常見陽平メルマガ『陽平界通信』第407号 想像力が足りない問題/最近、行った美味しいお店/着眼点問題
2026/09/16 (Wed) 08:36
◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第407号
◆◆ 2026.9.16 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
想像力が足りない問題
2.記事傑作選
◇飲食店、結婚式場、風俗店の
意外な共通点とは?
プラットフォームとどう向き合うか問題
3.常ミシュラン
最近、開拓したお店たち
4. 人生相談バカ一代
常見陽平は何を見ているのか?
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【想像力が足りない問題】
先日の白坂リサさん、
梶原麻衣子さんとのイベントは、
大変に盛り上がりました。
多数のご来場、ありがとうございました。
自由闊達な議論でございました。
予定を1時間延長し、怒涛の3時間でした。
・・・まだアーカイブ、買えます。
神回なので、ぜひ。
9月12日(土)
『WiLL』を読んだらリベラル失格ですか?
「保守vsリベラル」を越えて――
白坂リサ×梶原麻衣子×常見陽平
https://d.bmb.jp/9/1454/11019/XXXX
なんせ、白坂リサさんが情熱的で。
かつ、刺激的で、ナイスな問題提起が
いっぱいで。
梶原麻衣子さんの、
保守の立場からの発言もナイスでした。
深みがありました。
会場からの質問も、本質を突いていました。
たくさんの論点があったのですが、
その後もずっと考えているのが、
「想像力が足りない問題」です。
「想像力の欠如」は、よく指摘される問題です。
政治や経済など、天下国家に関わるテーマから、
日々の論争、さらには私たちの日常生活まで。
「もう少し相手のことを想像できないのか」
という話は、そこらじゅうにあります。
私自身も、評論家として
ニュースなどでコメントする際に、
「想像力の欠如」を指摘することがあります。
ただ、これはもちろん他人事ではありません。
自分が何かを論じるときにも、
日常生活においても、
想像力が足りず、人を傷つけたり、
不愉快にさせたりすることがあります。
逆に、こちらが誰かの想像力の欠如によって
傷つけられることもあります。
いわゆるアンコンシャス・バイアスという
言葉もあります。
本人に悪気はなくても、
「この人は、たぶんこういう人だ」と、
いつの間にか
相手を決めつけていることがあります。
ACジャパンの、この動画、話題になりましたね。
https://d.bmb.jp/9/1454/11020/XXXX
さらに厄介なのは、想像力を意識しているのに、
かえって相手を傷つけることすらある
という点です。
想像力が足りなかったのか。
あるいは、想像したつもりが、
ズレていたのか。
そう、想像力は、ときに
「決めつけ」や「おせっかい」に化けます。
最近、同時多発的に、
他人の生き方に関する「決めつけ」というか、
イメージの「押し付け」というか、
そんな話を聞きました。
たとえば、ミックスルーツの人や、
セクシュアルマイノリティの人は、
「多様性の象徴」として語られることがあり。
有名大学を卒業し、大手企業などに勤めた後、
「好き」を仕事にした人は、
自由な生き方を謳歌している人として
見られたりします。
しかし、本人たちは、
別に何かを象徴したくて
生きているわけではありません。
自分らしく生き、
働いているのです。
本人からすると、
そういうことでして。
インタビューを受けるたびに
「はいはい、多様性ね・・・」
「はあ、自由な生き方の体現ね」と
感じてしまう、という。
特に「好きを仕事に」と
言いますけど、
実際、「仕事」として
やっているわけで。
人によっては
過剰なまでの
パッションではなく、
ときに「わりきり」
のようなものがあり。
当事者をまるで見ていないわけです。
気づけば
プロ若者
御用若者
であることを相手に期待していたり。
記者の側は、
何かを問題提起しようとしているわけですが、
実は何もわかっていないのではないか、と。
リスペクトしているようで
上から目線なのではないかと。
さらに、
「弱者」に対する「想像力」が
主に問題になるわけですが。
「強者(とされる人)」に
対する「想像力」が
逆に、弱くなることがあります。
いかにも、力がありそうな人、
恵まれていそうな人の
苦労、苦悩などに
対する想像力は
ときに弱くなりがちです。
沖縄県知事選が終わりました。
県外からの、様々な動画の投稿が
今回も問題になりましたが。
様々な論者の各陣営への応援投稿を
みつつ、
沖縄「への」視点を強く感じました。
ただ
沖縄「からの」視点
沖縄「の」視点
の報道は十分だったでしょうか。
そして、
「沖縄の声」も、実に複雑です。
このあたり、先日、毎日新聞に
選挙の投票前に掲載された記事が
秀逸だったので、貼りますね。
※会員限定ですが。
「反基地は正義」に潜む油断 辺野古事故で問い直す「正しさ」
https://d.bmb.jp/9/1454/11021/XXXX
もう4年前ですが、本土復帰50年の際の
朝日新聞の記事も貼っておきます。
(耕論)復帰50年、沖縄の現在地 仲村清司さん、宮城葉子さん、多田治さん:朝日新聞
https://d.bmb.jp/9/1454/11022/XXXX
沖縄を、沖縄県民を特定の候補を応援していそうで、
実は想像力が不十分で、
「ぼくのかんがえるさいこうのおきなわ」像を
押し付けていたのではないか、と。
人は誰でも、勝手に「物語」にされると、
困るわけです。
応援しているようで、
理解しているようで、
想像力の欠如なんじゃないか、と。
ここで、ふと思ったことがあります。
そもそもこれは、現代人の想像力が衰えた、
という話なのでしょうか。
昔の人のほうが想像力が豊かだった、
というわけでは、必ずしもなく。
むしろ昔は、「男とはこういうものだ」
「女とはこういうものだ」
「会社員とはこういうものだ」
「結婚とはこういうものだ」といった、
「普通」というか「標準・基準」のようなものが、
存在したのではないかと。
いま振り返ると、ずいぶん乱暴な話です。
ただ、逆に言えば、
標準モデルが強かったからこそ、
他人について細かく想像しなくても
済んでいたとも言えます。
「だいたい、みんな同じだろう」で
済ませることができた、と。
想像力が豊かだったというより、
想像しなくても済む社会だったのかもしれません。
一方、いまは、
その「普通」がずいぶん弱くなりました。
多様になりました。
ただ、多様性が増えるということは、
他人を理解するための
共通の物差しが弱くなるとも言えます。
多様な社会とは、実は、
想像力にかなりの筋力を要求する社会なのです。
実際、学生の面談などをしていると、
大学の教壇に立ち始めた約15年前にも
学生の現実を知らずに猛反省したことが
何度もあったのですけど。
最近は、生活の苦しさ、
直面する悩みなどが、
想像をさらに超えていることが、
よくあります。
価値観の変化に関しても、です。
しかも、SNSというものがあります。
昔なら一生出会わなかったような人の生活が、
毎日こちらに流れてきます。
一見すると、
他人がよく見えるようになった時代です。
しかし、見えているのは、
その人が投稿した数百字であり、
数枚の写真であり、数十秒の動画だったりします。
他人がよく見えるようになったのに、同時に、
他人を「わかった気」になりやすくもなりました。
可視化と理解は、どうやら別物です。
人は誰でも、場所によって違う顔を持っています。
仕事をしているときの顔、家庭での顔、
友人といるときの顔、ひとりでいるときの顔など。
SNSに現れる顔も、その一つです。
その一断面だけを見て、
「この人はこういう人だ」と
完成させてしまう、という。
それは想像力というより、人物設定です。
私も、何度もレッテル貼りをされました。
まあ、露出社会に生きるということは
そういうことなんでしょうけど。
もうすぐ芸歴20年ですし。
たくさんの誤解を呼び、色々言われてきましたよ。
いや、私にとっては誤解なのですけど、
評価する立場からすると正解なのでしょう。
では、どうすればいいのでしょう。
だから、想像しなければならない、と。
けれど、「想像した」自分を
信用しすぎてもいけない、と。
「この人は、きっとこうなのだろう」
と考えるのですが、その直後に、
「いや、違うかもしれない」と、
一度消しゴムをにぎる、と。
所詮、自分は相手のことを全部は知りません。
いや、自分のことですら、そうです。
想像力とは、他人の物語を書く力ではなく、
書きかけのままにしておく力なのかもしれません。
わかったつもりにならないこと。
自分の頭の中で、
勝手に他人の物語を完成させないこと。
他人は、なかなかわかりません。
だから人間は、面白い!
怒涛の3時間のイベントが終わってから、
そんなことをずっと考えています。はい。
10月24日夕方、
来年1月24日夜、
4月4日夕方の予定を、
いまから空けておいてください。
10月はライブ、
1月はちょっと特別なライブ、
そして4月4日は、
著者デビュー20周年の誕生会です。
盛り上げますね。
また11月に
過労死対策のシンポジウムに登壇します。
会場は、東京大学です。頑張りますね。
https://d.bmb.jp/9/1454/11023/XXXX
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最新作『日本の就活』(岩波新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11024/XXXX
をよろしくお願いします。
一昨年、リリースした
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
(平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11025/XXXX
もよろしくお願いします。
読者の人生が変わる
キッカケになっているようです。
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朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/11026/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/11027/XXXX
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2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
飲食店、結婚式場、風俗店の意外な共通点とは?
プラットフォームとどう向き合うか問題
https://d.bmb.jp/9/1454/11028/XXXX
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3.常ミシュラン
━━━━━━━━━━◆◆
【最近、開拓したお店たち】
いつも行く店が一緒である。
会食となると、どうしても松玄恵比寿、
OBANZAIYA KIZUKI 868、タブローズ、
XEX TOKYO、如水会館の一橋クラブを
使う率が高い。
行きつけの店というのは、何かと安心できる。
料理も、店の雰囲気も、だいたいわかっている。
失敗がない。
だから、ついつい同じ店に行ってしまう。
しょうがないのだけど。
とはいえ、それでは世界が広がらない。
というわけで、
最近、頑張って新規開拓したお店たち。
國見(和食・押上)
→15年にわたり墨田区に住んでいたので、
東京ソラマチには何度となく行っていた。
そして、ずっと気になっていたのだけど、
なぜか行っていなかったお店。
実際に行ってみてびっくり。
約20年お世話になっている
上野公園の韻松亭の姉妹店だった。
料理は、センスがよく、身体にもよさそうで、
何よりちゃんと美味しいものがいっぱい。
東京スカイツリーを、
そして東京の夜景を眺めながら、
和食のコースを味わう。
これがなかなかナイスである。
いかにも高級店に見えるのだが、
意外にお財布にやさしいコースもある。
景色込みで、満足度が高い店である。
國見 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11029/XXXX
空色(イタリアン・押上)
→こちらも東京ソラマチのお店。
お手頃な価格で、きちんと
イタリアンのコースを楽しむことができる。
若いカップルだらけの店なのだが、
かといって、うるさくはない。
「ちょっといいところに行きたい。
でも、気合いを入れすぎるほどではない」
というときに、ちょうどいい感じである。
なんせ、ロケーションがいい。
食事と一緒に、東京の景色も楽しめる。
空色 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11030/XXXX
ビーフキッチン 恵比寿店(焼肉・恵比寿)
→恵比寿駅から徒歩数分。
線路沿いにある、
おしゃれなカフェ風の焼肉店である。
大盛況だった。
静かに肉と向き合う店ではない。
わいわい、がやがや系である。
ただし、肉はしっかりしている。
ここは量で圧倒するというより、
質で勝負するお店である。
約8000円で美味しい部位を
一通り楽しむことができ、しかも飲み放題。
焼肉というものは、
会計時に「おお・・・」となることも多いのだが、
この内容なら納得感がある。
ナイス。
ビーフキッチン 恵比寿店 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11031/XXXX
というわけで。
ついつい同じ店に行ってしまうのだけど、
たまには新規開拓も必要である。
レストラン探しは、外れることもある。
だからこそ、当たりを引くと嬉しい。
店も、本も、音楽も、人も。
知っているものばかり選んでいると
安心ではあるが、世界は少し狭くなる。
新規開拓、もう少し頑張りますかね!
◆◆━━━━━━━━━━━
4.人生相談バカ一代
━━━━━━━━━━━━━◆◆
Q.常見陽平の着眼点とは?
やや漠然とした質問ですけど、
常見さんは、「常に見る」という名前だけあって、
いつも着眼点が鋭いなと思うのですが、
普段、何を見ていますか?
A.変化、空気を見ています
わあ、褒めていただき、感謝です。
でも、何を見ているのでしょうね。
自分でもよくわかりません。
毎朝の儀式、というか楽しみは、
新聞を6紙読むことなのですけど、
ここでは各社のニュースの取り上げ方、
論調や視点の違いなどを見ています。
同じニュースでも、
見出しも扱いの大きさも違いますし。
もっと言うと、時代の流れ、空気を読んでいます。
そう、潮目とか、空気の変化には
こだわっていますかね。
昨日まで当たり前だったことが、
少しずつ当たり前ではなくなるとか。
逆に、あれだけ話題だったことが、
いつの間にか誰も言わなくなるとか。
そういう変化です。
空気という意味では、
リアルな場では人の反応をよく見ています。
どんな人が集まっているのかを見ています。
私、
それなりに忙しい人だと思われているのですけど、
意識的に、ふらふら、
いや、ブラブラする時間を増やしています。
また、なるべく
現地に足を運ぶことを大事にしていまして。
先日も、若手批評家勢揃いのイベントや、
伊藤亜和さんの出版記念イベント
(紗倉まなさんとの対談)に、
ふらりと予告もなく行きました。
登壇者の話を聞くのはもちろんですが、
会場も見ています。
そうか、こういう人たちがファンなのか、とか。
ここで笑うんだ、ここで唸るんだ、とか。
自分が面白いと思ったところと、
会場が反応するポイントが違うこともあります。
それも含めて面白いのです。
人は何に反応するのか。何に違和感を持つのか。
そういうことを、
場の空気にまみれながら見ています。
ミュージシャンなり、ダンサーなり、
演者を見る際は、感情の伝え方と、
細部へのこだわりを両方見ますね。
上手い、下手だけではなく、
場の空気をどう作っているのか。
観客をどこで引き込むのか。
そういうところも気になります。
私も人前に出る人なので。
「お勉強」ですよ。
書店に行くときも、
やはりどんな人が集まっているか、
どんな本を手に取っているか、
どんな本が売れているのか、
品揃えの特徴、並ぶ本の顔ぶれ、
世の中で話題となっている論点などを
チェックします。
売れている本は、
思わず最後のページを開いて、刷数を見ますね。
「おお、ここまで行ったか」と。
時代の空気を読みつつ、
自分も売れてやるぞ、と。
ちょうど来月、新作が出るので。
本屋さんのチェックは
何度もしております。
売れるイメージを高めるというか。
まあ、なんせ、楽しむことが大事なんで。
あまり仕事モード、分析モードになっても
楽しくないですから。
人と話す。本を読む。ライブを見る。
街を歩く。店に入る。
そのうえで、「なんか前と違うな」とか、
「この反応、面白いな」と思ったことを、
頭の片隅に置いておく。
たぶん、大きな変化そのものよりも、
変化の前にある小さな違和感みたいなものを
見ているのだと思います。
まあ、世の中の空気は
一生懸命読もうとしているのですけど。
コミュニケーションにおいては空気を読めず、
場を凍てつかせてしまうのですけどね。
ツンデレのようで、
ツンドラです。
寒い、と。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/11032/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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1.巻頭言
想像力が足りない問題
2.記事傑作選
◇飲食店、結婚式場、風俗店の
意外な共通点とは?
プラットフォームとどう向き合うか問題
3.常ミシュラン
最近、開拓したお店たち
4. 人生相談バカ一代
常見陽平は何を見ているのか?
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1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【想像力が足りない問題】
先日の白坂リサさん、
梶原麻衣子さんとのイベントは、
大変に盛り上がりました。
多数のご来場、ありがとうございました。
自由闊達な議論でございました。
予定を1時間延長し、怒涛の3時間でした。
・・・まだアーカイブ、買えます。
神回なので、ぜひ。
9月12日(土)
『WiLL』を読んだらリベラル失格ですか?
「保守vsリベラル」を越えて――
白坂リサ×梶原麻衣子×常見陽平
https://d.bmb.jp/9/1454/11019/XXXX
なんせ、白坂リサさんが情熱的で。
かつ、刺激的で、ナイスな問題提起が
いっぱいで。
梶原麻衣子さんの、
保守の立場からの発言もナイスでした。
深みがありました。
会場からの質問も、本質を突いていました。
たくさんの論点があったのですが、
その後もずっと考えているのが、
「想像力が足りない問題」です。
「想像力の欠如」は、よく指摘される問題です。
政治や経済など、天下国家に関わるテーマから、
日々の論争、さらには私たちの日常生活まで。
「もう少し相手のことを想像できないのか」
という話は、そこらじゅうにあります。
私自身も、評論家として
ニュースなどでコメントする際に、
「想像力の欠如」を指摘することがあります。
ただ、これはもちろん他人事ではありません。
自分が何かを論じるときにも、
日常生活においても、
想像力が足りず、人を傷つけたり、
不愉快にさせたりすることがあります。
逆に、こちらが誰かの想像力の欠如によって
傷つけられることもあります。
いわゆるアンコンシャス・バイアスという
言葉もあります。
本人に悪気はなくても、
「この人は、たぶんこういう人だ」と、
いつの間にか
相手を決めつけていることがあります。
ACジャパンの、この動画、話題になりましたね。
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さらに厄介なのは、想像力を意識しているのに、
かえって相手を傷つけることすらある
という点です。
想像力が足りなかったのか。
あるいは、想像したつもりが、
ズレていたのか。
そう、想像力は、ときに
「決めつけ」や「おせっかい」に化けます。
最近、同時多発的に、
他人の生き方に関する「決めつけ」というか、
イメージの「押し付け」というか、
そんな話を聞きました。
たとえば、ミックスルーツの人や、
セクシュアルマイノリティの人は、
「多様性の象徴」として語られることがあり。
有名大学を卒業し、大手企業などに勤めた後、
「好き」を仕事にした人は、
自由な生き方を謳歌している人として
見られたりします。
しかし、本人たちは、
別に何かを象徴したくて
生きているわけではありません。
自分らしく生き、
働いているのです。
本人からすると、
そういうことでして。
インタビューを受けるたびに
「はいはい、多様性ね・・・」
「はあ、自由な生き方の体現ね」と
感じてしまう、という。
特に「好きを仕事に」と
言いますけど、
実際、「仕事」として
やっているわけで。
人によっては
過剰なまでの
パッションではなく、
ときに「わりきり」
のようなものがあり。
当事者をまるで見ていないわけです。
気づけば
プロ若者
御用若者
であることを相手に期待していたり。
記者の側は、
何かを問題提起しようとしているわけですが、
実は何もわかっていないのではないか、と。
リスペクトしているようで
上から目線なのではないかと。
さらに、
「弱者」に対する「想像力」が
主に問題になるわけですが。
「強者(とされる人)」に
対する「想像力」が
逆に、弱くなることがあります。
いかにも、力がありそうな人、
恵まれていそうな人の
苦労、苦悩などに
対する想像力は
ときに弱くなりがちです。
沖縄県知事選が終わりました。
県外からの、様々な動画の投稿が
今回も問題になりましたが。
様々な論者の各陣営への応援投稿を
みつつ、
沖縄「への」視点を強く感じました。
ただ
沖縄「からの」視点
沖縄「の」視点
の報道は十分だったでしょうか。
そして、
「沖縄の声」も、実に複雑です。
このあたり、先日、毎日新聞に
選挙の投票前に掲載された記事が
秀逸だったので、貼りますね。
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「反基地は正義」に潜む油断 辺野古事故で問い直す「正しさ」
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もう4年前ですが、本土復帰50年の際の
朝日新聞の記事も貼っておきます。
(耕論)復帰50年、沖縄の現在地 仲村清司さん、宮城葉子さん、多田治さん:朝日新聞
https://d.bmb.jp/9/1454/11022/XXXX
沖縄を、沖縄県民を特定の候補を応援していそうで、
実は想像力が不十分で、
「ぼくのかんがえるさいこうのおきなわ」像を
押し付けていたのではないか、と。
人は誰でも、勝手に「物語」にされると、
困るわけです。
応援しているようで、
理解しているようで、
想像力の欠如なんじゃないか、と。
ここで、ふと思ったことがあります。
そもそもこれは、現代人の想像力が衰えた、
という話なのでしょうか。
昔の人のほうが想像力が豊かだった、
というわけでは、必ずしもなく。
むしろ昔は、「男とはこういうものだ」
「女とはこういうものだ」
「会社員とはこういうものだ」
「結婚とはこういうものだ」といった、
「普通」というか「標準・基準」のようなものが、
存在したのではないかと。
いま振り返ると、ずいぶん乱暴な話です。
ただ、逆に言えば、
標準モデルが強かったからこそ、
他人について細かく想像しなくても
済んでいたとも言えます。
「だいたい、みんな同じだろう」で
済ませることができた、と。
想像力が豊かだったというより、
想像しなくても済む社会だったのかもしれません。
一方、いまは、
その「普通」がずいぶん弱くなりました。
多様になりました。
ただ、多様性が増えるということは、
他人を理解するための
共通の物差しが弱くなるとも言えます。
多様な社会とは、実は、
想像力にかなりの筋力を要求する社会なのです。
実際、学生の面談などをしていると、
大学の教壇に立ち始めた約15年前にも
学生の現実を知らずに猛反省したことが
何度もあったのですけど。
最近は、生活の苦しさ、
直面する悩みなどが、
想像をさらに超えていることが、
よくあります。
価値観の変化に関しても、です。
しかも、SNSというものがあります。
昔なら一生出会わなかったような人の生活が、
毎日こちらに流れてきます。
一見すると、
他人がよく見えるようになった時代です。
しかし、見えているのは、
その人が投稿した数百字であり、
数枚の写真であり、数十秒の動画だったりします。
他人がよく見えるようになったのに、同時に、
他人を「わかった気」になりやすくもなりました。
可視化と理解は、どうやら別物です。
人は誰でも、場所によって違う顔を持っています。
仕事をしているときの顔、家庭での顔、
友人といるときの顔、ひとりでいるときの顔など。
SNSに現れる顔も、その一つです。
その一断面だけを見て、
「この人はこういう人だ」と
完成させてしまう、という。
それは想像力というより、人物設定です。
私も、何度もレッテル貼りをされました。
まあ、露出社会に生きるということは
そういうことなんでしょうけど。
もうすぐ芸歴20年ですし。
たくさんの誤解を呼び、色々言われてきましたよ。
いや、私にとっては誤解なのですけど、
評価する立場からすると正解なのでしょう。
では、どうすればいいのでしょう。
だから、想像しなければならない、と。
けれど、「想像した」自分を
信用しすぎてもいけない、と。
「この人は、きっとこうなのだろう」
と考えるのですが、その直後に、
「いや、違うかもしれない」と、
一度消しゴムをにぎる、と。
所詮、自分は相手のことを全部は知りません。
いや、自分のことですら、そうです。
想像力とは、他人の物語を書く力ではなく、
書きかけのままにしておく力なのかもしれません。
わかったつもりにならないこと。
自分の頭の中で、
勝手に他人の物語を完成させないこと。
他人は、なかなかわかりません。
だから人間は、面白い!
怒涛の3時間のイベントが終わってから、
そんなことをずっと考えています。はい。
10月24日夕方、
来年1月24日夜、
4月4日夕方の予定を、
いまから空けておいてください。
10月はライブ、
1月はちょっと特別なライブ、
そして4月4日は、
著者デビュー20周年の誕生会です。
盛り上げますね。
また11月に
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会場は、東京大学です。頑張りますね。
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「週刊少年ジャンプ」から学んだ』
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キッカケになっているようです。
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プラットフォームとどう向き合うか問題
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【最近、開拓したお店たち】
いつも行く店が一緒である。
会食となると、どうしても松玄恵比寿、
OBANZAIYA KIZUKI 868、タブローズ、
XEX TOKYO、如水会館の一橋クラブを
使う率が高い。
行きつけの店というのは、何かと安心できる。
料理も、店の雰囲気も、だいたいわかっている。
失敗がない。
だから、ついつい同じ店に行ってしまう。
しょうがないのだけど。
とはいえ、それでは世界が広がらない。
というわけで、
最近、頑張って新規開拓したお店たち。
國見(和食・押上)
→15年にわたり墨田区に住んでいたので、
東京ソラマチには何度となく行っていた。
そして、ずっと気になっていたのだけど、
なぜか行っていなかったお店。
実際に行ってみてびっくり。
約20年お世話になっている
上野公園の韻松亭の姉妹店だった。
料理は、センスがよく、身体にもよさそうで、
何よりちゃんと美味しいものがいっぱい。
東京スカイツリーを、
そして東京の夜景を眺めながら、
和食のコースを味わう。
これがなかなかナイスである。
いかにも高級店に見えるのだが、
意外にお財布にやさしいコースもある。
景色込みで、満足度が高い店である。
國見 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11029/XXXX
空色(イタリアン・押上)
→こちらも東京ソラマチのお店。
お手頃な価格で、きちんと
イタリアンのコースを楽しむことができる。
若いカップルだらけの店なのだが、
かといって、うるさくはない。
「ちょっといいところに行きたい。
でも、気合いを入れすぎるほどではない」
というときに、ちょうどいい感じである。
なんせ、ロケーションがいい。
食事と一緒に、東京の景色も楽しめる。
空色 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11030/XXXX
ビーフキッチン 恵比寿店(焼肉・恵比寿)
→恵比寿駅から徒歩数分。
線路沿いにある、
おしゃれなカフェ風の焼肉店である。
大盛況だった。
静かに肉と向き合う店ではない。
わいわい、がやがや系である。
ただし、肉はしっかりしている。
ここは量で圧倒するというより、
質で勝負するお店である。
約8000円で美味しい部位を
一通り楽しむことができ、しかも飲み放題。
焼肉というものは、
会計時に「おお・・・」となることも多いのだが、
この内容なら納得感がある。
ナイス。
ビーフキッチン 恵比寿店 公式サイト
https://d.bmb.jp/9/1454/11031/XXXX
というわけで。
ついつい同じ店に行ってしまうのだけど、
たまには新規開拓も必要である。
レストラン探しは、外れることもある。
だからこそ、当たりを引くと嬉しい。
店も、本も、音楽も、人も。
知っているものばかり選んでいると
安心ではあるが、世界は少し狭くなる。
新規開拓、もう少し頑張りますかね!
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4.人生相談バカ一代
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Q.常見陽平の着眼点とは?
やや漠然とした質問ですけど、
常見さんは、「常に見る」という名前だけあって、
いつも着眼点が鋭いなと思うのですが、
普段、何を見ていますか?
A.変化、空気を見ています
わあ、褒めていただき、感謝です。
でも、何を見ているのでしょうね。
自分でもよくわかりません。
毎朝の儀式、というか楽しみは、
新聞を6紙読むことなのですけど、
ここでは各社のニュースの取り上げ方、
論調や視点の違いなどを見ています。
同じニュースでも、
見出しも扱いの大きさも違いますし。
もっと言うと、時代の流れ、空気を読んでいます。
そう、潮目とか、空気の変化には
こだわっていますかね。
昨日まで当たり前だったことが、
少しずつ当たり前ではなくなるとか。
逆に、あれだけ話題だったことが、
いつの間にか誰も言わなくなるとか。
そういう変化です。
空気という意味では、
リアルな場では人の反応をよく見ています。
どんな人が集まっているのかを見ています。
私、
それなりに忙しい人だと思われているのですけど、
意識的に、ふらふら、
いや、ブラブラする時間を増やしています。
また、なるべく
現地に足を運ぶことを大事にしていまして。
先日も、若手批評家勢揃いのイベントや、
伊藤亜和さんの出版記念イベント
(紗倉まなさんとの対談)に、
ふらりと予告もなく行きました。
登壇者の話を聞くのはもちろんですが、
会場も見ています。
そうか、こういう人たちがファンなのか、とか。
ここで笑うんだ、ここで唸るんだ、とか。
自分が面白いと思ったところと、
会場が反応するポイントが違うこともあります。
それも含めて面白いのです。
人は何に反応するのか。何に違和感を持つのか。
そういうことを、
場の空気にまみれながら見ています。
ミュージシャンなり、ダンサーなり、
演者を見る際は、感情の伝え方と、
細部へのこだわりを両方見ますね。
上手い、下手だけではなく、
場の空気をどう作っているのか。
観客をどこで引き込むのか。
そういうところも気になります。
私も人前に出る人なので。
「お勉強」ですよ。
書店に行くときも、
やはりどんな人が集まっているか、
どんな本を手に取っているか、
どんな本が売れているのか、
品揃えの特徴、並ぶ本の顔ぶれ、
世の中で話題となっている論点などを
チェックします。
売れている本は、
思わず最後のページを開いて、刷数を見ますね。
「おお、ここまで行ったか」と。
時代の空気を読みつつ、
自分も売れてやるぞ、と。
ちょうど来月、新作が出るので。
本屋さんのチェックは
何度もしております。
売れるイメージを高めるというか。
まあ、なんせ、楽しむことが大事なんで。
あまり仕事モード、分析モードになっても
楽しくないですから。
人と話す。本を読む。ライブを見る。
街を歩く。店に入る。
そのうえで、「なんか前と違うな」とか、
「この反応、面白いな」と思ったことを、
頭の片隅に置いておく。
たぶん、大きな変化そのものよりも、
変化の前にある小さな違和感みたいなものを
見ているのだと思います。
まあ、世の中の空気は
一生懸命読もうとしているのですけど。
コミュニケーションにおいては空気を読めず、
場を凍てつかせてしまうのですけどね。
ツンデレのようで、
ツンドラです。
寒い、と。
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皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
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発行人:常見陽平
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