常見陽平メルマガ『陽平界通信』第408号 初の政治の本『なぜリベラルは嫌われているのか』を発表します/『北の国から』の名台詞
2026/09/30 (Wed) 10:03
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◆◆◆◆ 常見陽平メルマガ
◆◆◆ 『陽平界通信』第408号
◆◆ 2026.9.30 配信
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今週のアウトライン
━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
1.巻頭言
初の政治の本
『なぜリベラルは嫌われているのか』を
発表します
2.記事傑作選
◇「〇〇キャンセル界隈」の危うさ
◇Z世代「食事キャンセル界隈」は大丈夫?
◇就活「早期化」の本質は「二極化」にある
◇新卒がファーストキャリアで選ぶべき企業
◇時間外労働“月45時間”の見直しで働きやすく
◇「新卒一括採用」がいい奴かもしれない?
◇「リベラルの星」に葛藤する大学生との対話
◇ファミマの「バイト改革」はなぜ今なのか
◇張本勲さんの金字塔、理不尽、そして発言
◇組織の問題を映す言葉 ブリリアント・ジャーク
◇メガネを見直してみると、人生が変わる
3. 人生相談バカ一代
『北の国から』で最も好きなセリフは?
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【初の政治の本
『なぜリベラルは嫌われているのか』を
発表します】
先週はシルバーウィークで
メルマガの発行をお休みしました。
事前にお知らせできず、すみません。
そして、1週間お休みした関係で、
今号は記事がいっぱいです。
ヤフトピ、とりまくりです。
連載「ホンのひとこと」はお休みです。
こちらも、すみません。
さて。
10月21日に最新作を発表します。
『なぜリベラルは嫌われているのか』
(星海社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11163/XXXX
「はじめに」を公開しましたので
ぜひ、ご覧ください。
ここに問題意識がまとまっています。
https://d.bmb.jp/9/1454/11164/XXXX
そう、政治の本でございます。
労働社会学者、働き方評論家の私が、
なぜ政治の本を?
他流試合、領空侵犯にもほどがあるのではないか。
そう思う人もいることでしょう。
ただ、私はもう15年以上、ブログやSNSなどで、
雇用・労働、さらには国民の暮らしという視点から
政治について発言してきました。
選挙の際に全国紙のインタビューを受けたり、
選挙速報のウェブ番組に出演したり。
参議院の委員会に呼ばれ、
政治家に意見を述べたことも何度もあります。
官庁の委員も何度か。選挙の応援演説や、
政治家の後援会で講演する機会もありました。
先日は、政治家の勉強会に
講師として呼ばれました。
出馬要請も何度か・・・。
何より、労働や生活を研究していると、
政治から逃げることができません。
賃金も、働く時間も、雇用も、
子育ても、教育も、社会保障も、
私たちが日々感じている
「生きやすさ」「生きづらさ」も、
政治と無関係ではないからです。
今回、私の中で芽生えたのは
「なぜリベラルは嫌われているのか」という、
わりと身も蓋もない問いでした。
ここでいう「リベラル」は、
特定の政党だけを指しているわけではありません。
政治家、論者、メディア、市民運動、
さらにはSNS上での言葉や態度まで含めて、
世の中で「リベラル」と呼ばれているもの全体を
いったん俎上に載せています。
もっとも、この本は
「リベラルなんてやめてしまえ」
という本ではありません。
むしろ逆です。
本来、リベラルとは自由を守る思想です。
ただ「あなたは自由ですよ」と言うだけでなく、
その自由を実際に使える条件を整える、と。
貧困や差別、教育や雇用の格差によって、
自由が名目だけになってしまうことにも
目を向けるのです。
私は、そういう思想だと理解しています。
自由、人権、多様性、寛容といったものを
否定する気はまったくありません。
では、なぜ、
それを掲げているはずの人たちの言葉が、
ときに「近寄りがたい」
「少しでも言葉を間違えると叱られそうだ」
「なんとなく息苦しい」と
感じられてしまうのでしょう。
SNSでは、少し意見を違えただけで、
長文の説教や糾弾のような言葉が
飛んでくることもあります。
本を書くキッカケの一つは、
大学の後輩からの、
「Facebookで
政治についてちょっと触れただけで
リベラルっぽい人から
A4一枚分の説教メッセージが届いたり、
長文のコメントが書き込まれた」
「リベラルって、最近、
おかしくなってませんか、常見さん」
という相談でした。
本書では、大きく二つの仮説を立てました。
一つは、「正しさ」の問題です。
人権、反差別、多様性、平和。
どれも大切なことですよ。
しかし、正しいことを言っているからといって、
その言葉が届くとは限りません。
むしろ、
「こちらが正しい。あなたは間違っている」
という態度になった瞬間、
人を自由にするはずの言葉が、
人を裁く言葉になってしまうことがあります。
多様性や寛容を唱えながら、
異論には不寛容になり、
少し言葉を間違えただけで断罪する、と。
相手がなぜそう考えるのかを聞く前に、
「それは間違いだ」と採点するという。
東大5月祭論争、本田由紀論争などでも
見られた光景でございます。
自由を守る思想だったはずのリベラルが、
別の息苦しさを生み出してしまうわけです。
もう一つは、生活者、労働者の実感とのズレです。
「弱者の味方」「生活者のため」と言いながら、
本当に働く人の生活を見ているのでしょうか。
毎朝、満員電車に乗り、会社で理不尽な目に遭い、
給料はなかなか上がらず、家賃や教育費や老後に
不安を抱えている人の感覚を、
どこまでつかんでいるのでしょうか。
このあたりの解像度が十分とは思えない
リベラル政治家や論者も少なくありません。
私はずっと、若者の就職、非正規雇用、
長時間労働、若年離職、退職代行、
賃金、男女格差などについて、
その実態を捉え、論じてきました。
そこで直視すべきは、「政治的に正しい人」でも
「意識の高い人」でもありません。
今日の仕事を終え、明日の生活を
何とかしようとしている普通の人たちです。
生活の真実は、
給与明細や、レシートの中にあります。
朝日や日経などでよく見かける、
高学歴で、仕事と家事・育児をスマートに
両立している夫婦の姿や、
大企業や男性を批判する記事の中だけに、
生活の真実があるわけではありません。
記事としてはきれいにまとまっていても、
「自分の生活とはちょっと違う」
そう感じる人もいるわけで。
そこを見落としてはいけないと思うのです。
実際は、LINEでメッセージをやりとりし
子どもが熱を出したとき、
仕事が伸びてしまったときに、
なんとかやりくりするのが
実際の人々の生活なわけです。
綺麗事だけではありません。
人間は、
いつも正しく生きられるわけではありません。
仕事で疲れ、家族や友人との関係で悩み、
将来が不安で。
リスキリングというけれど、
何かについて十分に勉強する時間もありません。
言葉を間違えることもあります。
矛盾したことを言うことだってあるわけです。
その人たちを「分かっていない人」として
説教するのではなく、
まず、なぜそう思うのか。聞き、想像するべきです。
声を上げる前に、声を聞くのです。
そこから始めなければ、自由も寛容も人権も、
生活者のものにはならないのではないでしょうか。
そんな問題意識から書いた本です。
ですからこれは、外側から石を投げるような
リベラル批判本ではありません。
読まないで、タイトルだけで批判する人が
大量発生しそうですが、まあ、読んでくださいな。
まあ、この本のタイトルに対して、
人々がどんな反応をするのかも、
日本の言論空間の現在地なわけで。
味わい深いかと。
これは、「本来、大切だったはずのものを、
もう一度取り戻せないか」と考えた本なのですよ。
リベラルな価値観には共感するものの、
最近「リベラル」と呼ばれる人たちの
言葉や態度には、どうも居心地の悪さを感じる。
そんな「隠れリベラル」は、
実はかなりいるのではないか、と。
私は、そう考えています。
働く人、生活する人の側から、
政治の言葉を問い直した本です。
だから、私が書くべき本だったのです。
これまで約20年間、雇用・労働や暮らしについて
発言してきた私にとっては、
ある意味、集大成のような一冊になりました。
読んでいただければ、
「なるほど、これは常見が書くべき本だ」と
感じていただけるのではないかと思っています。
ぜひ、手にとってください!
https://d.bmb.jp/9/1454/11165/XXXX
取材依頼、メディアやイベントの出演依頼、
POPの依頼などお待ちしております。
10月24日(土)は17時すぎより、
バウハウス六本木でライブです。
11月には過労死対策のシンポジウムに登壇します。
会場は東京大学です。こちらも頑張りますね。
https://d.bmb.jp/9/1454/11166/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
=好評既刊=
最新作『日本の就活』(岩波新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11167/XXXX
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』(平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11168/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/11169/XXXX
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ヤフージャパンでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/11170/XXXX
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◆◆━━━━━━━━━
2.記事傑作選
━━━━━━━━━◆◆
「〇〇キャンセル界隈」の危うさ
「新しい幸せ」か「新しい不幸」か
https://d.bmb.jp/9/1454/11171/XXXX
Z世代がカジュアルに使う
「食事キャンセル界隈」は本当に大丈夫なのか?
若者が「食べられない」ことを
正当化する“危険性”も
https://d.bmb.jp/9/1454/11172/XXXX
就活「早期化」の本質は「二極化」にある
情報格差時代を生き抜く方法とは?
常見陽平さんインタビュー【就活のキホン】
https://d.bmb.jp/9/1454/11173/XXXX
「大企業ほど20代は成長できない」
新卒がファーストキャリアで選ぶべき企業を
衝撃データから徹底討論
【常見陽平×大澤陽樹/加藤浩次】2 Sides
https://d.bmb.jp/9/1454/11174/XXXX
時間外労働“月45時間”の見直しで
「働きやすくなる」…
残業が増えてもブラックにならない理由
https://d.bmb.jp/9/1454/11175/XXXX
なぜ「新卒一括採用」が
「いい奴かもしれない」のか?
|高橋昌一郎【#3】
https://d.bmb.jp/9/1454/11176/XXXX
「リベラルの星」に葛藤する大学生、
保守雑誌の元編集者らとの対話
https://d.bmb.jp/9/1454/11177/XXXX
ファミマの「バイト改革」はなぜ今なのか
制服・髪色・録画面接の先にあるもの
「働く人を会社に合わせる」時代は終わった?
ファミマから見るアルバイト争奪戦関西テレビ
https://d.bmb.jp/9/1454/11178/XXXX
訃報に接したとき、社説は
張本勲さんの金字塔、理不尽、そして発言
https://d.bmb.jp/9/1454/11179/XXXX
[論壇キーワード]
【ブリリアント・ジャーク】
組織の問題を映す言葉…常見陽平
https://d.bmb.jp/9/1454/11180/XXXX
メガネを見直してみると、人生が変わる
https://d.bmb.jp/9/1454/11181/XXXX
◆◆━━━━━━━━━━━
3.人生相談バカ一代
━━━━━━━━━━━━━◆◆
Q.倉本聰さん逝去 『北の国から』の、
常見さんの推しセリフを知りたい!
倉本聰さんがお亡くなりになりました。
常見さん、『北の国から』ファンですよね。
推しセリフはなんですか?
A.綺麗事じゃないのが、
『北の国から』の魅力なんでねえ
うわあ、これは難しい質問ですね。
とても一つには絞れません。
それでも、どうしても一つ選べと言われたら、
『北の国から ’98時代』で、
正吉と螢の披露宴の際に流れる、
亡くなった草太兄ちゃんの
スピーチ練習のテープでしょうか。
螢は既婚の医師と、いわゆる
不倫関係になった上、
別れるのですが、彼の子を妊娠し。
そのことを知った草太兄ちゃんは、
正吉に螢との結婚をすすめるのです。
しかし、その草太兄ちゃん自身は
事故で亡くなってしまいます。
そして披露宴で、
生前の草太兄ちゃんが結婚式のスピーチを
練習していたテープが流れるわけです。
これが、実に赤裸々なんですよ。
螢が子どもを宿し、
正吉という素晴らしい男をつかみ、
いま幸せの絶頂にいる。
そんなことを、
草太兄ちゃんは屈託なく祝福するのです。
でも、その場にいる人たちは、螢のお腹の子が
正吉との間の子ではないことを
なんとなく知っている、
あるいは疑っている、という。
祝福の言葉なのに、同時に、
触れないことにしている真実まで
むき出しにしてしまうのです。
ご懐妊からの、正吉との結婚て、
これ、正吉が父親じゃないと
公言しているようなものじゃないですか。
もちろん、あくまで
スピーチの「練習テープ」です。
だからこそ、余計に生々しいわけです。
その不器用さ、正直さが、
なんとも『北の国から』らしくて、
人間臭くて好きなんです。
私は、『北の国から』についてよくある
「北海道の雄大な自然の中で描かれる、
親子のふれあいと成長の物語」みたいな説明が、
昔からあまり好きではありません。
というか、ちゃんと観たのかよ、という。
もちろん、それも完全に間違いではないです。
ただ、この作品のすごさは、
北海道を決して美化しなかったことにあると
思っています。
北海道の中にある内地へのコンプレックス、
さらに言えば、札幌以外に住む人から見た
札幌への複雑な感情などが
リアルに描かれています。
開放的に見えて、
実はかなり濃密なムラ社会でもあること。
人と人との距離が近すぎること。
そして、
経済的に決して豊かではない生活もそうです。
札幌とそれ以外の地域の差も大きいのですが。
札幌ですら、そういうことがあるわけで。
そういうものを、
倉本聰さんはかなり赤裸々に描いています。
情け容赦なく。
草太兄ちゃんと別れたつららさんが
すすきのに行き、
今でいうソープランドで働く話もそうですし、
完次一家が夜逃げする話もそうです。
私には、どこか遠い世界の出来事ではなく、
「半径20メートルくらいで聞いた話」でした。
なんせ、富良野の風景自体が、
私が育った札幌市南区藤野あたりに
ちょっと似ているんですよ。
初めて富良野に行ったとき、
「ここ、昔の藤野じゃん」と思いましたもん。
名前まで似ていますし。
『北の国から』の資料館にも行きましたが、
展示を見ていると、倉本聰さんが
相当に入念な取材をしていたことが
伝わってきました。
北海道や富良野を単なる
「美しい場所」にしなかったのです。
それは、
あの取材の成果でもあったのだろうと思います。
もう一つ挙げるなら、
『北の国から 2002遺言』の
最後の五郎さんの言葉ですね。
金や物は残せない。
でも、残すべきものはすでに残した気がする、
という趣旨の言葉です。
あれもまた、五郎さんらしいなと。
もちろん、
「まだ子どもが食べてるでしょうが!」も、
「誠意って何かね」も大好きです。
ちなみに、資料館では
黒板五郎さんのストーリーが掲示されていて。
最初の交際相手が妊娠、中絶、と。
なので、裕木奈江が演じた
純の交際相手の妊娠、中絶は、
自分とも重なったわけです。
朝日新聞に掲載された、
倉本聰さんの追悼記事によると、
例の「子どもがまだ食べているでしょうが」
のシーンも、
早く帰ってと言わんばかりに
タバコをすったり、圧をかけたりする
女性店員ですけど。
彼女はシングルマザーという
設定だそうで。
物語では、その件には
触れていなかったと思うのですが。
そういう背景もあるわけで。
深いな、と。
ちなみに、北海道の
お土産で
「子どもがまだ食べているでしょうがラーメン」
というものがあります。
友人にプレゼントしたら、
感激していました。
プレゼント企画、やろうかな。
なお、このとき、五郎さんは
菅原文太演じる方に謝罪をし
「誠意って~」と言われるのですが、
これは任侠映画でライバルだった
田中邦衛と菅原文太の壮大なる手打ち、
歴史的な謝罪ではないかと、
語り草になっています。
ただ、『北の国から』は
「名台詞」のドラマである以上に、
「名場面」のドラマなのだと思います。
だから私は、人に1万円札を渡すとき、
相手が分かってくれそうな人なら、
いや、分かってくれない人でも・・・。
「泥がついてなくて、ごめん」
そう言いたくなってしまう人材です。はい。
『北の国から』のレターセットも
持っているのですが、
使うタイミング、相手を
考えつつ、結局、
大切に保管しています。
・・・草太兄ちゃんに
螢が妊娠を告げるシーン、
草太兄ちゃんの事故現場で、
螢が戸惑うシーンの
絵葉書をもらったら、
そりゃ、相手も、困惑しますねえ。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
配信停止等はこちらのURLからお願いします
https://d.bmb.jp/9/1454/11182/XXXX
発行人:常見陽平
お問い合わせ先 E-Mail
yoheitsunemi@gmail.com
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1.巻頭言
初の政治の本
『なぜリベラルは嫌われているのか』を
発表します
2.記事傑作選
◇「〇〇キャンセル界隈」の危うさ
◇Z世代「食事キャンセル界隈」は大丈夫?
◇就活「早期化」の本質は「二極化」にある
◇新卒がファーストキャリアで選ぶべき企業
◇時間外労働“月45時間”の見直しで働きやすく
◇「新卒一括採用」がいい奴かもしれない?
◇「リベラルの星」に葛藤する大学生との対話
◇ファミマの「バイト改革」はなぜ今なのか
◇張本勲さんの金字塔、理不尽、そして発言
◇組織の問題を映す言葉 ブリリアント・ジャーク
◇メガネを見直してみると、人生が変わる
3. 人生相談バカ一代
『北の国から』で最も好きなセリフは?
◆◆━━━━━━━
1.巻頭言
━━━━━━━◆◆
【初の政治の本
『なぜリベラルは嫌われているのか』を
発表します】
先週はシルバーウィークで
メルマガの発行をお休みしました。
事前にお知らせできず、すみません。
そして、1週間お休みした関係で、
今号は記事がいっぱいです。
ヤフトピ、とりまくりです。
連載「ホンのひとこと」はお休みです。
こちらも、すみません。
さて。
10月21日に最新作を発表します。
『なぜリベラルは嫌われているのか』
(星海社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11163/XXXX
「はじめに」を公開しましたので
ぜひ、ご覧ください。
ここに問題意識がまとまっています。
https://d.bmb.jp/9/1454/11164/XXXX
そう、政治の本でございます。
労働社会学者、働き方評論家の私が、
なぜ政治の本を?
他流試合、領空侵犯にもほどがあるのではないか。
そう思う人もいることでしょう。
ただ、私はもう15年以上、ブログやSNSなどで、
雇用・労働、さらには国民の暮らしという視点から
政治について発言してきました。
選挙の際に全国紙のインタビューを受けたり、
選挙速報のウェブ番組に出演したり。
参議院の委員会に呼ばれ、
政治家に意見を述べたことも何度もあります。
官庁の委員も何度か。選挙の応援演説や、
政治家の後援会で講演する機会もありました。
先日は、政治家の勉強会に
講師として呼ばれました。
出馬要請も何度か・・・。
何より、労働や生活を研究していると、
政治から逃げることができません。
賃金も、働く時間も、雇用も、
子育ても、教育も、社会保障も、
私たちが日々感じている
「生きやすさ」「生きづらさ」も、
政治と無関係ではないからです。
今回、私の中で芽生えたのは
「なぜリベラルは嫌われているのか」という、
わりと身も蓋もない問いでした。
ここでいう「リベラル」は、
特定の政党だけを指しているわけではありません。
政治家、論者、メディア、市民運動、
さらにはSNS上での言葉や態度まで含めて、
世の中で「リベラル」と呼ばれているもの全体を
いったん俎上に載せています。
もっとも、この本は
「リベラルなんてやめてしまえ」
という本ではありません。
むしろ逆です。
本来、リベラルとは自由を守る思想です。
ただ「あなたは自由ですよ」と言うだけでなく、
その自由を実際に使える条件を整える、と。
貧困や差別、教育や雇用の格差によって、
自由が名目だけになってしまうことにも
目を向けるのです。
私は、そういう思想だと理解しています。
自由、人権、多様性、寛容といったものを
否定する気はまったくありません。
では、なぜ、
それを掲げているはずの人たちの言葉が、
ときに「近寄りがたい」
「少しでも言葉を間違えると叱られそうだ」
「なんとなく息苦しい」と
感じられてしまうのでしょう。
SNSでは、少し意見を違えただけで、
長文の説教や糾弾のような言葉が
飛んでくることもあります。
本を書くキッカケの一つは、
大学の後輩からの、
「Facebookで
政治についてちょっと触れただけで
リベラルっぽい人から
A4一枚分の説教メッセージが届いたり、
長文のコメントが書き込まれた」
「リベラルって、最近、
おかしくなってませんか、常見さん」
という相談でした。
本書では、大きく二つの仮説を立てました。
一つは、「正しさ」の問題です。
人権、反差別、多様性、平和。
どれも大切なことですよ。
しかし、正しいことを言っているからといって、
その言葉が届くとは限りません。
むしろ、
「こちらが正しい。あなたは間違っている」
という態度になった瞬間、
人を自由にするはずの言葉が、
人を裁く言葉になってしまうことがあります。
多様性や寛容を唱えながら、
異論には不寛容になり、
少し言葉を間違えただけで断罪する、と。
相手がなぜそう考えるのかを聞く前に、
「それは間違いだ」と採点するという。
東大5月祭論争、本田由紀論争などでも
見られた光景でございます。
自由を守る思想だったはずのリベラルが、
別の息苦しさを生み出してしまうわけです。
もう一つは、生活者、労働者の実感とのズレです。
「弱者の味方」「生活者のため」と言いながら、
本当に働く人の生活を見ているのでしょうか。
毎朝、満員電車に乗り、会社で理不尽な目に遭い、
給料はなかなか上がらず、家賃や教育費や老後に
不安を抱えている人の感覚を、
どこまでつかんでいるのでしょうか。
このあたりの解像度が十分とは思えない
リベラル政治家や論者も少なくありません。
私はずっと、若者の就職、非正規雇用、
長時間労働、若年離職、退職代行、
賃金、男女格差などについて、
その実態を捉え、論じてきました。
そこで直視すべきは、「政治的に正しい人」でも
「意識の高い人」でもありません。
今日の仕事を終え、明日の生活を
何とかしようとしている普通の人たちです。
生活の真実は、
給与明細や、レシートの中にあります。
朝日や日経などでよく見かける、
高学歴で、仕事と家事・育児をスマートに
両立している夫婦の姿や、
大企業や男性を批判する記事の中だけに、
生活の真実があるわけではありません。
記事としてはきれいにまとまっていても、
「自分の生活とはちょっと違う」
そう感じる人もいるわけで。
そこを見落としてはいけないと思うのです。
実際は、LINEでメッセージをやりとりし
子どもが熱を出したとき、
仕事が伸びてしまったときに、
なんとかやりくりするのが
実際の人々の生活なわけです。
綺麗事だけではありません。
人間は、
いつも正しく生きられるわけではありません。
仕事で疲れ、家族や友人との関係で悩み、
将来が不安で。
リスキリングというけれど、
何かについて十分に勉強する時間もありません。
言葉を間違えることもあります。
矛盾したことを言うことだってあるわけです。
その人たちを「分かっていない人」として
説教するのではなく、
まず、なぜそう思うのか。聞き、想像するべきです。
声を上げる前に、声を聞くのです。
そこから始めなければ、自由も寛容も人権も、
生活者のものにはならないのではないでしょうか。
そんな問題意識から書いた本です。
ですからこれは、外側から石を投げるような
リベラル批判本ではありません。
読まないで、タイトルだけで批判する人が
大量発生しそうですが、まあ、読んでくださいな。
まあ、この本のタイトルに対して、
人々がどんな反応をするのかも、
日本の言論空間の現在地なわけで。
味わい深いかと。
これは、「本来、大切だったはずのものを、
もう一度取り戻せないか」と考えた本なのですよ。
リベラルな価値観には共感するものの、
最近「リベラル」と呼ばれる人たちの
言葉や態度には、どうも居心地の悪さを感じる。
そんな「隠れリベラル」は、
実はかなりいるのではないか、と。
私は、そう考えています。
働く人、生活する人の側から、
政治の言葉を問い直した本です。
だから、私が書くべき本だったのです。
これまで約20年間、雇用・労働や暮らしについて
発言してきた私にとっては、
ある意味、集大成のような一冊になりました。
読んでいただければ、
「なるほど、これは常見が書くべき本だ」と
感じていただけるのではないかと思っています。
ぜひ、手にとってください!
https://d.bmb.jp/9/1454/11165/XXXX
取材依頼、メディアやイベントの出演依頼、
POPの依頼などお待ちしております。
10月24日(土)は17時すぎより、
バウハウス六本木でライブです。
11月には過労死対策のシンポジウムに登壇します。
会場は東京大学です。こちらも頑張りますね。
https://d.bmb.jp/9/1454/11166/XXXX
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=好評既刊=
最新作『日本の就活』(岩波新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11167/XXXX
『50代上等!理不尽なことは
「週刊少年ジャンプ」から学んだ』(平凡社新書)
https://d.bmb.jp/9/1454/11168/XXXX
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朝日新聞デジタルでコメントをしております。
https://d.bmb.jp/9/1454/11169/XXXX
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ヤフージャパンでコメントをしております。
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「〇〇キャンセル界隈」の危うさ
「新しい幸せ」か「新しい不幸」か
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Z世代がカジュアルに使う
「食事キャンセル界隈」は本当に大丈夫なのか?
若者が「食べられない」ことを
正当化する“危険性”も
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就活「早期化」の本質は「二極化」にある
情報格差時代を生き抜く方法とは?
常見陽平さんインタビュー【就活のキホン】
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「大企業ほど20代は成長できない」
新卒がファーストキャリアで選ぶべき企業を
衝撃データから徹底討論
【常見陽平×大澤陽樹/加藤浩次】2 Sides
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時間外労働“月45時間”の見直しで
「働きやすくなる」…
残業が増えてもブラックにならない理由
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なぜ「新卒一括採用」が
「いい奴かもしれない」のか?
|高橋昌一郎【#3】
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「リベラルの星」に葛藤する大学生、
保守雑誌の元編集者らとの対話
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ファミマの「バイト改革」はなぜ今なのか
制服・髪色・録画面接の先にあるもの
「働く人を会社に合わせる」時代は終わった?
ファミマから見るアルバイト争奪戦関西テレビ
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訃報に接したとき、社説は
張本勲さんの金字塔、理不尽、そして発言
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[論壇キーワード]
【ブリリアント・ジャーク】
組織の問題を映す言葉…常見陽平
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メガネを見直してみると、人生が変わる
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3.人生相談バカ一代
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Q.倉本聰さん逝去 『北の国から』の、
常見さんの推しセリフを知りたい!
倉本聰さんがお亡くなりになりました。
常見さん、『北の国から』ファンですよね。
推しセリフはなんですか?
A.綺麗事じゃないのが、
『北の国から』の魅力なんでねえ
うわあ、これは難しい質問ですね。
とても一つには絞れません。
それでも、どうしても一つ選べと言われたら、
『北の国から ’98時代』で、
正吉と螢の披露宴の際に流れる、
亡くなった草太兄ちゃんの
スピーチ練習のテープでしょうか。
螢は既婚の医師と、いわゆる
不倫関係になった上、
別れるのですが、彼の子を妊娠し。
そのことを知った草太兄ちゃんは、
正吉に螢との結婚をすすめるのです。
しかし、その草太兄ちゃん自身は
事故で亡くなってしまいます。
そして披露宴で、
生前の草太兄ちゃんが結婚式のスピーチを
練習していたテープが流れるわけです。
これが、実に赤裸々なんですよ。
螢が子どもを宿し、
正吉という素晴らしい男をつかみ、
いま幸せの絶頂にいる。
そんなことを、
草太兄ちゃんは屈託なく祝福するのです。
でも、その場にいる人たちは、螢のお腹の子が
正吉との間の子ではないことを
なんとなく知っている、
あるいは疑っている、という。
祝福の言葉なのに、同時に、
触れないことにしている真実まで
むき出しにしてしまうのです。
ご懐妊からの、正吉との結婚て、
これ、正吉が父親じゃないと
公言しているようなものじゃないですか。
もちろん、あくまで
スピーチの「練習テープ」です。
だからこそ、余計に生々しいわけです。
その不器用さ、正直さが、
なんとも『北の国から』らしくて、
人間臭くて好きなんです。
私は、『北の国から』についてよくある
「北海道の雄大な自然の中で描かれる、
親子のふれあいと成長の物語」みたいな説明が、
昔からあまり好きではありません。
というか、ちゃんと観たのかよ、という。
もちろん、それも完全に間違いではないです。
ただ、この作品のすごさは、
北海道を決して美化しなかったことにあると
思っています。
北海道の中にある内地へのコンプレックス、
さらに言えば、札幌以外に住む人から見た
札幌への複雑な感情などが
リアルに描かれています。
開放的に見えて、
実はかなり濃密なムラ社会でもあること。
人と人との距離が近すぎること。
そして、
経済的に決して豊かではない生活もそうです。
札幌とそれ以外の地域の差も大きいのですが。
札幌ですら、そういうことがあるわけで。
そういうものを、
倉本聰さんはかなり赤裸々に描いています。
情け容赦なく。
草太兄ちゃんと別れたつららさんが
すすきのに行き、
今でいうソープランドで働く話もそうですし、
完次一家が夜逃げする話もそうです。
私には、どこか遠い世界の出来事ではなく、
「半径20メートルくらいで聞いた話」でした。
なんせ、富良野の風景自体が、
私が育った札幌市南区藤野あたりに
ちょっと似ているんですよ。
初めて富良野に行ったとき、
「ここ、昔の藤野じゃん」と思いましたもん。
名前まで似ていますし。
『北の国から』の資料館にも行きましたが、
展示を見ていると、倉本聰さんが
相当に入念な取材をしていたことが
伝わってきました。
北海道や富良野を単なる
「美しい場所」にしなかったのです。
それは、
あの取材の成果でもあったのだろうと思います。
もう一つ挙げるなら、
『北の国から 2002遺言』の
最後の五郎さんの言葉ですね。
金や物は残せない。
でも、残すべきものはすでに残した気がする、
という趣旨の言葉です。
あれもまた、五郎さんらしいなと。
もちろん、
「まだ子どもが食べてるでしょうが!」も、
「誠意って何かね」も大好きです。
ちなみに、資料館では
黒板五郎さんのストーリーが掲示されていて。
最初の交際相手が妊娠、中絶、と。
なので、裕木奈江が演じた
純の交際相手の妊娠、中絶は、
自分とも重なったわけです。
朝日新聞に掲載された、
倉本聰さんの追悼記事によると、
例の「子どもがまだ食べているでしょうが」
のシーンも、
早く帰ってと言わんばかりに
タバコをすったり、圧をかけたりする
女性店員ですけど。
彼女はシングルマザーという
設定だそうで。
物語では、その件には
触れていなかったと思うのですが。
そういう背景もあるわけで。
深いな、と。
ちなみに、北海道の
お土産で
「子どもがまだ食べているでしょうがラーメン」
というものがあります。
友人にプレゼントしたら、
感激していました。
プレゼント企画、やろうかな。
なお、このとき、五郎さんは
菅原文太演じる方に謝罪をし
「誠意って~」と言われるのですが、
これは任侠映画でライバルだった
田中邦衛と菅原文太の壮大なる手打ち、
歴史的な謝罪ではないかと、
語り草になっています。
ただ、『北の国から』は
「名台詞」のドラマである以上に、
「名場面」のドラマなのだと思います。
だから私は、人に1万円札を渡すとき、
相手が分かってくれそうな人なら、
いや、分かってくれない人でも・・・。
「泥がついてなくて、ごめん」
そう言いたくなってしまう人材です。はい。
『北の国から』のレターセットも
持っているのですが、
使うタイミング、相手を
考えつつ、結局、
大切に保管しています。
・・・草太兄ちゃんに
螢が妊娠を告げるシーン、
草太兄ちゃんの事故現場で、
螢が戸惑うシーンの
絵葉書をもらったら、
そりゃ、相手も、困惑しますねえ。
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