があります。
理念を軽んじる言葉が、
どれだけ空回りするかを示す象徴のようです。
あ、ちなみに、
このワーク・ライフ・バランス発言を
批判した私ですけど、コメント依頼が殺到し、
嬉しい悲鳴というか、
実際、忙しくなっているという話もあります。
はい。
そもそも、ワーク・ライフ・バランスは
「動員」の論理でもあるのですよね。
ライフとは、家事や育児、介護などの
無償の労働も含まれます。
なので、この言葉で想像する光景は
人によってかなり異なるのではないか、と。
ライフと言いつつ、生きるか死ぬかの
修羅場を経験している人もいるわけで。
男性の育休取得などもまさにそうで。
男性の育休取得率が「劇的に上昇した」と
報じられていますが、
その舞台裏をのぞくと、
現実は虚構と偽善にまみれています。
朝日新聞に叩かれないように、
日経新聞に褒められるように、
ただ「数字を埋める」だけの
育休取得が横行しているのです。
100%取得率を誇りながら、
実際には1週間しか休まない企業もあります。
これをどうみますか。
こういうハリボテ企業を
男女共同参画関連の企画で
礼賛していたりするのですよ。
働き方改革の象徴とされる
企業から深夜にメールが届いても
それに疑問を持たずに対応し
優れた取り組みとして紹介する
記者たち。
まさに茶番劇です。
私が学生と行った調査では、
部門や職種によって
取得率に明確な格差がありました。
女性の育休には代替要員を確保しながら、
男性には「必要ない」と
言い切る企業もあるわけで。
いま必要なのは、「質」の議論です。
数字の達成率ではなく、
実際にどのように取得し、何を得たのか。
「男性育休取得率」という
単一の指標だけを奉じる風潮に、
私は強い違和感を覚えます。
もちろん、育児の初期段階での関わりが
その後に影響を与えることについての
研究も積み重ねられてきてはいます。
ただ、結果として
「うちは男性が全員育休をとってる(どや)」
という企業が、
いまいち信用できない状態になっていませんか。
政治家、経営者、人事担当者の中には
「制度」「数字」でしか語れない人たちがいます。
制度を整えた気になり、
現場を見ずに満足してしまう。
そこに漂うのが、政策や制度づくりにありがちな
「これじゃない感」です。
男性のエゴでしかない夜景デートと
政策も人事制度は実は地続きです。
炭鉱のカナリアとして
そんな違和感を大切にいきたいと思います。
この一市民の素朴な疑問を声にすること。
微力であっても無力ではないはずです。
はい。
さて・・・。
夜景デートについて。
私、何しろ雑誌好きなものでして。
ドコモの雑誌読み放題サービスで
雑誌を読み漁っているわけですが。
ChatGPTに愛読している『LEON』『GOETHE』
さらにたまに読む『東京カレンダー』の
この10年間の夜景特集を分析してもらい、
夜景デートについて、
「ちょっとずれていないか」という
違和感を検証してもらいました。
↓なるほど・・・。え、でも、そうなの?
かつて「夜景デート」は、恋愛の王道であり、
都市のロマンチシズムを象徴する行為だった。
だが、その意味は
この10年で大きく変化している。
GOETHE、LEON、東京カレンダーという
大人の三大ライフスタイル誌の誌面を追うと、
その変遷がよくわかる。
2010年代半ば、夜景は「非日常の象徴」だった。
高層階のレストランやホテルのバー、
東京タワーやスカイツリーの見える窓際席――。
どの雑誌も「夜景=成功デートの方程式」
として扱っていた。
LEONは
「夜景がキレイな店は口説きやすい」と断言し、
GOETHEは「煌めく東京の夜を味わう」ことを
大人の嗜みとして推奨していた。
東京カレンダーでも
「夜景の見える名店」が定番特集だった。
しかし、2019年以降、潮目が変わる。
「夜景が見える」ことはもはや特別ではなくなり、
記事は「夜景+α」へと進化していく。
LEONは「暖炉」「プール付き」「隠れ家テラス」
といった付加価値を語り、
GOETHEは「夜景を背景に体験する
ラグジュアリーな時間」を強調。
東京カレンダーは「夜景を眺める」から
「夜を歩く」「夜を遊ぶ」へと主題をずらし、
夜景は背景の一部になった。
そして近年、夜景は「演出」であり
「装置」として扱われている。
夜景を見に行くのではなく、夜景を“使って”
どんな物語をつくるかが問われるのだ。
たとえば、ナイトプールでの乾杯、
街をハシゴする夜ブラ、
ホテルラウンジでの語らい。
GOETHEもLEONも、読者に求めるのは
「夜景の先にある体験」である。
つまり、夜景デートは廃れたのではない。
むしろ成熟し、更新された。
光るビル群をただ見上げる時代は終わり、
いまや夜景は
「大人の遊びを成立させる背景装置」になった。
そこにどんな言葉を交わし、
どんな時間を過ごすか――
それが、2020年代の“夜景デート”の本質である。
・・・というか、これらの3誌が
時代とズレているかもしれませんね。
これじゃない感は続きます。
11月発売予定の『日本の就活』(岩波新書)の
予約が始まっています。ぜひ!
https://d.bmb.jp/9/1454/7325/XXXX
いまのところの最新作
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/7326/XXXX
をよろしくお願いします。
ラジオ番組「試みの水平線
~常見陽平の人生相談RADIO~」やっています。
↓YouTubeのアーカイブです。
大ブレーク中の白坂リサさんとお届けしています。
https://d.bmb.jp/9/1454/7327/XXXX
https://d.bmb.jp/9/1454/7328/XXXX
https://d.bmb.jp/9/1454/7329/XXXX
・・・番組スポンサー、激しく募集しています。
お声がけをぜひ。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/7330/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
【対談】ロックと大学、少しプロレス。
常見陽平さんと公開雑談会。
https://d.bmb.jp/9/1454/7332/XXXX
ワークライフバランスという「霞が関ポエム」
捨てるのも問題だが、礼賛するのも危うい
https://d.bmb.jp/9/1454/7333/XXXX
馬渕・渡辺の #ビジトピ OA本編
ゲスト:千葉商科大学准教授 働き方評論家
常見陽平さん
https://d.bmb.jp/9/1454/7334/XXXX
“残業代1.5倍”でも楽にならない?
高知県の新条例に専門家が“待った”
「ワークライフバランス」の罠とは
https://d.bmb.jp/9/1454/7335/XXXX
初の女性総裁・高市早苗氏は
「私たちの代弁者」か
馬車馬発言で懸念の声 識者に聞く
https://d.bmb.jp/9/1454/7336/XXXX
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3.僕の音楽
━━━━━━━━━━◆◆
【2025年学園祭ライブの旅】
学園祭シーズンだ。
今年、私はカラオケ大会の
審査員をすることになっている。
何を言えばいいのだろう。
「ロニー・ジェイムス・ディオを聴きなさい」
「ロブ・ハルフォードばりのシャウトで」
とか言いそうだな。
そういえば、30年前には
プロレス研究会会長として、
ミスコンの審査員もしたなぁ・・・。
当時の一橋大学のミスコンは、
在校生が出ておらず。
その年は水着審査まであって、
大炎上したのだった。
審査員の一人が、終了後、
交際相手に廊下で糾弾されるという
阿鼻叫喚の地獄絵図も展開された。
いまどきの学園祭ライブについて書こう。
今どきだなあと思うことをつれづれなるままに。
・みんな、上手い。
→プレイヤーとしてのスキルが高い。
YouTubeなど、演奏の練習をするための
ツールが充実しているからか?
いや、何気に楽曲が難しくなっているからか?
YOASOBIなど、誰でも盛り上がれる曲でありつつ
音符の詰め込み方がすごいなと思う。
・みんな、高い楽器を持っている
→格差社会だと言われており。
貧しい学生が増えていると言われ。
お金の若者離れなどが指摘されてはいるが。
ステージに立つ学生たちは、皆、
高い楽器を弾いている印象。
入学と同時に、初心者がいきなり
20万円くらいの楽器を買うという様子を
何度もみるの巻。
ただ、これは、そもそも楽器が高くなっている
という事情もあるのだろう。
私が所有している、ここ数年で買った楽器たちも
以前は今の半額くらいだったなぁ。
15万円くらいでUSAの
フェンダーやギブソンが買えた時代。
・みんな、掛け持ちしている
→昔もドラマーの掛け持ちが多かったが。
いまはドラマー以外も掛け持ち。
ジャンルもバラバラ。
・選曲は何でもあり
→ジャンル、テーマ、カバーするバンドなどを
絞って取り組んでいるバンドもあるものの、
バラバラの選曲というバンドがある印象。
でも、楽しくやっている。
高校時代の最初のバンドは
ブルーハーツもハウンド・ドッグも
ユニコーンもやるバンドで
あの選曲はどうかなと思ったのだけど
今は、バンドもお客さんも違和感を抱かない。
・セットリストは事前公開
→「この曲をやるよ」ということを
事前に公開し、集客。
たしかに、集客に貢献するのだろう。
参加する側も失礼のないように、
サビ、盛り上がるところなどを予習する。
その方が、互いに安心できる、と。
・盛り上がり方を指示する
→サビをこう歌ってくれなどと
ステージ上が指示する。
セットリスト公開同様、
私はそういうのをダサいと感じるのだが、
学生たちにとっては
その方が安心できるのだそうで。
「サビはイッツ・マイ・ライフです。
腕を振り上げて叫んでください」的な。
・昔の曲も演奏される
→サブスク、YouTubeのおかげで、
楽曲は新しいものも、古いものも、何でもあり。
パープルやツェッペリンはいまだに
学園祭で演奏する人がいるという。
・みんな、仲がいい?
→パンク対ヘビメタ、ロック対ヒップホップ、
ジャーマンメタル対LAメタルのような、
骨肉の争いがない。
あぁ、懐かしいなぁ。NHKの放送事故的番組。
辻仁成が司会のパンク対ヘビメタ。
対立する前に、お前ら俺達を馬鹿にするなと
パンク、ヘビメタ連合が番組批判という。
まだまだあるけど、このへんで。
学園祭でのバンドウォッチングはやめられない。
・・・20代、30代の頃、
卒業生として学園祭によく行っており。
出演するバンド目当てにふらりと
母校以外にも行っており。
当時はまだ学園祭でアルコールが出ることで。
誰も知り合いが出ていないのに、
昼から酔って気持ちよくなり。
ごく普通に出演しているバンドの前の方で
勝手に盛り上がり、
バンドが迷惑そうな顔をしていたのを思い出す。
卒業生でもないのに、東大の五月祭で
持ち時間ギリギリのバンドに
「やれよ、ロックだろ」と煽ったことも。
ジューダス・プリーストのカバーをしていた。
演奏曲が”Breaking the law"だった。
ちゃんとルールを破っていたというオチ。
あのバンドメンバーは元気だろうか。
政治家、官僚になっていたりして。
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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◇ワークライフバランスという「霞が関ポエム」
◇馬渕・渡辺の #ビジトピ OA本編
◇「ワークライフバランス」の罠とは
◇初の女性総裁・高市氏 馬車馬発言で懸念の声
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2025年学園祭ライブの旅
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━━━━━━━◆◆
【夜景デート不要論から考える
「これじゃない感」】
「女は、言うほど夜景に熱くないのよ」
同年代の友人女性の話に膝を乱打しました。
「女はそれを我慢できない 」という
アン・ルイスの曲を思い出しました。
・・・アン・ルイス、好きだったのですよ。
一時は若者のアン・ルイス離れが
話題になり、彼女も引退しましたが
最近では、若者の間で
アン・ルイスの再評価の動きがあり。
今の若者は昭和好きなので、
「六本木心中」をカラオケで歌うし
バンドでもカバーするのですが。
それはそうと、
夜景の見えるレストラン、バーなどは
それほど楽しくないのではないか、と。
男のエゴではないか、と。
いや・・・。
誰と一緒なのか、
会話の種類、質という論点もありますけれどね。
ただ、こういう視点って大事だなと。
「夜景を見れば相手は満足するだろ」
ということ自体が思い込みにすぎないわけで。
いや、そもそも夜景デートが流行っていた
(とされる時期)も、
みんな夜景に熱かったのかという疑問があり。
「これじゃない感」があったのではないか、と。
・・・リクルートの先輩で
夜景評論家の、丸々もとおさん
という方がいたなぁ。
↓サイトがありました。
https://d.bmb.jp/9/1454/7324/XXXX
この「これじゃない感」は、
国の政策、企業の人事制度でもよくある話で。
「よかれ」と思って取り組んでいることが
ズレていたりするのです。
最近、政府や企業の取り組みを見ていて、
「あれ、なんか違うな」と
感じることが増えていませんか。
たとえば、いま、話題の
ワーク・ライフ・バランス論争です。
「ワーク・ライフ・バランスを捨てる」と
豪語した政治家が総理大臣になりましたが。
皮肉なことに、長年、組んでいた政党から
「捨てられて」しまったのですけどね。
そして、他の政党が浮上し。
議員の定数削減というテーマも、
「これじゃない」「いまじゃない」感があります。
理念を軽んじる言葉が、
どれだけ空回りするかを示す象徴のようです。
あ、ちなみに、
このワーク・ライフ・バランス発言を
批判した私ですけど、コメント依頼が殺到し、
嬉しい悲鳴というか、
実際、忙しくなっているという話もあります。
はい。
そもそも、ワーク・ライフ・バランスは
「動員」の論理でもあるのですよね。
ライフとは、家事や育児、介護などの
無償の労働も含まれます。
なので、この言葉で想像する光景は
人によってかなり異なるのではないか、と。
ライフと言いつつ、生きるか死ぬかの
修羅場を経験している人もいるわけで。
男性の育休取得などもまさにそうで。
男性の育休取得率が「劇的に上昇した」と
報じられていますが、
その舞台裏をのぞくと、
現実は虚構と偽善にまみれています。
朝日新聞に叩かれないように、
日経新聞に褒められるように、
ただ「数字を埋める」だけの
育休取得が横行しているのです。
100%取得率を誇りながら、
実際には1週間しか休まない企業もあります。
これをどうみますか。
こういうハリボテ企業を
男女共同参画関連の企画で
礼賛していたりするのですよ。
働き方改革の象徴とされる
企業から深夜にメールが届いても
それに疑問を持たずに対応し
優れた取り組みとして紹介する
記者たち。
まさに茶番劇です。
私が学生と行った調査では、
部門や職種によって
取得率に明確な格差がありました。
女性の育休には代替要員を確保しながら、
男性には「必要ない」と
言い切る企業もあるわけで。
いま必要なのは、「質」の議論です。
数字の達成率ではなく、
実際にどのように取得し、何を得たのか。
「男性育休取得率」という
単一の指標だけを奉じる風潮に、
私は強い違和感を覚えます。
もちろん、育児の初期段階での関わりが
その後に影響を与えることについての
研究も積み重ねられてきてはいます。
ただ、結果として
「うちは男性が全員育休をとってる(どや)」
という企業が、
いまいち信用できない状態になっていませんか。
政治家、経営者、人事担当者の中には
「制度」「数字」でしか語れない人たちがいます。
制度を整えた気になり、
現場を見ずに満足してしまう。
そこに漂うのが、政策や制度づくりにありがちな
「これじゃない感」です。
男性のエゴでしかない夜景デートと
政策も人事制度は実は地続きです。
炭鉱のカナリアとして
そんな違和感を大切にいきたいと思います。
この一市民の素朴な疑問を声にすること。
微力であっても無力ではないはずです。
はい。
さて・・・。
夜景デートについて。
私、何しろ雑誌好きなものでして。
ドコモの雑誌読み放題サービスで
雑誌を読み漁っているわけですが。
ChatGPTに愛読している『LEON』『GOETHE』
さらにたまに読む『東京カレンダー』の
この10年間の夜景特集を分析してもらい、
夜景デートについて、
「ちょっとずれていないか」という
違和感を検証してもらいました。
↓なるほど・・・。え、でも、そうなの?
かつて「夜景デート」は、恋愛の王道であり、
都市のロマンチシズムを象徴する行為だった。
だが、その意味は
この10年で大きく変化している。
GOETHE、LEON、東京カレンダーという
大人の三大ライフスタイル誌の誌面を追うと、
その変遷がよくわかる。
2010年代半ば、夜景は「非日常の象徴」だった。
高層階のレストランやホテルのバー、
東京タワーやスカイツリーの見える窓際席――。
どの雑誌も「夜景=成功デートの方程式」
として扱っていた。
LEONは
「夜景がキレイな店は口説きやすい」と断言し、
GOETHEは「煌めく東京の夜を味わう」ことを
大人の嗜みとして推奨していた。
東京カレンダーでも
「夜景の見える名店」が定番特集だった。
しかし、2019年以降、潮目が変わる。
「夜景が見える」ことはもはや特別ではなくなり、
記事は「夜景+α」へと進化していく。
LEONは「暖炉」「プール付き」「隠れ家テラス」
といった付加価値を語り、
GOETHEは「夜景を背景に体験する
ラグジュアリーな時間」を強調。
東京カレンダーは「夜景を眺める」から
「夜を歩く」「夜を遊ぶ」へと主題をずらし、
夜景は背景の一部になった。
そして近年、夜景は「演出」であり
「装置」として扱われている。
夜景を見に行くのではなく、夜景を“使って”
どんな物語をつくるかが問われるのだ。
たとえば、ナイトプールでの乾杯、
街をハシゴする夜ブラ、
ホテルラウンジでの語らい。
GOETHEもLEONも、読者に求めるのは
「夜景の先にある体験」である。
つまり、夜景デートは廃れたのではない。
むしろ成熟し、更新された。
光るビル群をただ見上げる時代は終わり、
いまや夜景は
「大人の遊びを成立させる背景装置」になった。
そこにどんな言葉を交わし、
どんな時間を過ごすか――
それが、2020年代の“夜景デート”の本質である。
・・・というか、これらの3誌が
時代とズレているかもしれませんね。
これじゃない感は続きます。
11月発売予定の『日本の就活』(岩波新書)の
予約が始まっています。ぜひ!
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いまのところの最新作
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(平凡社新書)
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をよろしくお願いします。
ラジオ番組「試みの水平線
~常見陽平の人生相談RADIO~」やっています。
↓YouTubeのアーカイブです。
大ブレーク中の白坂リサさんとお届けしています。
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
【対談】ロックと大学、少しプロレス。
常見陽平さんと公開雑談会。
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ワークライフバランスという「霞が関ポエム」
捨てるのも問題だが、礼賛するのも危うい
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馬渕・渡辺の #ビジトピ OA本編
ゲスト:千葉商科大学准教授 働き方評論家
常見陽平さん
https://d.bmb.jp/9/1454/7334/XXXX
“残業代1.5倍”でも楽にならない?
高知県の新条例に専門家が“待った”
「ワークライフバランス」の罠とは
https://d.bmb.jp/9/1454/7335/XXXX
初の女性総裁・高市早苗氏は
「私たちの代弁者」か
馬車馬発言で懸念の声 識者に聞く
https://d.bmb.jp/9/1454/7336/XXXX
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3.僕の音楽
━━━━━━━━━━◆◆
【2025年学園祭ライブの旅】
学園祭シーズンだ。
今年、私はカラオケ大会の
審査員をすることになっている。
何を言えばいいのだろう。
「ロニー・ジェイムス・ディオを聴きなさい」
「ロブ・ハルフォードばりのシャウトで」
とか言いそうだな。
そういえば、30年前には
プロレス研究会会長として、
ミスコンの審査員もしたなぁ・・・。
当時の一橋大学のミスコンは、
在校生が出ておらず。
その年は水着審査まであって、
大炎上したのだった。
審査員の一人が、終了後、
交際相手に廊下で糾弾されるという
阿鼻叫喚の地獄絵図も展開された。
いまどきの学園祭ライブについて書こう。
今どきだなあと思うことをつれづれなるままに。
・みんな、上手い。
→プレイヤーとしてのスキルが高い。
YouTubeなど、演奏の練習をするための
ツールが充実しているからか?
いや、何気に楽曲が難しくなっているからか?
YOASOBIなど、誰でも盛り上がれる曲でありつつ
音符の詰め込み方がすごいなと思う。
・みんな、高い楽器を持っている
→格差社会だと言われており。
貧しい学生が増えていると言われ。
お金の若者離れなどが指摘されてはいるが。
ステージに立つ学生たちは、皆、
高い楽器を弾いている印象。
入学と同時に、初心者がいきなり
20万円くらいの楽器を買うという様子を
何度もみるの巻。
ただ、これは、そもそも楽器が高くなっている
という事情もあるのだろう。
私が所有している、ここ数年で買った楽器たちも
以前は今の半額くらいだったなぁ。
15万円くらいでUSAの
フェンダーやギブソンが買えた時代。
・みんな、掛け持ちしている
→昔もドラマーの掛け持ちが多かったが。
いまはドラマー以外も掛け持ち。
ジャンルもバラバラ。
・選曲は何でもあり
→ジャンル、テーマ、カバーするバンドなどを
絞って取り組んでいるバンドもあるものの、
バラバラの選曲というバンドがある印象。
でも、楽しくやっている。
高校時代の最初のバンドは
ブルーハーツもハウンド・ドッグも
ユニコーンもやるバンドで
あの選曲はどうかなと思ったのだけど
今は、バンドもお客さんも違和感を抱かない。
・セットリストは事前公開
→「この曲をやるよ」ということを
事前に公開し、集客。
たしかに、集客に貢献するのだろう。
参加する側も失礼のないように、
サビ、盛り上がるところなどを予習する。
その方が、互いに安心できる、と。
・盛り上がり方を指示する
→サビをこう歌ってくれなどと
ステージ上が指示する。
セットリスト公開同様、
私はそういうのをダサいと感じるのだが、
学生たちにとっては
その方が安心できるのだそうで。
「サビはイッツ・マイ・ライフです。
腕を振り上げて叫んでください」的な。
・昔の曲も演奏される
→サブスク、YouTubeのおかげで、
楽曲は新しいものも、古いものも、何でもあり。
パープルやツェッペリンはいまだに
学園祭で演奏する人がいるという。
・みんな、仲がいい?
→パンク対ヘビメタ、ロック対ヒップホップ、
ジャーマンメタル対LAメタルのような、
骨肉の争いがない。
あぁ、懐かしいなぁ。NHKの放送事故的番組。
辻仁成が司会のパンク対ヘビメタ。
対立する前に、お前ら俺達を馬鹿にするなと
パンク、ヘビメタ連合が番組批判という。
まだまだあるけど、このへんで。
学園祭でのバンドウォッチングはやめられない。
・・・20代、30代の頃、
卒業生として学園祭によく行っており。
出演するバンド目当てにふらりと
母校以外にも行っており。
当時はまだ学園祭でアルコールが出ることで。
誰も知り合いが出ていないのに、
昼から酔って気持ちよくなり。
ごく普通に出演しているバンドの前の方で
勝手に盛り上がり、
バンドが迷惑そうな顔をしていたのを思い出す。
卒業生でもないのに、東大の五月祭で
持ち時間ギリギリのバンドに
「やれよ、ロックだろ」と煽ったことも。
ジューダス・プリーストのカバーをしていた。
演奏曲が”Breaking the law"だった。
ちゃんとルールを破っていたというオチ。
あのバンドメンバーは元気だろうか。
政治家、官僚になっていたりして。
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